エティエネを探して
エルソン・カルロス・フェレイラ(ブラジル,パラナ)
専任宣教師として伝道に出る数週間前,わたしは教会員ではない旧友の家を訪ねました。数分だけのつもりでしたが,雨が激しく降り始めたため,予定より長い訪問になりました。そこで,友達と友達のお母さんとわたしが座って,教会や間近に控えている伝道について話し始めました。
リオデジャネイロやベロオリゾンテ,ブラジリアなどの都市に赴任するかもしれないわ,とわたしは説明しました。
どういうわけか,友達のお母さんは,リオデジャネイロ近郊の町に住む自分の姉妹の住所をわたしに渡してくれました。もしそちらに赴任することがあれば,ぜひ行って訪問してほしいと言われました。
1982年7月7日,わたしは伝道に出ました。さまざまな町に赴任しました。その一つが,友達のおばさんの住んでいる場所の近くでした。彼女を訪問することを考えましたが,わたしが担当する区域内の住所ではありませんでした。自分で訪問したいと思っていたので,その区域を割り当てられている宣教師には伝えませんでした。
当時,宣教師の奉仕は1年半でした。友達のおばさんとその家族に会わないまま,年月が過ぎてしまいました。
何年も後に,ワードの交流活動に出席していると,教会員ではないあの友達を見かけました。彼はある親戚に誘われて来たことが分かりました。その親戚は,最近バプテスマを受けて教会に入ったエティエネという名のおばさんでした。そして,エティエネおばさんがリオデジャネイロ州からわたしのワードに転入して来て間もないことをわたしは知りました。わたしは友達の親戚であるエティエネおばさんが大好きになり,リオデジャネイロでの思い出について一緒に楽しく話しました。決まり悪いことに,伝道中にずっと会いたかった女性がエティエネおばさんであることが判明しました。つい最近,思いがけず夫を亡くした後,おばさんはバプテスマを受けたのでした。
幸い,わたしが他の宣教師に訪問を勧めなかったことをおばさんは赦してくれました。しかし,福音の祝福を受けられるようになるまでの年月が長く,時間がかかったことを彼女は残念に思っていました。
このような後悔の念は帰還宣教師だけでなく,友達を教会の活動に誘うことだったり,宣教師に紹介することであったりしても,わたしたちが御霊の促しに聞き従うことを怠るなら,どんな人も味わうものです。主のもとに行って,霊感を求めましょう。主は御霊の静かな細い声を通して語ってくださいます。わたしたちが献身的に,愛をもって伝道するのに必要な助けを与えてくださるのです。