子供と青少年—日常生活における強調点
写真／ランディー・コリアー
「子供と青少年」には，こなすべき全目標に細かなチェックリストがないことに驚く人もいるかもしれません。皆さんはすでにすばらしいことを数多く行っています。ですから，個人に合わせたこの取り組みはむしろ，個人の必要や関心事から発想を得るような形で，皆さんが救い主にさらに近づく助けとなるよう作られました。
「子供と青少年」のおもな目的は，イエス・キリストを信じる信仰を強められるように皆さんを助けることです。ルカ2章52節によると，イエス・キリストは少年のころ「ますます知恵が加わり，背たけも伸び，そして神と人から愛され」ておられたことが分かります。主はバランスの取れた生活を送られました。皆さんもそうすることができます。生活の霊的，社会的，身体的，知的な側面に焦点を合わせることで，皆さんもさらに救い主のようになることができるのです。
Beside Still Watersの一部／サイモン・デューイ画
どのような成果があるか
「子供と青少年」は，福音学習，奉仕と活動，個人の成長に取り組むことを通して，皆さんの霊的，社会的，身体的，知的な成長を促します。
福音学習
「ますます知恵が加わ〔った〕」と救い主についてあるように（ルカ2：52），皆さんも福音に関する知識と理解を増し加えることができます。皆さんが学ぶ福音の原則一つ一つが，救い主がどのようにして生活のあらゆる面で皆さんを強め，祝福してくださるかを知る助けとなるでしょう。
福音の原則についてさらに学び，救い主に似た者となるうえで，活用できるものが数多くあります。例えば，祈りや聖文研究，御霊は，基盤を築いてくれます。家族や教会指導者は，皆さんが救い主についてさらに学べるよう助けることができます。「わたしに従ってきなさい」の教科課程やセミナリーは，学習の指針となります。身の回りにあるリソースを活用してイエス・キリストと主の福音について学ぶとき，皆さんは主とのより良い関係を築くことができるでしょう。
奉仕と活動
奉仕は，救い主が地上におられた間になされたおもな働きの一つです。家族や地域社会の人々の助けになる，簡単で無理のない方法を見いだすことで，皆さんは主の模範に倣い，さらに主に似た者となるという決意を表明しているのです。
有意義なグループ活動は，皆さんやほかの青少年が人々に奉仕する方法を見いだし，ともに霊的な成長を遂げる助けになるでしょう。心楽しく，人を高めるような活動は有益です。若く忠実な末日聖徒のグループとして集まるとき，皆さんはしばしば，自分独りでするよりもはるかに多くのことを学び，成し遂げることができます。
個人の成長
天の御父とイエス・キリストは，皆さん自身と，皆さんがなろうとしている人物像に，深い関心を寄せておられます。天の御父が望まれるような人に成長するために目標を立てるなら，御父と御子に近づくことができます。
だれもが独自の存在です。ですから，皆さん個人が向上するための目標もまた，各自の必要に合った独自のものであるべきです。例えば，ピアノで賛美歌を弾けるようになりたいのなら，毎日練習するという目標を立ててもいいでしょうし，聖文研究を改善したいのなら，毎日一定の時間を取って読むよう決めることができます。自分にとって最も効果的な計画を立てられるよう，御霊の導きを求めてください。
「子供と青少年」は皆さんのためのものです
最も益を受けるのは皆さんです。自分の目標を立てて福音を学び，福音に従って生活し，奉仕や活動に携わり，個人的に成長することで，皆さんは自分自身と，自分がほんとうは何者であるかについて，さらに多くを学ぶでしょう。イエス・キリストの弟子になるという務めは困難なものかもしれませんが，それが自分で掲げられる，最もやりがいのある目標なのです。
「子供と青少年」に取り組み始めた双子の姉妹
日々の生活でさらにイエス・キリストに似た者になるよう努力することでもたらされる祝福を，皆さんのような青少年がすでに目にし始めています。アメリカ合衆国オハイオ州出身の双子の姉妹，ダニカ・Rとナターシャ・R（15歳）は，まさにそうしようと決意しました。父親はタイ出身で，二人は時々タイに住む親戚を訪ねます。そこで，ダニカとナターシャは，タイ料理やタイ語をもっと学びたいと思い，そうすることにしたのです。
ダニカはタイのスープの作り方を習うという目標を立てました。そこで材料を買い求め，父親と一緒に慣れない調理技術を練習しました。ナターシャは，タイにいる親戚とコミュニケーションを取れるようになりたいと思ったので，知らないタイ語を毎日一つ覚えるという目標を立てました。言語学習に役立つウェブサイトを使って，父親と発音練習をするのです。
それぞれの目標に取り組むうちに，ダニカとナターシャは学んだことを地元のワードの若い女性たちに分かち合いたいと思うようになりました。すると指導者が，タイについてもっと学ぶ活動を計画できるようにしてくれたのです。活動で，ダニカがみんなのためにスープを作る一方，ナターシャはタイの言葉を幾つか教えました。
双子の姉妹はまた，友人のグレースをこの活動に誘いました。グレースは人前でもっと上手に話せるようになるという目標を個人で立てていたので，箸を使ってスープを食べる方法を紹介してもらいました。
目標に掲げたことを実践し，指導者やほかの若い女性と協力することで，ダニカとナターシャは友人たちと楽しく過ごす愉快な夕べを計画することができたのです。
「子供と青少年」に携わることで得られる祝福
ダニカとナターシャによると，彼女たちは自らの受け継ぎについてさらに学ぼうと努め，受け継いだものを家族やほかの若い女性とともにたたえることで，多くの祝福を受けました。こうした経験をするに当たり，困難がなかったわけではありません。ナターシャはこう説明しています。「学校に通いながらタイ語を勉強したので，時間を見つけるのが難しいときもありました。」ダニカもこう話しています。「活動では，その場にお父さんがいなかったので，自分だけでスープを作るのは少し大変でした。」しかし，最終的には行うだけの価値があったことを二人とも認めています。
ダニカはこう言っています。「お父さんと一緒に過ごせてよかったです。おかげで，家族をもっと身近に感じられるようになりました。」またこうも説明しています。「個人の目標を立ててやり通すことは，イエス・キリストにもっと近づく助けになりました。目標のおかげで自分自身やほかの人の助けになるような明確な道が分かるからです。夜に何げなく時間をつぶす代わりに，従い，守るべき標準を定めたおかげで，キリストについて考える時間が増えたんです。」
ナターシャはこう語っています。目標を掲げてやり通すことで，「さらにキリストに近づくために，行う必要のあることや行いたいことについて深く考えました。」ナターシャはすでに照準の的を新たな目標に移していますが，タイ語を学び続けるようにという霊的な促しを受けたことについても話してくれました。「当初の目標は，タイ語を学んでタイに住む親戚と言葉を交わせるようになることでした。ですから，これからもタイ語を学び続けて親戚と話せるようになりたいです。」
ダニカとナターシャはバランスの取れた方法で個人の能力を伸ばすことによって，父親の文化についてさらに学び，友人と楽しく過ごし，自身の家族や救い主にさらに近づくことができました。これこそ「子供と青少年」が目指すものです。
皆さんも「子供と青少年」に取り組むことで，家族やほかの青少年，ワードの会員との関係を築く助けとすることができます。また最高の自分になることに焦点を当てるときに，とりわけ救い主との関係を築くことができます。