セミナリー
マスター教義の紹介


マスター教義の紹介

マスター教義の目的

Seminary student studying in Ecuador

本課ではマスター教義を紹介し,マスター教義があなたの人生にどのような祝福をもたらすか,イエス・キリストの上に霊的な基を築くうえでどのような助けになるかを説明します。

霊感に基づき,時宜にかなっている。十二使徒定員会のM・ラッセル・バラード会長は,セミナリーおよびインスティテュートの教師に向けて次のように述べて います:「〔マスター教義は〕霊感に基づき,時宜にかなっています。教会の若人にすばらしい影響を及ぼすことでしょう。しかしながら,『マスター教義』が成功するかどうかは……大いに,教師の皆さんの働きにかかっています。」(M・ラッセル・バラード「21世紀においてCES教師に与えられている機会と責任」〔中央幹部との夕べ,2016年2月26日〕,ChurchofJesusChrist.org

生徒の準備:生徒に,マスター教義聖句から興味があるもの,自分のためになるもの,あるいは自分の疑問に答えてくれるものを一つ選んでもらいます。聖句のリストは,マスター教義アプリ,または『マスター教義に関する基本文書』の巻末近くにあります。

学習活動案

イエス・キリストの上に基を築く

Tornado, building and power lines in Cordele, Georgia, on April 5. 2017. (vert)

十二使徒定員会のニール・L・アンダーセン長老は,霊を滅ぼす嵐について,次のように警告しています:

Official portrait of Elder Neil L. Andersen of the Quorum of the Twelve Apostles, 2010, August.

「これまでに預言されてきた〔末日の〕地震や戦争よりももっと気がかりなのは,霊を滅ぼす嵐です。それらは,皆さんを霊的な土台から根こそぎ引き抜き,思いも寄らなかった場所へと連れ去ります。時には,自分がそちらの方に進んでいることに気づかないこともあるのです。」

(ニール・L・アンダーセン「霊を滅ぼす嵐」『リアホナ』2014年5月号,18)

  • わたしたちを霊的な土台から根こそぎ引き抜こうとする「霊を滅ぼす嵐」とはどのようなものでしょうか。

自分が直面している「霊を滅ぼす嵐」について考えましょう。ヒラマン5:12を 読み, この嵐に打ち勝つ方法は何だと書いてあるか考えてください。

  • 霊を滅ぼす嵐に打ち勝つための助けになることは何だと思いましたか。

  • イエス・キリストの上に基を築くとはどういう意味だと思いますか。

  • イエス・キリストの上に確かな基を築くことで,あなたは個人的にどのような恩恵を受けるでしょうか。

Color Handouts Icon

次に挙げるのは,霊的な基についてどう感じているかを生徒によく考えてもらうための言葉です。またこの言葉を読むと,マスター教義をほかのどのような分野で役立てることができるかを生徒に知ってもらうこともできます。この言葉を見せるか,またはホワイトボードに書くとよいでしょう。

わたしの霊的な基

自分の霊的な基について考え,次の文章に「そう思う」「ややそう思う」「あまりそう思わない」「そう思わない」のいずれかで答えてください:

  1. わたしは,イエス・キリストとその福音の上に確かな基を築いています。

  2. わたしは,イエス・キリストとその教義に対する知識を深めています。

  3. わたしは,聖文を引用しながらイエス・キリストの教義を説明できると満足感を覚えます。

  4. わたしは,自分や他人が福音について抱いている疑問への答えを見つけることができます。

Spiritual Foundation handout

マスター教義

セミナリーは,あなたが主の教義を学び,主のもとに来て,主の弟子となることにより,イエス・キリストの上に基を築くための助けになります( 3ニーファイ11:39 参照)。『マスター教義に関する基本文書』の「マスター教義について」という章の冒頭にある二つの段落を読み,セミナリーを通してイエス・キリストの上に基を築く方法を見つけてください。

  • どのような方法がありましたか。

イエス・キリストの上に基を築くうえで助けになるマスター教義は,おもに二つの成果をもたらします。マスター教義がもたらすこの二つの成果については,『マスター教義に関する基本文書』「マスター教義ついて」という章を読んでください。

セミナリーでは,毎週,マスター教義を学びます。マスター教義のレッスンではたいていの場合,新約聖書にある24の聖句(いわゆるマスター教義聖句)の一つを学びます。次の図は,マスター教義のレッスンで何を行うのかを示しています。

この図を見せるか,またはホワイトボードに描くとよいでしょう。この図はマスター教義のレッスンの構成を示しています。

Flow chart for doctrinal mastery

教義に精通する

生徒一人一人の霊的成熟度に配慮しましょう。聖霊の導きを祈り求め,生徒に何が必要なのかを考えながらレッスンの進め方を工夫してください。

レッスンの前半で,聖文を引用しながらイエス・キリストの教義を説明できたときの満足感を自己評価しました。評価結果にかかわらず,マスター教義を学べば,救い主とその教義についての知識が深まります。聖文を引用しながらイエス・キリストの教義を説明する力もついてきます。

新約聖書のマスター教義聖句とその中の重要な言葉のリストをよく見てください。このリストは『マスター教義に関する基本文書』の巻末にあります。その中から,興味がある聖句,自分のためになる聖句,あるいは自分の疑問に答えてくれる聖句を一つ選んでください。

