青少年のレッスン:テクノロジーを賢く用いる
I.はじめに
若者であるわたしたちは,テクノロジーが生活の大きな部分を占める世界に住んでいます。終わりのないスクロール,途切れない通知,そして依存性のあるテクノロジーの世界にたやすく迷い込んでしまいます。しかしイエス・キリストの弟子であるわたしたちは,テクノロジーを意図的に,そして積極的に使うように求められています。このレッスンでは,テクノロジーを管理する方法や,神を敬いつつテクノロジーを用いる方法を学びます。
II.テクノロジーの利点とその代償
利点
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教会はテクノロジーを用いて,世界規模でコミュニケーションを取り,福音を広めています。
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テクノロジーは,ポケットにすっぽりと収まるサイズでありながら,世界中の知識へのアクセスを可能にします。
代償
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テクノロジーを用いる際の代償は,わたしたちの時間と注意力であり,さらには機会や祝福を逃すことにもなります。
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気をつけていないと,注力するに値しないことによって道からそれたり,天の御父とイエス・キリストとの聖約から気がそれたりすることさえあります。
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最後に,兄弟たちよ。すべて真実なこと,すべて尊ぶべきこと,すべて正しいこと,すべて純真なこと,すべて愛すべきこと,すべてほまれあること,また徳といわれるもの,称賛に値するものがあれば,それらのものを心にとめなさい。
III.テクノロジーの課題
テクノロジーの使用をやめるのが難しいのは自分が駄目だからでしょうか?霊的に弱いからでしょうか?もちろん,そうではありません。テクノロジーを使用するのはまったく普通のことですが,それをコントロールするというのは本格的な戦いになり得ます。科学,脳内化学物質,わたしたちの注意を引こうと激しく争う業界が相手なのです。公平な戦いではありません。
テクノロジーの「至福ポイント」
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テクノロジーは,世界中の知識へのアクセスを可能にし,良いことに利用できるツールです。
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わたしたちがテクノロジーに注意を向ければ向けるほど,テクノロジーのクリエイターはより多くの報酬を得ます。
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研究者やデザイナーは,食品業界の「至福ポイント」と同様,わたしたちをテクノロジーに引き込み,満足させ続けるためのテクニックを駆使しています。
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天の御父と救い主は,テクノロジーに対するわたしたちの葛藤を理解し,わたしたちを強めてくださいます。
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ところが,主が言われた,「わたしの恵みはあなたに対して十分である。わたしの力は弱いところに完全にあらわれる」。それだから,キリストの力がわたしに宿るように,むしろ,喜んで自分の弱さを誇ろう。
「至福ポイント」を克服する
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テクノロジーには,わたしたちの感情や生体反応を誘導する独自の「至福ポイント」があることを認識してください。
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テクノロジーと格闘するのは普通のことです。科学,脳内化学物質,わたしたちの注意を引こうと激しく争う業界が相手なのですから。
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わたしたちは,目的のはっきりした質問を自分自身に問いかけ,計画を立て,必要なときには機器を一時停止することで,テクノロジーをコントロールすることができます。
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時間を費やしているコンテンツを意識し,テクノロジーを持ち込まない場所を家に設けることも,テクノロジーの「至福ポイント」を克服するうえで役立ちます。
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誘惑に陥らないように,目をさまして祈っていなさい。心は熱しているが,肉体が弱いのである。
テクノロジーの使用に制限が必要なときや場所を認識し,過剰使用や乱用への願望を克服するための対策を講じることで,テクノロジーとの健全な距離感を築くことができます。覚えておいてほしいのは,テクノロジーをコントロールするのはわたしたちであって,テクノロジーがわたしたちをコントロールするわけではないということです。
IV.テクノロジーを管理する
A.目的:学び,創り出すために意図的にテクノロジーを使用する。
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何をするにも,人に対してではなく,主に対してするように,心から働きなさい。
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「なぜ今,デバイスを使っているのだろう」,「自分がしていることについて良い気持ちを感じているだろうか」などと自問してください。
肯定的なメッセージを送ったり,平和的な音楽を聴いたり,独自のコンテンツを作成したりすることで,テクノロジーを意図的に良いことに使うことができます。良い目的のためにテクノロジーを使う方法には,ほかにどのようなものがあるでしょうか。
B.計画:より良い選択ができるように前もって計画する。
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あなたのなすべき事を主にゆだねよ,そうすれば,あなたの計るところは必ず成る。
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「デバイスを使うことについて自分にはどのような計画があるだろうか」,「自分の時間の使い方について,神さまにどのようなしるしを差し出しているだろうか」などと自問してください。
より良い選択をするために前もって計画を立てるための実用的な提案には,1日のスクリーンタイムを制限する,親しい家族や友人だけをフォローして連絡を取る,デバイスを持ち込まない場所を自宅に設ける,家族共通の充電場所を設置する,フィルターを使うなどがあります。テクノロジーを使用する際により良い選択ができるよう,前もって計画できる方法にはほかにどのようなものがありますか。
C.一時停止:必要なときに休憩を取る。
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静まって,わたしこそ神であることを知れ。
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「不適切なコンテンツや目的がはっきりしないコンテンツを避けているだろうか」,「御霊が離れるのを感じただろうか」などと自問してください。
デバイスを置いて離れる,強さを求めて祈る,だれかと話すなどすることで,テクノロジーを意図的に使うことができます。テクノロジーを使用するときに,ほかにどのような方法で自分を守ることができますか。
V.グループディスカッション:
次の質問をして,テクノロジーの使用に関する経験や管理することについてグループで話し合います。
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テクノロジーを管理する際に直面する最大の課題は何でしょうか。
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テクノロジーを長時間使っていると,どのような気持ちになりますか。
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休憩を取った方がよいときに,どうすれば気づけますか。
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ソーシャルメディアは,あなたの自尊心やほかの人とつながっているという感覚にどのような影響を与えますか。
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テクノロジーを使って自分のこころの健康に良い影響を与える方法には,どのようなものがありますか。
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学業とテクノロジーの使用のバランスをどのように取っていますか。これまでどのような戦略が効果的でしたか。
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テクノロジーの使用に関連した潜在的なリスクにはどのようなものがあるでしょうか(ネットいじめや依存症など)。これらのリスクから身を守るにはどうすればよいでしょうか。
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単にコンテンツに時間を費やすだけでなく,新しいスキルを習得したり,興味のあることを追求したりするために,テクノロジーをどのように活用できるでしょうか。
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テクノロジーの使用について,親や保護者とどのようにコミュニケーションを取っていますか。境界線を設けるうえで,それらはどのように役立っているでしょうか。
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マルチタスクを避ける,時間制限を設けるなど,責任を持ってテクノロジーを使用するための戦略にはどのようなものがあるでしょうか。
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オンラインコミュニティーに参加したり,関心のある活動を支援するなど,テクノロジーを使って有意義にほかの人とつながる方法にはどのようなものがありますか。
VI.終わりに
イエス・キリストの弟子であるわたしたちは,テクノロジーを意図的に,そして積極的に使うように求められています。テクノロジーには多くの利点がありますが,時間や注意力などの代償も伴います。わたしたちはテクノロジーの「至福ポイント」を意識し,目的のはっきりとした質問をしたり,計画を立てたり,時間を費やすコンテンツを意識したりして,テクノロジーの使用をコントロールする必要があります。テクノロジーを管理することで,神を敬い,自分やほかの人々を神に近づけつつテクノロジーを使うことができます。