第6課
信仰と祈りにより夫婦のきずなを強める
応用のための提案
あなた自身の必要や状況に合わせて以下の提案に従ってください。
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天父とイエス・キリストへの信仰を強めるためにできることを一つ決める。
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時間を決めて毎日
伴侶 とともに祈る。
読書課題
以下の記事を研究する。既婚者の場合は
人生に喜びを見いだす
十二使徒定員会
リチャード・G・スコット
少し前のことですが,わたしは美しい太平洋の島の北岸にたたずみ,夜明けの海に見入っていました。大波が絶え間なく岸辺に打ちつける,規則性に魅了されていたのです。それは主の計画の不変性と,そこに付随する確固とした永遠の律法,不朽の正義による安心感,憐れみに満ちた優しさをわたしに連想させます。やがてわたしは,一つ一つの波が水平線のあちこちで波頭を立て,独自の道をたどって岸に寄せることに気づきました。波によっては,岩の上に滝のように覆いかぶさり,白いしぶきを残していきます。ほかの波も,それぞれが独自のパターンで,岸に打ちつけています。波はしぶきとともに,ぬれた砂浜に打ち寄せては
わたしは,主が備えてくださった尽きることのない様々な可能性について思いをはせました。わたしたちにはたくさんの自由があり,自分の個性や才能,
人生の美を感謝する
皆さんは毎日時間を割いて,身の回りの美に目を向けていらっしゃるでしょうか。最後に日没の美しさを見てから,どのくらいたつでしょうか。薄らぐ光は,雲や木々,丘や谷を
皆さんは雲一つない夜の美しさに見入ったことがあるでしょうか。主が天の神秘のとばりを取り除かれ,わたしたちはまばたく星々や月の光を見て,主の偉大さと栄光に思いをはせるのです。
小さなバラのつぼみができるのを,最後に見たのはいつでしょうか。バラは日ごとに新しく,感動的な姿へと生長し,華麗なバラの花を咲かせます。
皆さんも神の麗しい被造物の一つです。主は皆さんの人生がどのような環境にあっても,栄光に満ちたすばらしいものとなるよう望んでいらっしゃいます。皆さんが感謝で心を満たし,従順であれば,神の
人生での喜びは神への信頼にかかっている
悲しみや失望,苦難は人生の中の「事件」であって,人生そのものではありません。わたしはこうした事件の厳しさを軽視するつもりはありません。これらは長期間続く場合もありますが,そのために人生そのものが縛られてはなりません。主はリーハイに次のような基本的な真理を説くよう,霊感を与えられました。「人が存在するのは喜びを得るためである。」1「喜びを得るため」というのは条件を含んだ言い方になっています。主にとっては条件付きではありません。主はわたしたち一人一人が喜びを得るよう願っていらっしゃいます。戒めに従い,主に信仰を持ち,地上で喜びを得るために必要なことを行うときには,皆さんにとって条件付きではなくなるのです。
人生で喜びが得られるかどうかは皆さんが天父と御子をどれだけ信頼しているかにかかっています。また,神の幸福の計画が喜びをもたらすことを,どれだけ確信しているかにかかっています。神の教えに思いを巡らすなら,自然の美を楽しみ,人々との関係をより豊かにできるでしょう。天の御父への祈りから生じる慰めに満ちた,力あふれる経験をし,神が与えてくださる答えへと導かれるでしょう。
展望と忍耐
目の前に近づけた小石は巨大な障害物に思えるものです。しかし地上に置けば,ほんとうの姿を捕らえることができます。同様に人生の問題や試練も,聖文の教えに照らして永遠の見地で見る必要があります。そうでないと,わたしたちはその問題しか目に入らないようになり,そのことに力を出し尽くしてしまい,主が地上でわたしたちに受けることを意図しておられる喜びと美を感じられなくなってしまいます。問題という海の中に投げ込まれた岩のような人々がいます。彼らは自ら問題の中に沈んでしまいます。コルクのようであってください。問題におぼれそうになったら,自由を目指して浮き上がるまで戦い,再び幸福な気持ちで奉仕できるようになってください。
皆さんは神聖な目的のために地上に来ています。際限なく楽しみ,飽くことなく娯楽を追求するためではありません。神が用意された,さらなる祝福を受けられるよう,試され,自分自身を証明するために存在しているのです。2忍耐力も要求されます。3この世で与えられる祝福もあれば,来世でもたらされる祝福もあるからです。
