聖文を研究する
聖文を通して主の声を聞く
聖文は主について証しているとイエスは教えておられます(ヨハネ5:39参照)。本課では聖文研究の技術を伸ばし,聖文研究の目標を設定できるようになってもらいます。そうすることによってあなたは,キリストのもとに来て,キリストをさらによく知ることができるようになります。
学習活動案
聖文を研究する理由
生徒に二人一組で,あるいはクラス全体で,このシナリオをロールプレイしてもらうとよいでしょう。
友人の一人がこう言ったと仮定します。「ほかに色々とやることがあるから,聖文を研究する時間はないんだ。どうせ読んでも分からないし!」
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あなたならこの友人に何と言いますか。
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人が日々聖文を研究しない理由には,ほかにどのようなものがあるでしょうか。
準備で行った評価を基に,自分の聖文研究の仕方を生徒自身に見直してもらいましょう。
聖文研究の評価を行いましょう。クラスの後半で,自分の回答を参照します。
次の質問の答えを学習帳に書いてください。
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あなたの聖文研究でうまくいっているのは,どのような点ですか。改善できるのはどのような点ですか。
次の言葉とそれに続く質問を見せます。クラスで発表する前に答えを学習帳に書いておいてもらうと,生徒のためになるかもしれません。経験を発表してくれた生徒に質問をして,もっと詳しく説明してもらいましょう。
次のラッセル・M・ネルソン大管長の言葉を読み,日々の聖文研究には時間と労力をかける価値がある理由について何が学べるか考えてください:
「イエス・キリストの弟子となるよう努めるとき,主の声を聞くことができるように,これまで以上に意識的に努力する必要があります。日々の生活を主の言葉と教えと真理で満たすために,意識して絶えず努力することが必要です。……
……わたしたちはどこへ行けば主にお聞きできるのでしょうか。
聖典に行くことができます。聖典は,イエス・キリストとその福音,主の贖罪の重要性,御父の幸福と贖いの偉大な計画について教えています。毎日神の言葉に浸ることが,この増大する混乱の日々に,特に霊的に生き延びるためにきわめて重要です。わたしたちが毎日キリストの言葉をよく味わうとき,キリストの言葉は,自分が直面するとは思いもしなかった困難に対処する方法をわたしたちに告げます。……
救い主が述べられたことや,預言者を通して今語っておられることを,皆さんがもっと意識的に聞き,耳を傾け,心に留めるときに,どのようなことが起こるでしょうか。わたしは約束します。誘惑や困難や弱さに対処する力を祝福として加えられるでしょう。わたしは約束します。あなたの結婚生活,家族との関係,日々の働きに奇跡があるでしょう。わたしは約束します。たとえ人生で混乱が増しても,喜びを感じる能力が増すでしょう。」
(ラッセル・M・ネルソン「彼に聞きなさい」『リアホナ』2020年5月号,89-90)
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聖文を研究することによって救い主から受けられる祝福について,この言葉から何が分かりましたか。
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聖文を日々研究してきて,あなたはどのような祝福を得ましたか。
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日頃から聖文研究の時間を取れるようになるためには,どのようなことが助けになりますか。
生徒の聖文研究の技術を伸ばすために,生徒参加型の活動を行うとよいでしょう。レッスンの最後に紹介する補足資料に幾つかのアイデアがあります。
さらにイエス・キリストのようになるための目標
セミナリーのおもな目標の一つは,イエス・キリストに従い,主の弟子となれるよう助けることです。聖文を日々研究することは,さらに献身的にイエス・キリストに従えるようになるための最善の方法の一つです。これは,セミナリーの単位を取得するための要件の一つでもあります。聖文研究の詳しい要件について疑問があれば,教師に聞いてください。
聖文個人研究の時間を見つけることが難しい場合もあります。十二使徒定員会のデビッド・A・ベドナー長老は,次のようにアドバイスしています。:
「目が回るように忙しい毎日を送るわたしたちには,時間を見つけて有意義な聖文研究をするという心構えがあるとか,単にそうした『願望がある』というだけでは不十分です。わたしの経験では,毎日決まった時間帯に,それもできれば決まった場所で研究することによって,ずっと効果的に聖文を調べ,研究できるようになります。」
(デビッド・A・べドナー「御言葉が目の前にあるので」『リアホナ』2006年4月号,20)
今日学んだこと,感じたことを踏まえて,聖文研究の評価に書いた自分の答えを見返してみましょう。学習帳に聖文研究の目標を書き出します。これを「子供と青少年」プログラムの霊的な目標にすることもできますし,別の目標にしてもよいでしょう。目標を立てる際には,次の質問について考えてください:
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あなたは聖文についてどのようなことを知り,どのようなことを信じていますか。聖文についてことを知り,どんなことを信じていると,聖文をもっと研究したいという気持ちになりますか。どのような
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あなたは,聖文研究でどのような課題に直面してきましたか。どうすればその課題を克服できますか。
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これから,どのくらい研究しますか。いつ,どこで研究しますか。
注釈と背景情報
聖文を研究すると,どのような祝福が得られるでしょうか。
十二使徒定員会のD・トッド・クリストファーソン長老は,聖文研究によって得られる祝福について,次のように証しています:
聖文研究を効果的に行うには,どうすればよいでしょうか。
十二使徒定員会のD・トッド・クリストファーソン長老は,次のような洞察を述べています:
「『学ぶ』とは,読むこと以上の行為です。メッセージの全体像をつかむために,時々,聖典1冊を目標期間内に読むのは良いことです。しかし改心したければ,時間内に読む量よりも,聖文にどれだけ時間を割くかに心を向ける必要があります。時には,数節読み,深く考え,同じ節を注意深く読み返し,意味を考え,理解を求めて祈り,心に問いかけ,霊的な考えが浮かんでくるまで待ち,覚えたりさらに学んだりするために感じたことや理解したことを書き留める,そのような読み方をしている皆さんの姿が目に浮かびます。このような方法で学ぶとき,30分かけても多くは読めないでしょうが,心に神の御言葉を受け入れる場所を設け,神が語りかけてくださるのです。」
(D・トッド・クリストファーソン「あなたが改心したときには」『リアホナ』2004年5月号,11)
聖文研究を効果的に行うために役立つツールやリソース:
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インスティテュートの『新約聖書 生徒用資料』。画像や注釈,説明が載っていて,参考になります。
以下のツールは,「福音ライブラリー」アプリの「学習ヘルプ」,または合本の索引にあります。
補足学習活動
福音の話を総合的に研究
新約聖書の同じ話を複数の書き手の視点から研究すると,勉強になります。生徒が救い主についての新たな洞察を得るためにも役立ちます。例えば,ゲツセマネで苦しまれる救い主についての話は, マタイ26:36-46 ; マルコ14:32-42 ; ルカ22:40-46 にあります。生徒はこの複数の話を研究した後,このような聖文研究で得た洞察を分かち合うことができます。