セミナリー
第200課—愛し,分かち合い,招く:イエス・キリストのもとに人々を集める


「第200課—愛し,分かち合い,招く:イエス・キリストのもとに人々を集める」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』(2025年)

「愛し,分かち合い,招く」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』

第200課:宣教師の備え

愛し,分かち合い,招く

イエス・キリストのもとに人々を集める

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人に奉仕する

末日聖徒イエス・キリスト教会の会員として,救い主の福音を「世界の果てまで」(教義と聖約1:23)分かち合うということはわたしたちの聖約に伴う責任です。人々を愛し,イエス・キリストのメッセージを分かち合い,ともに救い主のもとに来るように招くことによって,このすばらしい業に携わることができます。この課は,愛し,分かち合い,招くという原則を用いて,生徒がイエス・キリストの福音を広める計画を立てるのを助けます。

学習活動案

あなたの福音の光をカモフラージュさせない

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木にいるフクロウ

クラスの始めに,うまくカモフラージュして隠れている動物の写真を見せます。このように隠れることが動物にとっては有益である理由を話し合ってもらいます。

  • 人はどのような状況で,周りに溶け込んで身を隠したいと思うでしょうか。

十二使徒定員会のクエンティン・L・クック長老は,自分自身について,隠したくないあることについて,次のように話しています。

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クエンティン・L・クック長老

「この伝道の取り組みの最も重要な部分は,個々の会員が,どこに住んでいようと,灯台の明かりのような模範になることです。教会員であることを隠してはいけません。……

主は,福音を受け入れた人が,ほかの人たちを神のみもとに導く灯台の光のような模範になるよう直ちに努力することを期待しておられます。そうすることによって,世界各地の兄弟姉妹は,回復されたイエス・キリストの福音のすばらしい祝福と儀式を享受し,集められて無事天の家に帰れるようになるのです。」(クエンティン・L・クック「無事集められて家に帰る『リアホナ』2023年5月号,23)

  • クック長老のメッセージで,あなたにとって意義深いことは何ですか。

生徒がこのレッスンに心と思いを備えられるよう,末日聖徒イエス・キリスト教会に加わった家族や友達の話を分かち合ってもらうとよいでしょう。自分の改宗談を話してもらってもかまいません。話したい生徒が複数いる場合は,二人一組または少人数のグループで,それぞれ話してもらうとよいでしょう。

生徒に,自分を「カモフラージュさせる」方法と,自分の伝道の取り組みが「灯台の光のような模範」となる方法を学習帳に記録してもらいます。

どうすれば救い主の福音の光を率直に分かち合うことができるか理解できるよう,よく祈って御霊を招くよう促します。

救い主の宣教師としての使命

クエンティン・L・クック長老の次の言葉を紹介し,どうすればイエス・キリストの福音を効果的に分かち合えるかについての勧告を見つけてもらいます。

クック長老は次のように教えています。

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クエンティン・L・クック長老

「救い主は,御自身の声となり手となるように,わたしたちに優しく呼びかけておられます。救い主の愛はわたしたちを導く光です。救い主は弟子たちに教えられました。『それゆえに,あなたがたは行って,すべての国民を……教えよ。』〔マタイ28:19〕……

福音を伝えるという救い主から託された任務が,わたしたち自身の一部となるためには,……わたしたちは,隣人を愛し,イエス・キリストの回復された福音を伝えて,来て見るようにすべての人を招く必要があります。」(クエンティン・L・クック「神の御心への改心『リアホナ』2022年5月号,56参照)

  • クック長老のメッセージを自分の言葉でどのように説明しますか。

    生徒が次のような真理を見つけられるよう助けます:わたしたちは隣人を愛し,主の福音を分かち合い,主のもとに来るよう人々を招くことによって,救い主の伝道活動を手伝う。

    ホワイトボードに3列の表を書いて,各欄の上部に愛する分かち合う招くと書くとよいでしょう。生徒が次の質問の答えを発表するとき,愛し,分かち合い,招くことによって人々を救い主のもとに導くアイデアを,各列に書き出すよう招きます。

  • ほかの人がどのような効果的な方法でイエス・キリストの福音を分かち合うのを見たことがありますか。

  • あなたには福音を分かち合ったどのような経験がありますか。

愛し,分かち合い,招く

愛し,分かち合い,招くという原則をより理解できるように助ける一つの方法として,配付資料「愛し,分かち合い,招く」を配ります。生徒を少人数の学習グループに分け,「愛する」の項にある資料を研究してもらいます。次にグループを組み替えて「分かち合う」を研究してもらい,その後,さらにグループを組み替えて「招く」を研究してもらうとよいでしょう。

