銀のブレスレットより価値あるもの
シルビー・ウモー
(カナダ,ケベック州)
「わたしの羊を養いなさい」という救い主の招きについて扶助協会のディスカッションリーダーを頼まれたときのことです。姉妹たちを動機付けたいと思うなら,一人の羊のために何かを行うべきだと心に決めました。
わたしは勇気を振り絞って,一人のお休みがちな姉妹を扶助協会の活動に誘いました。彼女はその誘いを受け入れ,わたしたちは楽しい時を過ごしました。これは良い模範になると考え,この経験を分かち合うつもりでした。しかし,主はそれ以上のことをわたしに教えてくださったのです。
ある朝,着替えをしているときに,銀のブレスレットがないことに気づきました。このブレスレットは,フランスを訪れたときに誕生日のプレゼントとして頂いた物で,わたしにとっては特別なものでした。ありそうな場所を探し始めましたが,見つかりません。「そうだ,お祈りをすればすぐにブレスレットを見つけられるわ」と自分に言い聞かせました。
祈りの後,そこら中を探しました。2日間熱心に祈り,一心不乱に探しました。見つけられるように天の御父に懇願しましたが,それでも見つけることができませんでした。このブレスレットは大事な物だったので,心が沈みました。
ある晩,息子がわたしのそばで一緒に祈ってくれました。祈りの後,息子は何かを拾い上げてわたしに渡してくれました。何と,わたしのブレスレットでした。ベッドの下にあるのを見つけてくれたのです。自分で探したときはなぜか見逃してしまったようです。ブレスレットが戻ってきたのがうれしくて泣きました。
突然,あることが心に浮かびました。「教会の姉妹に対しても同じように熱心に祈りますか?彼女たちはあなたにとってブレスレットと同じくらい大切な存在ですか?教会外の姉妹たちに関してはどうですか?その人たちのためにも祈りますか?」
なくなったブレスレットの経験を扶助協会で分かち合ったとき,すばらしい話し合いになりました。わたしは,救い主が御自分の羊を養うように求められるときに,「人の価値が神の目に大いなるものであることを」覚えておかなければならないことを学んだと姉妹たちに伝えました(教義と聖約18:10)。主は,わたしたちが周りの人々を心にかけ,愛し,世話をし,力を尽くして彼らのために祈るよう望んでおられます。そうするときに,わたしたちはすべての人が銀のブレスレットよりもはるかに価値があることが分かるでしょう。