セミナリー
2ニーファイ5:1-9:神の警告


「2ニーファイ5:1-9:神の警告」『モルモン書 教師用手引き』(2024年)

「2ニーファイ5:1-9:神の警告」『モルモン書 教師用手引き』

2ニーファイ5:1-9

神の警告

荒れ野へ逃れるニーファイの家族

ニーファイはひどく心を痛めたに違いありません。レーマンとレムエルがニーファイを殺そうと企んだため,ニーファイは「神の警告と啓示を信じる者たち」(2ニーファイ5:6)を連れて荒れ野に逃れるように警告されました。わたしたちもまた,身近に迫った身体的および霊的な危険について,主から警告されることがあるかもしれません。この課は,あなたを守るために主が愛をもって与えられる警告に従ううえで助けとなります。

受け入れられ,尊重されていると感じられるような環境を育む。どの生徒も必要とされていることを心から認識し,生徒が持つ様々な背景や状況を尊重し,生徒同士で,また救い主から力を授かる機会を設けることで,学習者の帰属意識を育みます。また,生徒が神の業において役割を果たしていることを理解できるよう,助けます。

生徒の準備:生徒には,人から警告してもらって感謝した経験を,クラスで分かち合う準備をしてきてもらいます。

学習活動案

警告

警告標識を幾つか表示し,以下のような質問をして,警告が祝福となることを生徒が話し合うのに役立てるとよいでしょう。

また,クラスが始まる前に椅子の一つに汚れたものやべたつきのあるものを置いておき,その椅子の周りに警告標識を置くのもよいでしょう。

警告標識
  • これらの警告標識はなぜ重要なのでしょうか。

  • なぜ警告標識を見て,感謝する人や,イライラする人がいるのでしょうか。

  • 警告を受けて感謝したことはありますか。それは,どんなときでしたか。

今日,研究しながら,なぜ神はわたしたちに警告を送られるのかを考えてください。また,神が与えられた警告に対してあなたが示した様々な反応を思い出してみてください。

ニーファイに対する神の警告

2ニーファイ5:1-9を読み,リーハイの死後に家族の霊的指導者となったニーファイに,主が与えられた警告を見つけてください。ビデオ「ニーファイ人,荒れ野へ逃れる」のタイムコード0:00-3:21を見るのもよいでしょう。

5:33

自分の家族がニーファイに従うよう促された,10代のニーファイ人の立場になってみてください。

  • 旅立つのが難しかった理由があるとすれば,それは何でしょうか。

  • ニーファイに従って荒れ野に行く決断をするには,何が必要ですか。

  • 6節によれば,どのような人たちがニーファイと一緒に行くことを決めましたか。

この話から学べる真理の一つは,もしわたしたちが神の啓示を信じ,神の預言者に耳を傾けることを選ぶなら,神はわたしたちを危険から遠ざけることがおできになる,ということです。

クラスでの話し合いは,神は危険を警告してくださるほどわたしたちを愛されていると,生徒が感謝を感じることに役立つでしょう。

話し合いを促すために,もし神がわたしたちに何も警告してくださらなければ,この世界(または個人の生活)はどう変わっていただろうかと,生徒に想像してみてもらうとよいでしょう。その後,数人の生徒に考えをクラスで発表してもらいます。生徒がそれぞれの考えを話し合う際は,神の警告はわたしたちへの愛と思いやりのしるしであることを生徒が理解するよう助けます。クラスの話し合いをさらに進めるために,以下のビデオと幾つかの質問を利用するとよいでしょう。

ChurchofJesusChrist.orgにあるビデオ「敵の領域」(3:38)を見て,神の警告がどのようにわたしたちの生活を祝福してくれるかを見つけてください。

3:38
  • なぜ現代のわたしたちに神の警告が必要だと思いますか。

  • 神が与えられる警告は,人々の全般に対する場合と,具体的状況にある個人に対する場合とで,方法はどのように異なりますか。

  • 人が神の警告に従わないことを選ぶ場合,その理由は何でしょうか。また,その理由を打ち明けた人に,あなたならどう答えますか。

  • あなたやあなたの大切な人が,神の警告に従うことでどのように守られたことがありますか。思いつくものがあれば,具体的な例を分かち合ってください。

神は預言者を通してわたしたちに警告される

神が愛をもってわたしたちに危険を警告される方法の一つに,生ける預言者を通してのものがあります。例えば,2ニーファイ5:5-6で,ニーファイの家族の多くが聞き従ったのは,荒れ野に向けて去るようにと主がニーファイに与えられた警告でした(アモス3:7も参照)。わたしたちはまた,聖文の中に神からの,預言者を通した警告を多く見いだすことができます。

少し時間を取って,神が過去に預言者を通してわたしたちに与えられた警告を聖文から探してください。(例として,アルマ41:10モロナイ10:30,32教義と聖約63:57-5889:1-4などがあります。)

生徒が独力で聖文の中にある神からの警告を見つけられるようにするとよいでしょう。生徒に助けが必要なら,上記の例やそのほかの例を与えるとよいでしょう。

研究の間は以下の質問を表示しておきます。その後,少人数のグループ内で答えを分かち合ってもらいます。

  • あなたが見つけた中で,今日,世の中に最も必要と思われる警告は何ですか。

  • これらの警告に従った場合,あるいは無視した場合,どのような結果になると思いますか。

  • それらの警告は,どのような点で神の愛のしるしなのでしょうか。

  • あなたが見つけた警告に従うことは,あなたがさらにイエス・キリストのようになるうえで,どのような助けとなるでしょうか。

  • 神の警告を無視することは,どのように神から遠ざかることになるでしょうか。

あなたに対する神の警告

神からの警告に従うことで祝福を受けた,あなたの個人的経験を分かち合うとよいでしょう。

そして,生徒が自分の考えや感情について静かに深く考え,学習帳に書けるように十分に時間を取ってから,この課を終えます。生徒が書く前の準備として,以下の言葉や促しが役立つかもしれません。

十二使徒定員会のボイド・K・パッカー会長(1924-2015年)は,次のように教えています:

「過ちをまったく犯さずに人生を歩むことは期待されていませんが,皆さんは大きな過ちを犯す前に,必ず聖なる御霊のささやきによって警告を受けるでしょう。この約束はすべての教会員に当てはまるものです。」(ボイド・K・パッカー「若人への助言『リアホナ』2011年11月号,18)

  • 御霊から与えられた考えや気持ちを通して,天の御父がわたしの人生で何か具体的なことを警告されたことがあるだろうか。

  • 教会指導者,親,神権の祝福,またはほかの手段を介して,わたしが受け取った神からの具体的な警告はあるだろうか。わたしはその警告に従っているだろうか。

  • 今日学んだことや感じたことで,天の御父がわたしがするように望んでおられると思うことを一つ挙げるとすれば,それは何だろうか。