自立
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今日の話し合い—

3負債をなくす

読む:先週,わたしたちは負債をなくすための最初の3つの原則について話し合いました。

  1. 負債の現状を把握する

  2. 負債から抜け出す望みをもつ

  3. 負債につながる「生まれながらの人」の傾向を克服する

今日は,残りの2つの原則について話し合います。

  1. 負債が生じるのを食い止める

  2. 負債を完済する

話し合う:先週学んだことの中で,最も意義深かったことは何でしょうか。

1.負債が生じるのを食い止める

読む:さらなる負債を食い止めないかぎり,負債からの解放を望むことはできません。負債が生じるのを食い止めるには,以下に示す2つのシンプルなステップに従います:

  1. 予備金を蓄える

  2. クレジットカードや消費者ローンの利用をやめる

まず,3-6か月分の費用が貯まるまで予備金を積み立て続けてください。お金が必要なときには,借金をせず,このお金を使いましょう。これは緊急時にのみ使用し,その他の費用は予算から割り当てます。

次に,消費者金融やクレジットカードに頼るのはやめましょう。ジェフリー・R・ホランド長老は,財政的な「プラスチック手術」を提案し,次のように述べています。「この手術には全く痛みはありません。クレジットカードを切り刻むだけです。……現代人が知っている便利なものの中で,若くて困難を抱えている家族は特にそうですが,クレジットカードほど家族の経済的安定を大きな危険にさらすものはありません。」(Jeffrey R. and Patricia T. Holland, “Things We Have Learned—Together,” Ensign, June 1986, 30)クレジットカードを切り刻むことは,それ以上の負債を食い止める助けとなるでしょう。

話し合う:負債が生じるのを食い止めるために,進んでどのようなことを行いますか。

2.負債を完済する

読む:わたしたちは,できるだけ早く負債を返済するように勧告されてきました。「借金をすることになったとしても……できるかぎり早く返済し,束縛から自由になれるように働くことです」(『真理を守る』,91)。

負債から抜け出す計画を立て,実行するために,以下の4つのステップがあります。

  1. 上乗せして負債を支払うことを決意する

  2. 上乗せして支払うべき負債を見極める

  3. 振り替え方式を利用する

  4. 必要に応じて,さらなる手段を取る

上乗せして負債を支払うことを決意する

読む:負債から抜け出すうえで最も高くつく方法の一つは,最低返済額で支払うことです。最低返済額は,残高に対する割合で計算されます。借入残高が下がることにより,最低返済金額も下がります。この方法では,借入残高を完済するまでの期間が延び,利子を余計に払うことになります。負債からもっと早く抜け出すには,最低返済額以上の支払いをする必要があります。

負債項目

借入残高

利子

月々の支払額

クレジットカード1

400,000

17%

9,700

クレジットカード2

650,000

19%

16,800

500,000

3.00%

14,500

学生ローン

1,800,000

5.50%

30,000

住宅ローン

17,000,000

4.50%

105,000

例えば,前の章の負債一覧表(上記)を使い,クレジットカード1で最低返済額を支払った場合,負債から抜け出すのにどれくらいの期間がかかると思いますか。利子には幾らかかると思いますか。最低返済額で支払うと,次のようになります。

  • 完済するまでに20年と9か月かかる!

  • 利子には510,762円かかる

しかし,現在の最低返済額の9,700円に加えて毎月10,000円多く支払うと,どうなるでしょうか。

  • 2年半で完済—18年も短くなる!

  • 金利を435,749円節約できる!

話し合う:債権者が最低返済額のみ払わせたがるのはなぜでしょうか。

読む:最低返済額よりも多く支払うことにより,負債から抜け出すのにかかる時間が短くなり,多額の利子を節約できます。あなたは支出を記録し,予算を立ててきました。上乗せして負債を支払うために,支出からどのようにお金を捻出することができるでしょうか。今週の決意の一つは,負債を返済するためにお金を幾ら余分に確保できるかを決めることです。負債の完済について検討するとき,最低返済額に上乗せして支払う一定額を設定し,負債を完済するまで少なくともその金額を支払うようにしてください。

上乗せして支払うべき負債を見極める

読む:どの負債から返済を進めるかを決定するには,幾つかの選択肢があります。例えば以下のような選択肢があります:

  • 利子が最も高い負債から上乗せして支払う

  • 借入残高が最も少ない負債から先に支払う

どちらの選択肢にもメリットとデメリットがありますが,双方とも負債をなくすことにつながります。今週の決意の一つは,どの負債を最初に完済するかを決めることです。

方法

メリット

デメリット

利子が最も高い負債を先に支払う

  • 最も高くつく負債をより早く完済できる

  • ローンの数を減らすまでにより長い時間がかかる

  • すぐには達成感が得られない

借入残高が最も少ない負債を先に支払う

  • ローンの数をより早く減らせる

  • 最低返済額の数をより早く減らせる

  • より早く達成感が得られる

  • 利子が最も高い負債を先に完済しないので,より高くつくことがある

振り替え方式を利用する

読む:振り替え方式は,負債を完済するのに優れた方法です。現在,あなたの負債に対して月に10,000円上乗せして支払うことができるとします。負債を完済した後,そのローンに充てていたお金をどうすべきでしょうか。別のローンに充当するのです。この方法により,さらに早く負債から抜け出すことができます。

例えば,負債一覧表サンプルでは,クレジットカード1に対して月10,000円を上乗せして支払うとすると,月々の支払いは19,700円になります。その支払いが終わった後に,余った19,700円を別の負債の返済に充てることができます。その19,700円をクレジットカード2の借入残高の65万円に充てると,次のようになります。

  • 最低返済額を支払った場合と比べて,23年以上も早く完済できる!

  • 85万円以上の利子が節約できる!

そのクレジットカードへの支払いが終わったら,また別の負債に36,500円を上乗せして充てることができます。振り替え方式は,負債を早く返済するのに非常に効果的です。

話し合う:負債からもっと早く抜け出すうえで,振り替え方式はどのように役立つでしょうか。

さらなる手段を取る

読む:負債の最低返済額を支払うのが難しい場合,さらなる対策を講じる必要があるかもしれません。

家族評議会で負債の返済について話し合う

読む:今週の家族評議会で,上乗せして負債を支払うためのお金を毎月幾ら確保できるかについて話し合ってください。さらに,どのローンから先に返済を始めるかについても話し合いましょう(最も利子が高いもの,または借入残高が最も少ないもの)。以下の「家族評議会の話し合いサンプル」を活用するとよいでしょう。

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