けんかをしない約束
このお話を書いた人は,アメリカ合衆国ユタ州に住んでいます。
「自分たちのつるぎと,……あらゆる武器を取って来て,それを地中深くうめてしまった。」(アルマ24:17)
今日はすばらしい1日でした。ティミーのいとこのマディーが来ることになっていて,しかも,1週間もとまるのです。ティミーは,マディーにおもちゃを見せたり,一緒に遊んだりするのが楽しみで,待ち切れませんでした。
マディーが来ると,すぐにぼうけんが始まりました。最初の2日間,二人はきょうりゅうのおもちゃで遊んだり,海賊ごっこをしたりしました。すごく楽しかったです。でも,3日目からは,それほどうまくいかなくなってきました。ティミーとマディーの意見がすべてのことについて合わなくなってしまったのです。
「外に行って,ツリーハウスを宇宙船にしよう!」とティミーが言うと,
「それはやりたくないな。家の中にいて,お絵かきしましょ」とマディー。
「家にいたらつまらないよ!」
「そんなことないわ!いつもあなたがやりたい遊びばかりしているじゃない。なんであなたばっかりが何をして遊ぶかを決めるの?」
ティミーとマディーはけんかばかりしていました。もうちっとも楽しくありません。ティミーはけんかをするときに感じる気持ちがきらいでした。そこで,あることを思いつきました。
「ねえ,マディー。アンタイ・ニーファイ・リーハイ人みたいになろうよ」とティミーが言いました。
「何人?」
「アンタイ・ニーファイ・リーハイ人さ。モルモン書に出てくる,武器をうめてしまった人たちだよ。戦いばかりしていたけど,後悔して,悔い改めたんだよ。天のお父様に,二度と戦いませんって約束したんだ。そして,約束を守りたいっていう気持ちをしめすために,武器を土の中にうめたんだよ。」
急に,ティミーの頭にアイデアが思いうかびました。「おもちゃのつるぎを作って,土の中にうめて,もうけんかはしないって約束しようよ。」
「いいわよ」とマディーが言いました。
ティミーとマディーはティミーの部屋のプラスチックでできたおもちゃの大工用具を使って,いろいろなつるぎを作りました。長い物もありましたし,短い物もありました。いろいろな色の物もありました。作り終わると,ティミーとマディーは武器を玄関先の大きなしき物の所に持って行きました。
「このしき物を,大きなあなにしよう。」ティミーが言いました。
二人はしき物のはしに座ると,つるぎを一つずつしき物の上に置いて,うめているふりをしました。
ティミーは最後のおもちゃを,積み上がったおもちゃの山に置きながら,「もう二度とけんかをしないと約束します」と言いました。
「わたしもです」と,マディーが言いました。「じゃあ,遊びに行こう!何して遊ぶ?」
「絵をかこうよ。」笑顔で,ティミーが言うと,
マディーもにっこりしながら,「その後,外で宇宙船ごっこしましょうね」と言いました。
その週ずっと,ティミーとマディーは約束を守りました。けんかをやめてから,二人はもっと楽しく遊ぶことができました。