「あなたは聖餐を取りたい ですか?」『リアホナ』2023年2月号
末日聖徒の声
あなたは聖餐を取りたいですか?
聖餐が配られると,その少年は手を伸ばし,ためらうと,手を引っ込めました。
親友の一人が,断食日曜日にワードに出席して友人の息子の命名と祝福に参加するよう招いてくれました。祝福の後は,聖餐の時間でした。
聖餐が会衆に配られている間わたしは,注意欠陥多動性障害(ADHD)のある,友人の6歳の甥に気づきました。彼は礼拝堂の後ろをうろうろしていましたが,聖餐を配っていた年配の男性の一人と静かに話し始めました。
その少年が聖餐を受けたかどうか分からなかったその男性は,聖餐のトレイを優しく差し出しました。少年は手を伸ばし,ためらうと,手を引っ込めました。その後数秒間,少年はややぎこちなく,手を伸ばしては引っ込めるのを繰り返しました。少年は,どうすればよいのか分からないようでした。年配の紳士は忍耐強く待ちました。
とうとう男の子は,「ぼくに聖餐を取ってほしい?」と尋ねました。
年配の紳士は優しい声で,「あなたは聖餐を受けたいですか」と応じました。
少年は「はい」と答え,ためらうことなく手を伸ばしてパンを取りました。聖餐を配る男性がほかの人たちにパンを持って行ったので,少年は家族のもとに戻って座りました。
その男性と少年とのやり取りを見て,天の御父が御自分の子供であるわたしたちとどのように接しておられるかについて,多くのことを学びました。
天の御父は決して何も強制なさることなく,愛をもって忍耐強く,聖餐を受けるよう招いておられます。そして,主はいつでもわたしたちを祝福する準備を整えて,愛にあふれた御腕を常にわたしたちに伸ばしておられるのです。わたしたちが主に手を伸ばそうとするとき,主はすでにそこにおられ,主の奇跡的な愛と祝福を授ける備えができておられます。