次の質問について二人一組で話し合ってもらうと,生徒のためになるでしょう。

  • どの聖句を選びましたか。

  • その聖句は,イエス・キリストとその福音について何を教えていますか。

  • その聖句から教義を説明する方法が分かると,あなたの人生にどのような祝福があるでしょうか。

霊的な知識を得る

霊的な知識を得るための原則に関連してどのような経験をするかは,生徒によって異なります。本課のこの部分は,生徒に必要な事柄や生徒の能力に応じてアレンジしてください。この教科課程の後半には,霊的な知識を得るための3つの原則ごとのレッスンがあります。霊的な知識を得るための原則を応用した経験がほとんどない生徒が多い場合は,最初のマスター教義聖句のレッスンをする前に「霊的な知識を得る」レッスン(第1部第2部第3部)を教えるとよいでしょう。

マスター教義のレッスンでは,霊的な知識を得るための原則をさらによく学んで実践する機会があります。あなたはそのような機会を通して,教会の教えや慣習,歴史に関する疑問はもちろんのこと,個人的な疑問や社会に対する疑問の答えも分かるようになります。これらの原則を学んで実践することによって,贖い主の上に基を築き,疑問が湧いてきたときには主に頼ることができるようになります。これからセミナリーで学ぶ,霊的な知識を得るための原則は次の3つです:

  • 信仰をもって行動する。

  • 永遠の視点から概念や疑問について調べる。

  • 神が定められた情報源を通してさらに理解を深める。

これらの原則がよく分からない場合は,『マスター教義に関する基本文書』の「霊的な知識を得る」の章の第5-12段落を読むとよいでしょう。

  • あなたはこれらの原則についてどのようなことを知っていますか。

  • あなたはこれらの原則に関連する経験をしたことがありますか。それはどのような経験でしたか。

  • これらの原則はイエス・キリストの上に基を築き,霊を滅ぼす嵐に打ち勝つためにどのような助けになると思いますか。

マスター教義聖句

毎年セミナリーでは,24のマスター教義聖句の重要な語句を暗記してもらいます。

十二使徒定員会のリチャード・G・スコット長老(1928-2015年)は,聖文の暗記について次のように教えています:

16:7
Final official portrait of Elder Richard G. Scott of the Quorum of the Twelve Apostles, 2004. Passed away 22 September 2015.

「聖文を暗記することで,大きな力が得られます。聖文を暗記することは,新しい友情を築くことです。それはまるで,必要なときに助けてくれる人,霊感と慰めを与えてくれる人,必要な変化を遂げる動機を与えてくれる新しい人に出会うのに似ています。」

(リチャード・G・スコット「聖文の力」『リアホナ』2011年11月号,6)

  • 様々な聖文を暗記しておくといいのはなぜだと思いますか。

  • 様々な聖文を暗記しておくと,イエス・キリストの上に基を築き,霊を滅ぼす嵐に打ち勝つためにどのような助けになると思いますか。

数分時間を取り,新約聖書コースで取り上げる24のマスター教義聖句と重要な語句を見返してください。マスター教義アプリ,または『マスター教義に関する基本文書』で見ることができますまず,先ほど選んだ聖句と重要語句を暗記してみましょう。

注釈と背景情報

マスター教義が重要な理由

十二使徒定員会のM・ラッセル・バラード会長は,次のように教えています:

Official portrait of President M. Russell Ballard of the Quorum of the Twelve Apostles, 2004.

「〔マスター教義は〕イエス・キリストを信じる生徒の信仰を築き,強めること,また生活の中で福音を実践し,応用する彼らの能力を増し加えることによって彼らを強化することに焦点を当てます。生徒は,聖文と預言者の言葉を用いながら,キリストを信じる信仰をもって行動し,主の福音に関する霊的な知識と理解を身につける方法を学びます。また,同世代の人々の間やソーシャルメディア上で毎日見聞きする疑問や難題に対して,キリストの教義と福音の原則を応用する方法を学ぶ機会があります。」

M・ラッセル・バラード「21世紀においてCES教師に与えられている機会と責任」〔中央幹部との夕べ,2016年2月26日〕ChurchofJesusChrist.org

補足学習活動

マスター教義聖句へのしるし付け

マスター教義聖句にしるしを付けてもらうために,この活動を行ってもよいでしょう。この活動で使うマスター教義聖句の数を決め,生徒一人に一つずつ割り当てます(複数の生徒に同じ聖句を割り当ててもかまいません)。

生徒が準備する時間を取ってから,以下のことをしてもらいます:(1)ほかの生徒のところに行く,(2)割り当てられたマスター教義聖句を見せ合う,(3)聖句にしるしを付ける。この活動を何度も繰り返します。

活動にバリエーションをつけるには,互いの理解を深めるために生徒に質問に答えてもらったり,その聖句を知っていることが助けになると思う状況を説明してもらったりするとよいでしょう。

マスター教義アプリ

必要に応じて助けながら,生徒にマスター教義アプリをモバイルデバイスにダウンロードしてもらってください。クラスの時間を利用して,生徒にアプリに慣れてもらい,幾つかの活動をアプリで行ってもらいます。クラス外でもアプリを利用するよう,生徒に働きかけてください。

聖文を暗記する

生徒たちに,宣教師や親になった自分,福音に関する友人の質問に答えている自分を想像してもらいます。聖文を暗記しておくとそのような状況でどのように役立つかを生徒に発表してもらいましょう。