セミナリー
イエス・キリストを信じる信仰によって学ぶ


イエス・キリストを信じる信仰によって学ぶ

学習者の役割

Youth studying the scriptures in their seminary class.

本課は,セミナリーで学ぶ際にはイエス・キリストを信じる信仰をもって行動することが大切であることを理解するのに役立ちます。あなたは本課を学びながら,セミナリーでの経験を最大限に活かす方法を学習します。

生徒の準備:「あなたがしてきたことで,福音を学ぶうえで最も助けになることは何か」という問いについて,生徒に深く考えてもらいます。

学習活動案

生徒たちが,現在の福音学習の仕方を自己評価する機会を持ってください。次のようなシナリオが助けになります。

次のシナリオを読んでください:

二人の若い女性が同じセミナリーのクラスにいます。片方の若い女性はセミナリーで聖霊の影響と主の愛を感じています。抱いていた疑問の答えが見つかりつつあり,救い主と主の教会に対する証が強くなってきていて,生活が良い方に変わってきています。しかし,もう片方の若い女性は,セミナリーに出ていても退屈だと思うことが多く,セミナリーから得られるものはあまりないと感じています。

  • この二人の若い女性のセミナリーに対する感じ方がこのように異なっている理由として,どのようなことが考えられますか。

生徒に,次の質問に対する答えを書いてもらいます。

  • 霊的に学ぶために,あなたは現在どのようなことをしていますか。

  • 自分が望んでいる成果や必要としている成果が出ていると思いますか。

本課を学習しながら,今年セミナリーでどのように学び,成長したいかを考えてください。学ぶということには,自分の生活を改善するためのあらゆる方法が含まれています。抱えている悩みや疑問についても考えましょう。心からの祈りを通して,本課を生活にどう応用するかを知るために聖霊の導きを求めてください。

学習を最も左右する要因の一つは,わたしたちがどれほどイエス・キリストに頼り,従うかです。本課で重点を置いている原則の一つは,イエス・キリストを信じる信仰によって積極的に学ぼうと努めるとき,わたしたちは祝福を受け,個人として成長できるということです。十二使徒定員会のデビッド・A・ベドナー長老の次の言葉を読みながら,イエス・キリストを信じる信仰によって学ぶということがどういう意味なのか,考えてください。

前に述べた原則をホワイトボードに書きましょう。イエス・キリストに頼りながら学習することの大切さを強調する方法を考えてください。

Elder David A. Bednar, Quorum of the Twelve Apostles official portrait. 2020.

「今後世界がますます混乱し激動していくことを考えると,信仰によって学ぶ力を伸ばしておくことは,あらゆる人にとって欠かせなくなるでしょう。……真の信仰は,主イエス・キリストを土台とし,また中心としています。そして常に行動を促します。……信仰によって学ぶ望みを持つには,外からの影響を受けるだけでなく,霊的,精神的,肉体的な努力が必要です。信仰に促されて行動し,真心を込めて努力し続けるとき,わたしたちは聖霊から教えを受けて学びたいという意欲を天の御父とその御子イエス・キリストに示しているのです。」

(デビッド・A・ベドナー「信仰によって学ぶ望みを持つ」『リアホナ』2007年9月号,17-20)

  • この言葉から,あなたはどのようなことを学びましたか。

生徒は次の活動で,個人または少人数のグループで聖文を研究することができます。生徒にとって最適なビデオを見せるか,複数のビデオを用意して,観るものをクラスで選んでもらうとよいでしょう。

イエス・キリストについて学び,イエス・キリストに焦点を当てようと積極的に努力すれば,霊的な学習から最大限の効果を得ることができます。次の聖句とビデオでは,イエス・キリストのもとに来て,主から祝福を受けた人々を紹介しています。できれば,聖句を一つ以上読み,ビデオも一つ以上観てください。ビデオはすべて,ChurchofJesusChrist.orgで見ることができます。聖句を読み,ビデオを観ながら,登場する人々の経験が福音の学習とどうかかわっているか考えてください。

  • ビデオ「霊の健康を保つ」(3:30)

2:3
  • ビデオ「主に尋ねよう(2017年ミューチャルテーマ)」(3:21)

3:22
  • ビデオ「セミナリーは人生を変える」(4:13)

2:3
  • これらの聖句やビデオの登場人物は,イエス・キリストを信じる信仰を積極的に示すために何をしましたか。その人物の行動は信仰をどのように示していますか。

  • その人物はどのような障害を克服しましたか。

  • 主はどのように彼らを祝福されましたか。

  • その人物の経験から学んであなた自身の福音学習に応用できるのは,どのようなことですか。

1枚の紙を3つの欄に分け,各欄にクラス前クラス中クラス後と見出しをつけます。イエス・キリストを信じる信仰によって学ぶために,クラス前,クラス中,クラス後にあなたがしたこと,またはできることを考えてください。聖霊の導きを祈り求めながら自分の場合のことを考え,各欄に書いてください。

