自立
学ぶ—所要時間:45分以内


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家の図今日の話し合い—

 4将来に向けて貯蓄と投資をする

家の絵

財政管理サクセスマップ

読む:投資という言葉を聞くと,株や債券を売る人々でごったがえす,騒々しい証券取引所の立会場を思い描くかもしれません。それも投資には違いありませんが,投資とは,ある種の見返りを期待しつつ,時間や手間,あるいは金銭を何かに費やす行為でもあります。そういった観点から見ると,投資は自立の一要素です。

この章では,3つの投資方法について学びます:

  1. 貯蓄する

  2. マイホームを検討する

  3. 教育を求める

1.貯蓄する

深く考える:2分間で以下の質問について考え,あなたの考えを書き出してください。何のために,貯蓄をしたいと思いますか。

読む:最も簡単な投資方法の一つは,貯蓄です。あなたは現在,予備金を貯めています。まず1か月分の支出を賄えるだけの金額から始め,3-6か月分を貯めようとしているところです。十分な予備金を貯めた後も続けて貯蓄すると,どのようなことが可能になるか,想像してみてください。

L・トム・ペリー長老はこのように教えています。「前もって決めておいた額を自分自身のために直ちに預金します。……実に多くの人が,食料品店主,家主,電力会社,自動車のセールスマン,銀行などに対する支払いのために一生働いており,その努力が自分には何ら還元されていない点に至ってはほとんど考えてもいないことに,わたしは驚かされます。」(「自立」『聖徒の道』1992年1月号,73)

瓶の例で説明したように,まず貯蓄をすることにより「自分自身のために」支払うことが非常に重要です。これにより,経済的な安定を確立することができるでしょう。

「よく見られる方法」の瓶
「自立に適した方法」の瓶

話し合う:少し時間を取って,瓶の例をもう一度復習しましょう。あなたにとって,このたとえにおいて最も意義深い点は何でしょうか。あなたは,自立に適した方法を取ることにより,どのように信仰を示していますか。

2.マイホームを検討する

読む:自宅の購入は,もう一つの投資方法です。自宅を所有することがだれにとっても適切なわけではありません。賃貸の方がより良い選択肢になる場合もあります。

読む:マイホームを検討している人は,次の二つの原則を覚えておきましょう:

  • 購入時期や場所に納得がいく場合にかぎり購入する

  • 余裕をもって支払える物件以外は購入しない

では,これらの原則に影響を与える可能性のある要因について考えてみましょう。

話し合う:自宅を購入する前にこれらのことを自問することは,なぜ大切なのでしょうか。

読む:大抵の人は,住宅ローンを利用して家を購入します。住宅ローンは負債であり,利子が発生します。あなたは月々の支払いにより,ローンを返済していくことになります。

財政上の安定を長期的に確立するため,月々の住宅ローンの返済額は,月収の25%以下に抑えるべきです。この割合を基準にして,幾ら支払う余裕があるかを見極め,貸し手の言いなりになって負債を負わないようにしましょう。

話し合う:あなたにとって,無理なく支払える家を購入することにはどのような意味がありますか。

読む:家を所有するには,住宅ローン以外にも諸費用がかかることを念頭におきましょう。マイホームを持つと,それを維持する責任が生じます。物は壊れ,使い古され,時には新調が必要となるものです。ファイナンシャルアドバイザーは通常,自宅の価格の1%を,維持費として貯蓄するよう勧めています。

住宅ローンから解放される

読む:すでに説明したように,住宅ローンは負債ですので,利子を支払わなければなりません。エズラ・タフト・ベンソン大管長は,J・ルーベン・クラーク管長の教えを繰り返しました。「すべて家長は自分の家を持つように,早めに抵当をなくすように努めよう。」(「艱難の日に備える」『聖徒の道』1981年4月号,62)できるだけ住宅ローンを早期に完済するには犠牲が伴いますが,完済が早ければ早いほど,支払わずに済む利子の金額が増えるのです。住宅ローンを完済する方法は二通りあります:

