卵とヒューズと信仰
アルバロ・アルカイノ
(チリ,アントファガスタ)
わたしたち家族の目標の一つは,家の頭金に十分な貯金をすることです。その目標がなかったら,わたしは経済的なチャンスがやって来るのを待ちながらテレビを見て,週末の時間を無駄に過ごしたかもしれません。
チリ北部の採掘会社の運転手として働くわたしは,週4日家を離れて鉱山で過ごし,土曜から月曜までの3日間が休日です。収入を増やし,家の購入資金貯をためるため,するための貯蓄をするため,わたしたちは卵の販売を始めることにしました。友人,近所の人,教会員から注文を受け,卸業者から毎週1,000個ほど卵を買い付け,土曜日と月曜日に取りに行って届ける計画を立てました。
妻のラウラとわたしは配達に二人の子供を連れて行き,一緒に楽しく過ごすことにしました。ところが,1回目の卵の仕入れに行く途中で災難が起こりました。子供の一人が小さな金属製の鉛筆削りで遊んでいたのですが,鉛筆削りを放り投げたところ,開いていたシガーソケットの中にすっぽり入ってしまいました。火花が飛び散り,我が家のワゴン車は電力をすべて失い,高速道路の真ん中で急停止しました。ヒューズが飛んでしまったのです。
交通渋滞を招き,あたふたしているうちに,心がくじけて泣き出したい気持ちになりました。しかしそのとき,主を信頼するなら,主はわたしたちを高め,助けると約束されたことを思い出しました。心は穏やかになり,ただ座って文句を言うだけではだめだと気づきました。問題があっても,神の助けがあれば解決できるのです。
ラウラとわたしは向き合い,「信仰を示さなければ」と言いました。祈りをささげ,涙をふきました。そして,ラウラが運転席に座ってハンドルを握り,わたしは車を降りて押し始めました。何人かが自分の車を降りて助けてくれました。
200メートルほど車を押して,ようやく高速道路のわきに安全に停車できる場所を見つけました。車を停止させたとき,カーステレオの店が目の前にあることに気づきました。
わたしは飛んでしまったヒューズを取り出し,店に入って「これと同じものがありますか」と聞きました。
店員は「もちろんありますよ」と言いました。
ヒューズを買って取り付けるとすぐに車のエンジンがかかり,わたしたちは出発しました。到着したとき,卵の卸業者はちょうど閉店するところでした。わたしたちは卵を仕入れて配達しました。
困難な状況にあるとき,天の御父に助けを祈り求めるのを忘れてはなりません。わたしたちが前進し,主を信じる信仰を示すなら,祈りにこたえてくださることを知っています。