生徒たちには,次の質問に答え,自分の場合のことを一つ以上発表してもらいます。

  • 福音クラスの前,中,後に行ったことの中で,あなたが学び,主に近づくための助けになったことは何ですか。

前の質問について,複数の生徒に答えてもらうとよいでしょう。そうすれば,様々な答えが出てきます。生徒には,ほかの人のアイデアを聞いて,手元の紙のクラス前クラス中クラス後の欄に書き加えるよう勧めてください。生徒向けのその他のアイデアを,以下に挙げます。

個人の目標

セミナリーで学ぶあなたは,次のことをします:

  • クラスに出る準備をする。聖霊を通して啓示を求め,毎日聖文を読むことは,いちばん良い準備になります。クラスの前に質問を深く考えたり,『わたしに従ってきなさい』の一部を研究してもよいでしょう。

  • クラス中にイエス・キリストを信じる信仰を働かせる。聖文を研究し,活動を行い,考えを分かち合い,聖霊からの霊感を祈り求め,学んだ真理を生活に応用することによって,イエス・キリストを信じる信仰を働かせ,主の教えに従って積極的に学びましょう。

  • 学習活動を評価する。独自の目標を設定し,自分の学びと進歩を評価する機会が頻繁にあります。また,問題や悩みがあれば,それについて質問し,導きを求めることもできます。

  • 分かち合う。自分が学んだことを,家族やほかの人々と共有しましょう。

学び,主に近づくための助けになる活動を書いた学習帳や紙に,信仰によって学ぶためにクラスの前,中,後にやりたいことを書いてください。主から試すことを求められていると思うアイデアの横に丸や星を付けてもよいでしょう。目標は,忘れないように目につくところに貼っておきましょう。

注釈と背景情報

どうすれば自分の学びにもっと責任を持つことができるか

十二使徒定員会のデビッド・A・ベドナー長老は次のように教えています:

16:27
Elder David A. Bednar, Quorum of the Twelve Apostles official portrait. 2020.

「末日聖徒イエス・キリスト教会の会員は各々,主の教えを学び,それに従って生活……〔す〕る責任を負っています。教会は,献身的な弟子となり最後まで勇敢に堪え忍ぶために,知るべきこと,行うべきことをすべて教え,指示してくれる組織だと期待するべきではありません。むしろ,学ぶべきことを学び,どう生きるべきか知っているとおりに生活し,主が望んでおられるような人物になるのは,わたしたち各々の責任なのです。」

(デビッド・A・べドナー「すべての必要なものを得るために備える『リアホナ』2019年5月号,102)

セミナリーで積極的に学ぶように努めるべきなのはなぜか

ラッセル・M・ネルソン大管長は次のように教えています:

Official portrait of President Russell M. Nelson taken January 2018

「皆さんがイエス・キリストの模範に従えば従うほど,さらに成功するということです。

それでは,皆さんがそのような敬虔なイエス・キリストの弟子になるためには,何が助けとなるでしょうか。一つの答えは,セミナリーとインスティテュートです。ただ出席するだけではなく,クラスに積極的に参加し,与えられた割り当てを忠実に最後までやり通すことです。……

セミナリーとインスティテュートを卒業することで,いつか人生で行うであろう最も重要な事柄において皆さんは優れた能力を発揮することでしょう。真の喜びは皆さんのものになるでしょう!」

十二使徒定員会のリチャード・G・スコット長老(1928-2015年)は,福音の学習を体験することについて次のように教えています:

Final official portrait of Elder Richard G. Scott of the Quorum of the Twelve Apostles, 2004. Passed away 22 September 2015.

「〔生徒が〕積極的に参加しようと決心することは,選択の自由を働かせることであり,それによって聖霊は,〔生徒に〕必要なメッセージを伝えることができます。話し合いに参加しやすい雰囲気を作るなら,教師が伝えられる教えよりももっと重要な教えを御霊が伝えてくださる可能性が高くなります。

参加することによって,御霊の指示が生徒の人生にもたらされるのです。手を挙げて質問に答えようとするとき,生徒は無意識のうちに,自ら進んで学ぶ意思を聖霊に示しています。そのように選択の自由を用いると,御霊はさらに生徒の学習意欲を高め,レッスン中にいっそう強い導きをもたらすことができます。話し合いに参加することによって,人は御霊に導かれる経験をすることができるようになります。そして,御霊の導きとは何かを知り,御霊に導かれるとはどういうことかが分かるようになるのです。」

(Richard G. Scott, “To Learn and to Teach More Effectively” [Brigham Young University Education Week devotional, Aug. 21, 2007], 4–5, speeches.byu.edu)

補足学習活動

代替の学習活動

クラスの前,中,後にイエス・キリストを信じる信仰によって学ぶ方法を書いてもらう前に,生徒たちに次の質問の 一つ以上に答えてもらい,自分やほかの人が信仰によって学べるよう助けるための方法を各自発表してもらいます: