新約聖書の紹介
新約聖書はわたしたちがキリストのもとへ来る助けとなる
新約聖書は,イエス・キリストと主の使徒たちの現世における教導の業の記録です。本課では,新約聖書を研究することによってイエス・キリストのもとに来て,主に従うための備えができるよう助けます。
学習活動案
次の質問の答えを考えてください:
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肉体的または精神的に疲れたときにはどうしますか。
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恐れを感じたらどうしますか。
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何か助けが必要なとき,だれのところに行きますか。
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あなたが考えた行動や人物は,困難な状況でどのような助けになりますか。
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どのようなことをしても,だれに頼ってもどうにもならないと思ったことはありますか。
元中央扶助協会会長のジーン・B・ビンガム姉妹は,最も大切な望みをかなえる方法について,次のように教えています:
「永続する喜びは,救い主イエス・キリストに心を向け,主が実践し,教えられた福音に従って生活することで得られるのです。イエス・キリストについて学び,主に対する信仰をもち,主に倣う ことです。そうすればするほど,わたしたちは主が,あらゆる癒し,平安,永遠の進歩の源であられると理解できるようになります。」
(ジーン・B・ビンガム「あなたがたの喜びが満ちあふれるためである」『リアホナ』2017年11月号,85)
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この言葉によると,わたしたちはイエス・キリストのおかげでどのような祝福を経験できるでしょうか。
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その祝福のうち,今のあなたにとって最も大切なものはどれですか。それはなぜでしょうか。
新約聖書でイエス・キリストの生涯について学ぶ
今年,わたしたちは家庭,教会,そしてセミナリーで新約聖書を研究することになりました。新約聖書を研究し,聖霊によって学んでいくと,イエス・キリストはどのような御方で,何を与えてくださるのかがよく理解できるようになり,証が深まります。そして,主が与えてくださる喜び,癒し,平安を体験するために自分に何ができるかが分かるようになります。
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新約聖書について,あなたはすでにどのようなことを知っていますか。
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あなたは新約聖書の中でどの話が好きですか。それはなぜでしょうか。
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今年新約聖書を研究する価値があるのは,なぜだと思いますか。
新約聖書の最初の4書には,救い主の生涯の4とおりの記述があります。この4書は,福音書として知られています。新約聖書の残りの部分には,救い主の十二使徒と初期の教会のそのほかの指導者たちの教導の業と教えが記されています。
詳しくは,本課の最後にある「注釈と背景情報」で,「新約聖書の構成」を参照してください。
救い主は新約聖書で,主が与えようとされる助けをわたしたちが受けるための勧告を,与えておられます。
マタイ11:28 を読み, 主がどのような勧告を与えておられるか,調べてください。
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〔キリストの〕もとに来るとは,どのような意味だと思いますか。
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救い主は,みもとに来るわたしたちにどのような休息を与えることがおできになると思いますか。
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あなたはこれまで,イエス・キリストのもとに来てどのような祝福を受けてきましたか。
新約聖書を研究することによってさらに忠実な主の弟子になる
あなたは今年,新約聖書の研究を通して,イエス・キリストのもとに来て,主の弟子となり,主に従う者となる機会がたくさんあるでしょう。
この研究全体を通して,イエス・キリストについて読んだり聞いたりすることにだけ注意を向けるのではなく,御霊が主について教えてくださることにも注意を向けるようにしてください。学習帳を何ページか割いて,主について学んでいることや感じていること,主に従うためにしていることを記録しましょう。一年を通してそのページを更新し,自分の成長を振り返ってください。
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今年,イエス・キリストの生涯と教えを研究し,何を学び,どのようなことを経験したいと思いますか。
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イエス・キリストにさらによく従えるようになるためにしたいことを,具体的に幾つか挙げてください。
注釈と背景情報
新約聖書の構成
新約聖書の最初の4書(マタイ,マルコ,ルカ,ヨハネ)は,福音書として知られています。福音書は,イエス・キリストの現世における教導の業に対する4つの証です。「福音」という言葉はギリシャ語で「良い知らせ」を意味します。福音書に関する詳しい情報は,『聖句ガイド』の「 福音書 」の項(scriptures.ChurchofJesusChrist.org)を参照してください。
新約聖書の残りの部分(使徒行伝からヨハネの黙示録まで)には,救い主の教会のおもな指導者の手による記録と,その働きが記されています。使徒行伝には,使徒たちの伝道活動や働き,奇跡が記録されています。ローマ人への手紙からユダの手紙までは書簡,つまり手紙です。これは,聖徒に指示を与え,聖徒を教化するためにパウロなどの教会指導者が書いたものです。ヨハネの黙示録には,ヨハネが終わりの時について受けた啓示が記されています。
新約聖書を研究することによってイエス・キリストを信じる信仰を強めるには,どうすればよいか
元中央扶助協会会長のジーン・B・ビンガム姉妹は,救い主の生涯や教えを研究しながらイエス・キリストを信じる信仰を強める方法を幾つか紹介しています:
「様々な方法でキリストの生涯と教えについて研究すると,主を信じるあなたの信仰は強まります。主があなたを個人的に愛し,完全に理解しておられることを知るようになります。33年にわたる生涯で,キリストは拒絶,迫害,肉体の飢えや渇き,疲労,孤独,言葉や身体的な虐待に耐え,ついには罪人らの手によって,堪え難い死に苦しまれたのです。ゲツセマネの園とカルバリの十字架上で,主はわたしたちの苦痛,苦難,試練,病,弱さのすべてを身に受けられました。
わたしたちが耐えているものが何であれ,キリストは癒しの源であられます。何らかの虐待,計り知れない喪失,慢性的な疾患や生活に支障を来すほどの苦難,虚偽の非難,激しい迫害,罪や誤解がもたらす霊的な損失,これらを経験した人も皆,世の贖い主によってすっかり元どおりになるのです。しかし,招かれることなしに主が入られることはありません。わたしたちは主のみもとに行き,主が奇跡を行われるようにする必要があるのです。」
(ジーン・B・ビンガム「あなたがたの喜びが満ちあふれるためである」『リアホナ』2017年11月号,86)
十二使徒定員会のL トム・ペリー長老(1922-2015年)は,新約聖書を研究することの大切さについて次のように証しています:
「今日の世の中は人の教えであふれているため,救い主の生涯と教えという何よりも大切な記述である新約聖書を人々は容易に忘れ,信仰を失っています。救い主御自身がわたしたちの生活の中心におられるのと同様に,この神聖な書物は聖文の歴史の中心に位置するものです。わたしたちは新約聖書を研究し,大切にする決意を新たにしなければなりません。」
(L・トム・ペリー「安息日と聖餐」『リアホナ』2011年5月号,6)