2022
行ってあの子のとなりにすわりなさい
2022年4月号


お友達の経験談

行ってあの子のとなりにすわりなさい

girl going to sit by boy on his own

ある日,学校で,男の子がいじめられていると聞きました。悲しい気持ちになりました。だれもそんなことをされるべきではありません。

同じ日に,わたしたちの学年のパーティーがありました。さっきいじめられていた男の子がパーティーにやって来て,ひとりぼっちですわりました。その子を見たとき,さっきの出来事を思い出しました。あの子のとなりにすわりなさいという声が聞こえました。でも,わたしだけがあの子のとなりにすわるのはいやでした。あの子は大丈夫よ,とわたしは思いました。だれかにとなりにすわってほしいとは思ってないわ。わたしは自分の気持ちをおしやりました。

また声がしました。前よりも力強い声です。行ってあの子のとなりにすわりなさい。

わたしは男の子を見ました。さびしそうで,悲しそうに見えました。そうね,と思いました。となりにすわったとき,男の子は気まずそうでした。わたしは自分の名前を言って,その子のことについて質問しました。最初は,きんちょうしました。でも話していると,平安を感じました。その子も,もうさびしそうでも悲しそうでもありませんでした。

その子がクラスにもどらなければならなくなったとき,わたしはまた後で話そうねと言いました。その子は少しほほえんで,分かったと言いました。わたしのたんにんの先生がやって来て言いました。「ありがとう,シエラ。とても親切だったね。」わたしはただうなずきました。

その日の残りの時間はあっという間にすぎましたが,あの平安な気持ちはそのままでした。わたしは,自分が正しいことをしたと知っていました。ほかの人とちがうと,正しくせっしてもらえないことがあります。それはいやなことですが,起きてしまうものです。

わたしたちはみんな,神の子供です。わたしたちは人にやさしくするべきです。そうすれば神がわたしたちを祝福してくださると,わたしは知っています。

イラスト/クリスティン・ソラ