主は皆さんの個人的な進歩成長を望んでいらっしゃいます。この進歩は,皆さんが成長のための経験を前にする度に,最初から好き嫌いを言わず,進んで主の導きを求めていくならいっそう速められるでしょう。主を信頼し,主の
選択の自由,つまり選び取る権利は,欲しいものを手に入れるために与えられているのではありません。この神聖な
逆境にあっても喜びをもって生活する
チャレンジを受け入れ,逆境にあっても喜びをもって生活している立派な人々から学んでください。ある美しい女性は進行性の病気にかかって余命いくばくもない状態でしたが,人生に喜びを見いだしました。彼女は幸福の計画を理解し,神殿の儀式を受け,約束された祝福にふさわしくあろうと最善を尽くしていました。彼女の日記を紹介しましょう。
「今日はすばらしい
体力を奪う病気と果敢に闘っているある母親は,計り知れないほどの時間を費やした苦労の末,大きな刺しゅうを完成させました。それは試練に直面している夫婦への贈り物でした。その夫婦にとってこの刺しゅうは貴重な宝物になりました。それは逆境に直面しても負けない不屈の努力の結実であり,純粋な愛と献身の精神を伝える不朽のメッセージでした。
現に持っているものの中に喜びを見いだす
子供たちは困難な状況の下でさえ喜びを見いだすすべを知っています。子供たちは,自分にないものにこだわって落胆することはありません。彼らは自分にあるものに喜びを見いだすからです。わたしは,川辺で遊んでいたある幼い男の子のことを覚えています。この男の子は2本のジュースの空き缶に,釣り糸の両端をそれぞれくくりつけ,一方の缶を放り投げて木の枝の上に通してから,その缶に川の水をいっぱいに満たしました。次にもう一方の缶をたぐり寄せ,手を離します。すると,最初の缶の重みで二つ目の缶が引っ張り上げられました。男の子は大喜びで飛び跳ねていました。
わたしたちの周りにはたやすく楽しい気分にさせてくれる経験がたくさんあります。こうした経験は緊張を解きほぐし,精神を活気づける安全弁の役割を果たすときがあります。自分にないものや失ってしまったものにこだわらないようにしましょう。主は従順な人には,主がお持ちのすべてのものを与えると約束されました。この世では一時的に何かに恵まれないかもしれません。しかし忠実な生活により,ふさわしさを証明するなら,来世では完全な恵みを受けられるでしょう。
主の知恵により,皆さんのとても必要としているものを主が取り上げられたときには,その代わりとして主がどんな祝福を授けてくださったか考えてみてください。視力や聴力を失った人のために,主はほかの感覚を研ぎ澄ましてくださいます。病にある人には忍耐と思いやり,人の親切に感謝する心を与えてくださいます。愛する人に先立たれた人には,愛のきずなを強め,豊かな思い出を授け,将来の再会に希望の光をともしてくださいます。主の
苦しめられていたアルマの民に主はこう言われました。
「『またわたしは,あなたがたの肩に負わされる荷を軽くし,……あなたがたの背にその荷が感じられないほどにしよう。わたしがこのようにするのは,あなたがたがこの後,わたしのために証人になれるようにするため,また主なる神であるわたしが,苦難の中にいる自分の民を訪れるということを,あなたがたが確かに知ることができるようにするためである。』
そこで,……負わされた重荷は軽くなった。まことに,主は,彼らが容易に重荷に耐えられるように彼らを強くされた。そこで彼らは心楽しく忍耐して,主の
創造性を発揮することで人生は楽しくなる
皆さんの創造性を発揮してください。そこには喜びがあります。カミラ・キンボール姉妹,アメリア・マッコンキー姉妹,ヘレン・リチャーズ姉妹は,彼女たちの高潔な夫が天に召されてから,油絵を学びました。彼女たちは遺産となる絵を残すだけではありません。日没の風景も人物画も,木の絵も描く度に違うとらえ方をします。今,彼女たちは微妙な色合いや形状を描き,身の回りの美に喜びを見いだしています。
音楽,ダンス,彫刻,詩などに目を向けてください。創造性を発揮することで人生は楽しくなります。感謝の心が増します。隠れた才能が引き出され,思考力や行動力が高められ,人生の目的への理解を深めることができます。また,孤独や心痛は消散し,気分転換になり,意欲,生きがいももたらされます。
奉仕-幸福を得る鍵
