「第199課—キリストのような愛によって福音を分かち合う:神と人々への愛」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』(2025年)
「キリストのような愛によって福音を分かち合う」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』
第199課:宣教師の備え
キリストのような愛によって福音を分かち合う
神と人々への愛
イエス・キリストの福音を分かち合うことを選ぶ理由はたくさんあります。神と周りの人を愛するようになると,福音を分かち合いたいという望みは増します。この課は,天の御父,イエス・キリスト,人々に対する愛が,福音を分かち合う動機となることを生徒が理解できるよう助けるものです。
学習活動案
奉仕の動機
様々な状況で奉仕を行う青少年の写真を見せるとよいでしょう。それぞれの写真の青少年が奉仕することを選んだ理由として考えられるものを,幾つか挙げるよう促します。(理由としては,義務,愛,親の期待,罪悪感,社会的な交流などが考えられます。)
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人々に奉仕する理由は数多くありますが,わたしたちが救い主のようになるために最も役に立ちそうなのはどのような理由でしょうか。それはなぜですか。
その後,福音を分かち合っている人の写真を見せて,次の質問について話し合ってもらいます。
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友人と福音を分かち合ったり,専任宣教師として伝道に出ることを選ぶ理由にはどのようなものがあるでしょうか。
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人を神のもとに導くのに最も効果的だと思われるのは,どの理由でしょうか。
時間を取って,次のことについて深く考え,感じたことを学習帳に記録してもらいます。
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イエス・キリストの福音を分かち合うことについて,どのように感じますか。そのように感じるのはなぜですか。
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専任宣教師として伝道に出る予定はありますか。そうだとしたら,その動機は何ですか。
レッスンの間,イエス・キリストの福音を分かち合いたいという望みについて考えるとき,聖霊の導きを求めるよう招きましょう。
神の動機
天の御父とイエス・キリストがわたしたちに仕えてくださる動機が何であるかを知れば,御二方の模範によく倣うことができると説明するとよいでしょう。
生徒がこのことを理解できるように,次の参照聖句を見せます。一つか二つの聖句を選んで読み,深く考えるよう招きます。
以下の聖句から一つか二つ読んで,天の御父とイエス・キリストについて何を教えているかを見つけましょう。
天の御父とイエス・キリストについて学んだことを,教室内を歩き回って,異なる聖句を選んだクラスメートと分かち合ってもらいます。
生徒同士の分かち合いが済んだら,天の御父とイエス・キリストについて学んだことを要約してくれる人はいないか尋ねます。
天の御父とイエス・キリストが奉仕される動機は愛であることを,生徒が認識できるようにしてください。
生徒は,答えを発表する準備ができたと感じる前に,以下の質問について深く考える時間が必要かもしれません。発表する生徒を募る前に,各自の学習帳に答えを書く時間を設けてもよいでしょう。
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天の御父とイエス・キリストのあなたへの愛を感じるために,どのような経験が助けになりましたか。
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天の御父とイエス・キリストがわたしたちに仕えてくださる理由を理解することは,人々に福音を分かち合いたいというあなたの望みにどのように影響するでしょうか。
愛は福音を分かち合う動機となる
この課のこのセクションでは,ヨハネ21章にある救い主の教えを用いて,愛が福音を分かち合う動機となり得ることを生徒が理解できるようにします。
これを達成する別の方法として,『わたしの福音を宣べ伝えなさい—イエス・キリストの福音を分かち合うためのガイド』(2023年)の127ページにある「聖文研究」のアイデアを含む,「慈愛と愛」の項を研究し,愛がどのように福音を分かち合う動機となるかを調べてもらうこともできます。
イエス・キリストが十字架上で亡くなられて間もなく,数人の弟子たちは漁に出かけました。漁をしていると,岸にいた一人の男性が,舟の右側に網を投げるよう勧めました。そのとおりにして多くの魚を捕った後,弟子たちはその男性が復活された救い主であることに気づきました。弟子たちが陸に上がると,イエスは彼らに食事を与え,教えることで奉仕なさいました。
ヨハネ21:15-17を一緒に読むか,ChurchofJesusChrist.orgにあるビデオ「わたしの羊を養いなさい」(5:44)のタイムコード2:46-4:29を視聴して,救い主がペテロに繰り返し招かれた部分を見つけるよう生徒に勧めましょう。(15節のこの人たちという言葉は,弟子たちが捕ったすべての魚を指す「これら」を意味する可能性があることを,生徒に伝えておくとよいでしょう。)
わたしの羊を養いなさい
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イエスがペテロにどのように愛を示してほしいと望んでおられるかをお伝えになったことから,何が学べるでしょうか。
預言者ジョセフ・スミス(1805-1844年)の次の言葉を読み,ヨハネ21章にあるイエスの招きについて,あなたの理解を深めてくれる記述を見つけましょう。
「愛は神の主要な特質の一つであり,神の息子となることを望む人々が示さなければならないものです。神への愛で満たされている人は,自分の家族に祝福を与えるだけでは満足せず,全人類に祝福を与えたいと望み,全世界を歩き回ります。」(『歴代大管長の教え—ジョセフ・スミス』426)
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ジョセフ・スミスの言葉で,どのようなことが印象に残りましたか。
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ヨハネ21章とジョセフ・スミスの言葉から,福音を分かち合おう,あるいは伝道に出ようという気持ちを高めるようなことを学びましたか。それはどのようなことですか。
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神への愛を深める効果的な方法は何だと思いますか。人々への愛を深める効果的な方法は何でしょうか。
福音を分かち合うことへのためらいを克服する
生徒をグループに分けて,次の活動を行ってもよいでしょう。各グループに紙を配ると役立つかもしれません。
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若い男性が専任宣教師として奉仕することをためらうシナリオ,または10代の若者が友人に福音を分かち合うことをためらうシナリオをグループで作成します。シナリオを紙に書く筆記者を一人選びます。シナリオの登場人物が躊躇している理由を必ず盛り込んでください。
以下は,グループで作成するシナリオの例です:「アントニオは最近,ある大会説教を聞きました。その説教は,もっと多くの青少年が主の宣教師として奉仕する備えをするよう勧めるものでした。アントニオはそれが自分のするべき正しいことだと分かっています。しかし知らない人と話すのが苦手で,しかも他人に教えられるほど聖文をよく知らないと感じています。活躍できる宣教師にはなれないのではないかと心配しています。」
作ったシナリオを各グループが書き終えたら,次のステップへ進む前に,ほかのグループとシナリオを交換するよう求めてもよいでしょう。
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今日学んだことや感じたことを使って,シナリオの人物を助けるためにグループで分かち合えることを筆記者に書いてもらいます。救い主と人々への愛を増すために,登場人物ができることの提案を入れてください。救い主の愛を感じることが,仕えたいというこの人物の望みをどのように高めるかについても含めるとよいでしょう。
他グループのシナリオにどのように対応したかを,グループごとにクラスで発表してもらいましょう。
レッスンの締めくくりとして,神と人への愛によって,イエス・キリストの福音を分かち合うことに対して感じる抵抗を克服できるようになることを,学習帳に記録する時間を取るとよいでしょう。