マリでのクリスマス
このお話を書いた人はアメリカ合衆国テキサス州に住んでいます。
ジュディスは支部の人たちとイエス様の誕生をお祝いするのが待ち切れません。
「み使い空にやさしくうたう」(『賛美歌』119番)
それはクリスマスのことでした。ジュディスは教会に向かって歩きながら,鼻歌を歌います。ジュディスとお姉さんとお兄さんは,支部で開かれるクリスマスパーティーへ行くのです。
お姉さんのエステルがほほえみました。「その歌,『み使い空に』でしょう?」
「そうだよ!この歌大好きなんだ。今日,みんなで歌えるといいな。」ジュディスはにっこりとわらいます。
「ぼくもその歌大好きだよ!」お兄さんのデジレもそう言い,大きな声で歌いました。「グローーーリア!」
みんな声を上げてわらいました。ジュディスは支部の人たちとお祝いをするのが待ち切れません。マリでクリスマスをお祝いする人はあまり多くありません。 そのような人たちにとって,クリスマスはごく普通の日です。
通りにはたくさんの人がいました。露店ではうす緑色のメロンを売っています。わかい人も年を取った人も,水を入れたつぼを頭に乗せて運んでいます。少年が荷車を引くロバを連れています。ジュディスはモスクの細くて高いとうを見上げました。その美しい建物は,近所に住むたくさんのイスラム教徒の人たちが礼拝をする場所です。
ジュディスとエステルとデジレは,以前はパパの教会へ通っていました。けれど去年の夏に,末日聖徒イエス・キリスト教会に入ったのです。今では,毎週3人一緒に歩いて教会に行っています。ジュディスは初等協会でイエス様について学ぶのが大好きでした。
3人はついにパーティーに着きました。支部の家族はもうほとんどが集まっていました。礼拝堂のかべには,プロジェクターを使ってクリスマスのビデオがうつし出されていました。ジュディスは,ヨセフがマリヤを乗せたロバを引いてベツレヘムを歩いていく様子をながめました。にぎやかでほこりっぽい道は,マリににていました!
ビデオが終わると,1台のタクシーが到着し,扶助協会会長のバレリー姉妹がおりてきました。
「食べ物を持ってきましたよ!」とバレリー姉妹が言いました。
みんなで手伝って,バルコニーに料理を運びました。ごちそうです!ポテトサラダ,ニンジン,インゲン,あざやかな黄色のライス,フライドチキン,……どれもほっぺたが落ちそうでした!
「ほんとうにありがとう,バレリー姉妹!」ジュディスは言いました。
それから,いちばん小さな子供たちに,ボールか,お人形か,おもちゃの車が配られました。ジュディスのところまで回ってくるほどの数はありませんでしたが,気にはなりませんでした。小さな子供たちの笑顔を見るのはほんとうにいいものです。
パーティーの最後は歌でした。「み使い空に」を歌ったとき,ジュディスはにっこり笑顔になりました。
支部の人全員が声を合わせて歌いました。とても美しかったです。イエス様はほんとうに,はるか昔にお生まれになったのです!ジュディスは,自分やデジレやエステルがイエス様のことを知っていることに,心から感謝しました。そして,イエス様の誕生をお祝いできることをとてもうれしく思いました。