率先して人に奉仕することは,永続する幸福を得る鍵です。スペンサー・W・キンボール大管長は次のように言いました。「神はわたしたちを知っておられ,見守ってくださっています。でも,わたしたちが困っているときの助けは,人を通じて与えられるのが常です。したがって,わたしたちがお互いに奉仕することはきわめて重要なのです。」8
わたしの知人で,喜びに輝くばかりの幸福な女性がいました。彼女は毎朝,天の御父に「今日,わたしが助けられる人のもとに,わたしを導いてください」と祈り求めました。その心からの祈りは繰り返しかなえられました。彼女のおかげで多くの人の重荷が軽くされ,生活に輝きを取り戻しました。このように主に導かれた器となることで,彼女は絶えず祝福を受けてきたのです。
困難は成長に変えることができる
人生で直面するすべての困難は,たとえそれが自分の不注意や背きによりもたらされたものでも,主によって成長のための経験,神に近づく階段に変えることができます。9わたしは背きを,成長のステップとして推薦しているわけでは決してありません。背きは心痛と困難を伴う,まったく必要のないものです。正しい道を歩む方がはるかに賢明で容易です。しかし,正しい悔い改めと主イエス・キリストを信じる信仰,戒めへの従順さを通して,背きのもたらす落胆から幸福を取り戻すことができるのです。
以下のような幸福を得るためのリストを作ってみてください。
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主の幸福の計画を理解するために,聖文について深く考える。
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イエス・キリストを信じる信仰をもって祈る。
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人を愛し,人に仕える。
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神殿の儀式を受け,その後ほかの人々を祝福する。
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預言者の言葉に耳を傾け,その勧告に従う。
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自分に与えられているものに感謝する。
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ほほえみを絶やさない。
このようなリストは,満足と喜びをもたらす
チャレンジはすぐに終わるが,幸福は永遠である
有名なブラジルの歌には,大勢の人が信じている次のような偽りの歌詞があります。「悲しみは決して尽きず,幸せは短い。」わたしは救い主への信仰を込めて,また主の教えに照らして
皆さんや皆さんの愛する人々がどんな困難に遭遇しても,打ち負かされたり,それだけに心を奪われたりしてはなりません。チャレンジは成長につながる経験であり,楽しい生涯を背景にしてすぐに終わってしまう一場面にすぎません。一つのことだけで頭がいっぱいになり,ほかに何も考えられなくなったり,自分のことも,頼ってくる人のこともできなくなったりするようではいけません。ちょうど体を治すときと同じように,霊的,情緒的な問題を克服するにも時間が必要なことを忘れないでください。
主はこう言われました。「苦難の中で忍耐強くありなさい。あなたは多くの苦難を受けるからである。しかし,それに耐えなさい。見よ,わたしはあなたの生涯の最後まで,あなたとともにいるからである。」10忍耐強くあれば「わたしはあなたとともにいる」という御言葉の意味が分かるようになるでしょう。神の愛は平安と喜びをもたらします。
イエス・キリストを信じる信仰によって人生に不変の意義が生じます。皆さんは昇栄を目指す旅路にいることを覚えておく必要があります。時折,人と比べてより多くの幸せを与える経験をするかもしれません。しかしすべてのことには,主の目的があります。11
救い主の証人としてお勧めします。自分を傷つけた人を
天の御父と御子が幸福の計画とそれに基づいた福音の原則を与えてくださったことに感謝しましょう。神と御子が備えてくださった儀式と聖約に感謝しましょう。御二方は人の生活に平安と喜び,目的と意義を与える力を備えておられることを,わたしは厳粛に