  • 返済額を増やす

  • 利率の低い短期ローンを組む

債権者への返済額を増やすことにより,何年もの期間が短縮され,何十万もの利子を節約することができます。例えば,利率4.5%の1,500万円の住宅ローンを30年払いで組んでいる場合,ローン期間中に12,361,000円を利子として支払うことになります。下の表を見て,月々1-2万円多く返済することにより,どれほどの時間とお金を節約することができるかを確認してください。

毎月1万円多く返済する

毎月2万円多く返済する

短縮される期間

約7年

約11年

節約できる金額

2,971,500円

4,746,200円

住宅ローンをさらに早く完済するもう一つの方法は,住宅ローンを短期間に設定することです。通常,住宅ローンの期間が短いほど利率も低くなります。月々の支払いは高くなりますが,期間が短縮され,何十万もの利子を節約することができます。

先ほどの住宅ローンと15年ローンとを比較してみましょう。最初の例では,利率4.5%の1,500万円の住宅ローンを30年払いで組んでいました。同じ金額を利率3.5%の15年ローンで借りた場合と比較しましょう。

30年住宅ローン

15年住宅ローン

利率

4.5%

3.5%

月々の返済額

76,000円

107,200円

利子の総額

12,361,000円

4,301,800円

完済までの期間

30年

15年

この場合,15年ローンにすると月々の支払額は3万円ほど増えますが,次のような節約になります:

  • 15年間のローン返済

  • 800万円あまりの利子

話し合う:ローンの支払額を増やす,あるいは短期のものにし,負債からの解放をより早く実現するために,あなたなら進んで何を諦めますか。

3.教育を求める

読む:教育は,もう一つの投資の形です。通常,さらなる訓練や教育を受けるには費用がかかります。教育に投資しようとする場合には,その教育がより良い仕事につながるものであり,投資に対して満足のいく見返りがあることを確認しましょう。ゴードン・B・ヒンクレー大管長は,次のように勧告しました。「世間はだいたいにおいて,世間的に見た皆さんの価値に応じて給与を支払います。そして皆さんの価値は,選んだ分野で得た教育と熟練の度合いに応じて上がっていくのです。」(「若人への預言者の勧告と祈り」『リアホナ』2001年4月号,34)

教育を受けるために負債を負うことが適切な場合もありますが,教育費を支払う方法はほかにも多くあります。借り入れに頼る前に,ほかのあらゆる選択肢を調べてみましょう。教育のために負債を負う場合には,できるだけ早く完済するよう努めてください。

教育に投資することを検討する際には,「より良い職に就くための教育」の自立グループに参加するとよいでしょう。

話し合う:教育は,どのような点で自分への投資となるのでしょうか。

「貯蓄」「マイホームを目指す」「教育を通して自分に投資する」というテーマについて,家族評議会で話し合う

読む:今週の決意の一つは,貯蓄,マイホーム,教育への投資について家族評議会で話し合うことです。何のために貯蓄したいか,家を借りるか購入するか(または,住宅ローンの返済を始めるためにどうするか),目指すべき教育の目標があればそれは何か,といったことについて話し合います。以下の「家族評議会の話し合いサンプル」を活用するとよいでしょう。

家族評議会の話し合いサンプル

御霊を招くために,始まりと終わりに必ず祈るようにします。

パート1:振り返り

  • 将来の,どのようなことに向けて貯蓄をしたいですか。167ページの,「深く考える」の質問に対する答えを見返しましょう。

  • 賃貸とマイホームを比べた場合,メリットとデメリットはそれぞれどのようなものでしたか。169ページの活動を復習しましょう。

パート2:計画

  • 将来望んでいることのために,どのようにして貯蓄できるでしょうか。

  • 現在自宅を所有していない場合は,購入を検討するべきでしょうか。それとも,当面の間賃貸を続けるべきでしょうか。

  • 現在自宅を所有している場合,どうすれば住宅ローンの完済を速めることができるでしょうか。自宅を売却し,当面賃貸することが,現在の状況により適しているということはないでしょうか。

  • より良い職業のためにさらなる教育を受けるとしたら,どのようなものがよいでしょうか。