信仰の肖像
デルバ・ネテイン
アメリカ合衆国,カリフォルニア州
デルバは二人目を妊娠して4か月に入ったころ,赤ちゃんに13トリソミーというまれな染色体異常があると告げられました。赤ちゃんが生存できる見込みはきわめて低く,デルバの命も危うくなる恐れがあったため,医師たちは何度も彼女に中絶を勧めました。先が見えない中で,デルバは何が起きようとも天の御父を信頼することを選びました。
クリスティーナ・スミス,写真家
わたしの赤ちゃんは仮に生まれたとしても1時間ももたないだろうと告げられました。そしてたとえ生き延びたとしても,生活の質(QOL)は保証できないと言われました。主治医から中絶することを強く勧められました。別の医者にも診てもらいましたが,同じように,中絶するべきだと言われました。
その後,友人であり教会員でもある医者のもとに行きました。御霊が彼を促して違う診断が下らないかと期待しました。彼は検査結果や超音波画像をすべて確認すると,ほかの医者と同じ懸念を示しました。けれどもわたしたち家族のために断食して祈る,うまくいくように願うと言ってくれました。
それからも妊娠中ずっと,多くの医者や専門家に診てもらいました。その都度,妊娠によって母体の生命に危険が及びかねないと,中絶を勧められました。でもそのようなことは想像すらできませんでした。
何が起きようとも,夫もわたしも受け入れる心構えができていました。娘が天に召されれば,貴い霊であることが分かるでしょう。生きてくれるのなら,どんな困難を伴おうとも,家族で頑張れるという信仰がありました。
それでも生半可なことではありません。2歳の娘に母親が精神的に参っていく様子を見せたくなかったため,できるだけ気持ちを表に出さないようにしました。何をすればよいのか,何を考えればよいのか,どこに助けを求めればよいのか分かりませんでした。夫,友人,親族は皆支えてくれましたが,わたしがどのような思いで過ごしているかは十分に理解していないと感じました。ほんとうに理解することがおできになるのは主だけです。わたしは慰めと導きを求めて祈り続けました。
しばらくして,わたしはビショップと面接し,事情を説明しました。するとビショップはわたしの家族のために断食するようワードの会員たちに呼びかけてくれたのです。わたしにとってこれがターニングポイントとなりました。決めなければならないすべての事柄に,天からの導きの光を感じ始めました。
妊娠8か月半が過ぎたころ,4D超音波検査を受けました。
出産予定日が数週間後に迫り,それで何もかも終わってしまうかもしれないことを思い知りました。せめて思い出として,娘の心臓の音を録音してクマの縫いぐるみに入れたいとも考えました。
以前の超音波検査では,身体的特徴まではどの医者も確認できませんでした。そのため,娘の手に指はなく,顔も奇形だろうと言われました。4D超音波検査の画像はより鮮明です。ですから技術者が超音波検査を始めると,完全な形の手をわたしに振ってくれているのが見えたのです。ちゃんとした二つの目ときれいな口も見えました。そのとき,娘は死なないという思いが胸にあふれてきました。
娘のメラが生まれたとき,専門家が何人も待機していましたが,結局必要ありませんでした。メラは13トリソミーではありませんでした。医者も専門家もなぜそんなことが起こったのか説明できませんでしたが,夫とわたしには奇跡であることが分かっていました。
メラが生まれた後,異常の有無を調べるために,さらに遺伝子検査を行うよう医者から勧められました。検査の結果,娘には確かにまれな遺伝子異常があることが分かりました。遺伝学者によれば,メラはやがて視覚と聴覚を失い,歩行や会話はできないだろうとのことでした。ですが現在メラは,多少の発育遅延はありますが,見ることも聞くこともでき,トレーニング装置の助けを借りて歩くこともできます。時々言葉を発することもできます。とても幸せそうな子供です。
この一連の出来事を通じて受けてきた祝福にとても感謝しています。天の御父が究極の創造主であり,命をつかさどる究極の決定者であられることをわたしたちは知っています。人はその業の一翼を担う祝福にあずかっているにすぎません。毎日メラを見るたびに,彼女の存在自体が奇跡であると思わずにはいられません。子供たちは人生に喜びをもたらし,感謝すべき多くのものを頂いていることを思い出させてくれます。