セミナリー
ヒラマン8章:預言者はイエス・キリストについて証する


「ヒラマン8章:預言者はイエス・キリストについて証する」『モルモン書 教師用手引き』(2024年)

「ヒラマン8章」『モルモン書 教師用手引き』

ヒラマン8章

預言者はイエス・キリストについて証する

イエス・キリスト

無数の声がわたしたちをありとあらゆる方向に引きずって行くこの世界で,わたしたちを御自身につなぎとめておくため,神はわたしたちに預言者を与えてくださいました。邪悪なニーファイ人から,なぜ自分たちについてそんなに厳しく語ったのかと尋ねられたとき,ニーファイは救い主について大胆に証しました。この課は,預言者がイエス・キリストについて証することを理解し,その証が真実だと感じる助けとなります。

「預言者がイエス・キリストについてどのように証するか」を強調します。預言者のおもな責任は,イエス・キリストについて証することです(『聖句ガイド』「預言者」の項,scriptures.ChurchofJesusChrist.org参照)。救い主の神聖な特質,生涯,使命について証している聖句やその他の預言者の教えを挙げてください。預言者の証がイエス・キリストについての自分自身の理解と,主への感謝にどのように影響するかを考えるよう生徒に促します。

生徒の準備:生徒には,最近の総大会からイエス・キリストについて証する預言者と使徒の例を一つ以上見つけてもらいます。

学習活動案

目撃者の証言

ピーナッツやクルミなど殻つきのナッツを用意するとよいでしょう。手に隠し持つか,袋に入れておきましょう。人に見られたり,触られたりしたことのないもの(殻つきのナッツ)を持っていることを生徒に伝えます。生徒の一人を呼び,見てもらいます。そしてその生徒に,あなたが本当のことを言っているかどうかをクラスに伝えてもらいます。生徒に,あなたのことを信じているかどうか,そしてその理由を尋ねます。クラスで生徒があなたを信じているかどうかを話し合った後,ナッツを見せてください。

ほとんどの人はイエス・キリストを見たことがありませんが,それにもかかわらず多くの人はイエス・キリストを信じています。

  • 人々がイエス・キリストを信じる理由には,どのようなものがありますか。

  • あなたが救い主を信じられるよう,預言者たちはどのような役割を果たしていますか。

昔の預言者たちの証

「ヒラマン7-10章」の課では,預言者ニーファイの務めについて触れました。この課では,イエス・キリストについて証するという預言者の務めについてヒラマン8章でニーファイが教えていることに注目することができます。生徒がヒラマン8章にあるニーファイの教えの背景を復習できるよう,以下の情報を要約するとよいでしょう。

預言者ニーファイが邪悪なニーファイ人たちに,悔い改めないならば滅ぼされるであろうと預言したことを覚えていることでしょう(ヒラマン7:22-29参照)。ニーファイ人の多くは,自分たちの邪悪さを非難する声を上げたニーファイに腹を立てました(ヒラマン8:1-7参照)。ニーファイはこれらの人々をいさめ,自分の言葉だけでなく,イエス・キリストについて証したモーセを含む過去の預言者の言葉も否定していると言いました(ヒラマン8:10-13参照)。

ヒラマン8:13-23を読み,ニーファイがモーセなどの過去の預言者について分かち合ったことを見つけてください。ニーファイが言及した預言者の名前に印をつけるとよいでしょう。

  • これらの預言者たちに共通していたことは何でしょうか。

これらの聖句から学ぶことができる一つの真理は,預言者たちはイエス・キリストについて証する,ということです。

十二使徒定員会のニール・L・アンダーセン長老は,次のように述べています:

「主の預言者の最も重要な役割は,救い主について教え,わたしたちを主のもとに導くことです。……

預言者は皆さんと救い主の間に立つのではありません。むしろ,皆さんの傍らに立ち,救い主に通じる道を指し示してくれるのです。預言者の最大の責任であり,わたしたちへの最も貴重な贈り物は,イエスがキリストであるというその揺るぎない証と確固とした知識です。」(ニール・L・アンダーセン「神の預言者『リアホナ』2018年5月号,25-27)

  • 預言者の最大の贈り物がイエス・キリストの証であるのはなぜだと思いますか。

イエス・キリストについて証する預言者の例

時間を取って,イエス・キリストについての預言者の証を幾つか研究してください。預言者の証を研究するとき,聖霊があなたの心と思いに預言者の言葉が真実であることを証してくださいます。

以下の活動の一つまたは両方を生徒に行ってもらいます。もしくは,どの活動を行うかを生徒に選んでもらってもかまいません。あるいは,生徒をグループに分けて,グループにいずれかのオプションを割り当てて行ってもらってもよいでしょう。その後,各グループのメンバーに,研究した証の中で,印象に残ったことを分かち合ってもらいます。

オプションA:イエス・キリストについて証した昔の預言者たち

ヒラマン8:13-23で言及されている以下の預言者の名前,以下の付随する聖句,各預言者の画像(可能であれば)を部屋のあちこちに掲示してもよいでしょう。生徒は幾つかの証を学習したら,学習したときの気持ちや印象を記録し,その気持ちや印象をクラスメートと分かち合うことができます。

ニーファイが述べた預言者たちの次の証のうち,3つ以上読んでください。これらの証からイエス・キリストについて学べることをリストにしてください。

書いたリストを見直してください。研究しながら,救い主について得た洞察,感情,印象を記録してもよいでしょう。預言者がイエス・キリストについてのこれらのことを教えてくれていなかったら,あなたの人生がどのように変わっていたかを説明する文章を幾つか書いてください。

オプションB:末日の預言者たちはイエス・キリストについて証する

生徒がこのオプションを終えられるよう,機関誌『リアホナ』の総大会号などのリソースを提供するとよいでしょう。

必要に応じて,「注釈と背景情報」の項にある預言者の証の一部を分かち合うとよいでしょう。

末日の預言者や使徒がイエス・キリストについて証する例を二つ以上見つけてください。最近の総大会や教会歴史で見つかることでしょう。ChurchofJesusChrist.orgまたは「福音ライブラリー」アプリで検索してもよいでしょう。ChurchofJesusChrist.orgで「生けるキリスト:使徒たちの証」を読んだり聴いたりすることもできます。

生徒が活動を終えたら,イエス・キリストについて証する預言者の例を分かち合ってもらいます。複数の生徒が発表できるようにしてください。「預言者のどの証が印象的でしたか」や「多くの預言者がイエス・キリストについて証したことが重要なのはなぜだと思いますか」などの質問をすると,生徒の助けになるかもしれません。

時間があれば,生徒がイエス・キリストの証を分かち合うのもよいでしょう。