あるいは,『わたしの福音を宣べ伝えなさい』(2023年)223ページの「聖文研究」にある聖句を研究してもよいでしょう。

研究しながらグループで話し合えるよう,次の質問をホワイトボードに掲示するとよいでしょう。

  • 福音を分かち合うことについて,どのような洞察が得られましたか。

  • 救い主は人々との交わりの中でその原則をどのように示されたでしょうか。

  • 10代の若者が救い主の福音を分かち合おうと努力するときに,その原則に従って行動できる方法にはどのようなものがあるでしょうか。

愛し,分かち合い,招く

愛する

ヨハネ13:34-35モーサヤ18:20-22教義と聖約12:7-9121:41-42

十二使徒定員会のゲーリー・E・スティーブンソン長老は,次のように教えています。

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ゲーリー・E・スティーブンソン長老

「何も言わなくても,隣人にキリストのような愛を示すときにはいつでも,福音を宣べ伝えています。

人々への愛は,隣人を愛しなさいという2番目の大いなる戒めを雄弁に表します。御霊がわたしたち自身の心の中で行われる清めのプロセスを示しています。人々にキリストの愛を示すことにより,わたしたちの良い業を見る人々が『天にいます〔わたしたち〕の父をあがめる』〔マタイ5:16〕かもしれません。」(ゲーリー・E・スティーブンソン「愛し,分かち合い,招く『リアホナ』2022年5月号,85参照)


分かち合う

2ニーファイ2:6-8モーサヤ28:1-3アルマ31:5教義と聖約60:2

十二使徒定員会のディーター・F・ウークトドルフ長老は,次のように教えています。

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ディーター・F・ウークトドルフ長老

「週末をどう過ごしたか尋ねられたら,ためらわずに,教会で経験したことを話してください。会衆の前に立ち,イエス様のようになるためにどうしているか熱意を込めて歌っている,幼い子供たちについて話してください。高齢者施設で個人史の作成を手伝っている青少年について話してください。……

どんな方法であれ,あなたにとって自然で普通だと思う方法で,イエス・キリストと教会が自分にとってなぜ大切であるかを人々に伝えてください。」(ディーター・F・ウークトドルフ「伝道活動—心の中にあることを伝える『リアホナ』2019年5月号,17参照)


招く

ヨハネ1:35-464:28-30,39-41アルマ5:62モロナイ10:3-5

十二使徒定員会のゲーリー・E・スティーブンソン長老は,次のように教えています。

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ゲーリー・E・スティーブンソン長老

「人を招く方法は何百通りとあります。聖餐会やワードの活動に『来て見る』ように,またイエス・キリストの福音を説明するオンラインビデオを見るように勧めることができます。モルモン書を読んだり,奉献前のオープンハウス期間中にできたばかりの神殿に『来て見る』よう勧めることもできます。時折,自分自身を招くこともあります。周りにある様々な機会に気づき,見て,行動に移すよう自分を招くのです。」(ゲーリー・E・スティーブンソン「愛し,分かち合い,招く『リアホナ』2022年5月号,86)

愛し,分かち合い,招く効果的な方法

愛し,分かち合い,招くという原則を使って福音を分かち合う方法について,生徒がさらにアイデアを出し合えるよう助けます。ホワイトボードの対応する欄の下に,生徒の考えを書きます。以下のリソースが,アイデアを出すのに役立つかもしれません。

学んだことを実践する

愛し,分かち合い,招くという原則を使ってあなたがだれかを助けたときのこと,あるいは,だれかがこの原則を使ってあなたの人生を祝福してくれたときのことを話すとよいでしょう。

福音を分かち合う計画を立てるとき,今日感じた促しに従うよう生徒を招きます。計画には,ホワイトボードに書かれたアイデアを一つ以上実行することを含めましょう。細かく計画できるように,次の指示と文を掲示し,空欄を埋めて学習帳に書いてもらうとよいでしょう。

次の文から一つ以上を選び,空欄を埋めて学習帳に書いてください。

  • わたしはによって人に愛を示します。

  • わたしはによって救い主の福音について知っていることや感じていることを分かち合います。

  • わたしは(だれかの名前)に招きます。

選んだ文について,学習帳で以下の空欄を埋めてください。

  • 計画を実行するために次に取るステップはです。

  • わたしは(日付)までにこれを行うよう努めます。

福音を分かち合うために一生懸命努力したのに,それが受け入れられなかったら,落胆する生徒がいるかもしれません。たとえ今うまくいっていないように思えても,主は彼らの努力を大切にされることを生徒が理解できるように助けます。目先の結果にかかわらず,信仰をもって行動し続けるよう招きます。

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