来年,だれかがここにいない
あるクリスマスイブに,わたしは自分の家族をどれだけ愛しているか考えていました。そのとき,あるはっきりとした印象を受けたのです。
それはクリスマスイブのことでした。我が家の伝統である新しいパジャマをそれぞれがもらったばかりです。子供たちがクリスマスの音楽をかけると,みんなが踊り出しました。不機嫌な人はだれもおらず,皆が幸せそうにほほえみ,楽しんでいました。当時妊娠していたわたしは,自分がこの家族をどれだけ愛しているか,そして新しく迎える次の赤ちゃんをどれだけ心待ちにしているか考えていました。
そのとき,あるはっきりとした印象を受けたのです。家族のうちのだれかが来年わたしたちと一緒にここにいない,と御霊がささやいたのです。
その夜遅く,夫のティムと一緒にクリスマスツリーの下にプレゼントを置いていると,ティムがその晩に受けた印象のことを話してくれました。家族のうちのだれかが,来年のクリスマスイブにはここに一緒にいないという印象です。わたしも同じ印象を受けたことをティムに伝えました。
クリスマス後の旅行で別の州に住む家族を訪問することになったとき,ティムは出発前に旅行中の安全の確保について子供たちに注意を促しました。旅行中に家族のだれかを失うかもしれないという考えに不安を覚えましたが,すべて大丈夫だという安心感もありました。目的地に到着して訪問先の家族とも楽しく過ごし,何事もないまま無事帰宅しました。
ほどなくして出産前の定期検診を受診する日が来ました。そこで先生から悲しい事実を告げられました。超音波検査の結果,検診の2週間前に胎児が死んでしまっていたことが分かったのです。
大きな悲しみを抱えながら車で家路についたわたしたちは,2週間前がちょうどクリスマスイブであったことに気がつきました。霊が体にいつ宿るのか正確なことは知りませんが,みんなが踊り,幸せそうにしていたあのクリスマスイブに,赤ちゃんがわずかな時間でも家族と一緒に過ごせたと,ティムとわたしは信じています。あれほどの喜びを感じたのは,赤ちゃんもそこにいたからに違いありません。赤ちゃんが去ったとき,この子が「来年のクリスマスイブに一緒にいない家族のだれか」になったのだとわたしたちは信じています。この赤ちゃんと再び会える日がいつか来ることをわたしは信じています。そのことで得られる平安に感謝します。