インスティテュート
教義と聖約 教師用手引き(宗教324-325)の紹介


「教義と聖約 教師用手引き(宗教324-325)の紹介」教義と聖約 教師用手引き

「紹介」教義と聖約 教師用手引き

教義と聖約 教師用手引き(宗教324-325)の紹介

わたしたちの目的

宗教教育セミナリー・インスティテュートの目的:

「わたしたちの目的は,以下のことができるよう,青少年とヤングアダルトを助けることです。イエス・キリストの教えと贖いについて理解しそれに頼る。神殿の祝福を受ける資格を得る。天の御父とともに永遠の命にあずかるため,自分自身と自分の家族と周りの人々を備える。」(『福音を教え学ぶ—宗教教育セミナリー・インスティテュートの教師ならびに指導者用手引き』1)

この目的を達成するために,わたしたちは生徒に,聖典と預言者の言葉に見いだされるままの福音の教義と原則を教えます。これらの教義と原則を,生徒が理解し,教化されるような方法で教えます。わたしたちは,生徒が学習の過程における自らの役割を果たすよう助けます。また,福音を他の人々に教える備えができるように彼らを助けます。

これらの目的を達成するため,あなたとあなたが教える生徒は,聖文をともに研究するときに次の「福音を教え学ぶときの基本」を取り入れるように勧められています:

  • 御霊によって教え,学ぶ。

  • 愛と敬意と目的意識のある学習環境を作る。

  • 毎日聖文を研究し,コースの聖典を読む。

  • 聖典と預言者の言葉の背景と内容を理解する。

  • 福音の教義と原則を見つけ,理解し,それらが真実であり重要であることを感じ,それらを応用する。

  • 福音の教義と原則を説明し,分かち合い,証する。

  • 重要な聖句と基本的教義に精通する。

本手引きの教えるための提案は,教えていく中でこれらの結果を達成するための方法を説明します。(「福音を教え学ぶときの基本」は,教える方法ではなく,結果として見なすべきであることに留意してください。)「これらの基本的な事柄を,賢明に,また相互に調和を保って実行するとき,生徒は,聖文と聖文に含まれている教義と原則を理解する能力を身につけることができる。また,福音の学習における役割を積極的に果たすよう生徒に促し,福音に従って生活して福音をほかの人々に教える能力を増し加える。」(『福音を教え学ぶ』10)

レッスンの準備

主は,主の福音を教える人々に,「わたしの福音の原則を教え」るように命じられました(教義と聖約42:12)。さらに,「信仰の祈りによって……与えられる」これらの真理を「御霊に導かれるままに」教えるべきであると指示しておられます(教義と聖約42:13-14)。それぞれのレッスンを準備するときは,聖文と,聖文に含まれている教義と原則を理解する助けとして,よく祈って御霊の導きを願い求めてください。さらに,生徒が聖文を理解し,聖霊から教えを受け,学んだことを応用したいという気持ちを感じられるように,生徒を助ける方法を計画するときに,御霊の促しに従う必要があります。

このコースでは,あなたが準備し教えるときの最も重要なテキストは教義と聖約です。あなたは教える章や節を,よく祈って研究する必要があります。聖句ブロックの歴史的背景と内容を理解するように努めなければなりません。各聖句ブロックの背景と内容についてよく分かるようになったら,そこで教えられている教義と原則を見つけ,その中で生徒が理解し応用すべき最も重要な真理はどれか,判断する必要があります。焦点を当てるべき事項を見つけたら,次に,その聖句に含まれる神聖な真理を生徒が学び応用するのに最も役立つ教え方,採り上げ方,活動を決めることができます。

本手引きとそれに対応する教義と聖約 生徒用資料は,あなたがそのようなプロセスを踏む助けができるように作られています。教える聖句ブロックに応じて注意深くレッスン資料を検討してください。この資料は,各聖句ブロックの背景と内容を理解するのを助け,その中に含まれる教義と原則を見つけるのに役立つでしょう。本手引きの教えるための提案は,あなたや生徒たちが各レッスンに多くの「福音を教え学ぶときの基本」を取り入れる助けにもなるでしょう。聖句ブロックに関する教え方の提案をすべて使うか,それとも一部だけ使うか,自分で決めることができます。また,御霊の導きや生徒の必要と状況に合わせて,提案されている教え方に工夫を加えることもできます。教えるための提案を適応したり,あなた自身のアイデアを代わりに用いる場合,特定の教えるための提案がどの基本的な結果をもたらそうとしているものであるかを必ず考慮し,同じ結果をもたらす教えるための代替的アイデアを選択するようにしてください。

生徒が各レッスンの聖句ブロックの全体を学べるように助けることが大切です。そうすることによって,生徒は,主が預言書を通して伝えようとしているメッセージの全容を理解することができます。しかし,レッスンを準備する段階で,あなたは手引きの中にあるすべての教え方の提案を使う時間がないことに気づくでしょう。生徒が,福音の真理が真実であり重要であると感じ,それらを生活に応用するように助けるため,聖句ブロックのどの部分を強調すべきかを決める時,御霊の導きを求め,生徒の必要をよく祈って深く考えてください。時間が足りない場合は,節のまとまりを短く要約したり,次の節のまとまりに移る前に生徒が原則や教義を素早く見つけるように導くことで,レッスンを部分的に変更する必要があるかもしれません。

レッスン資料にどのような工夫を加えるか考えるときは,十二使徒定員会のダリン・H・オークス長老が述べた次の勧告に従ってください。

「パッカー会長は度々,まず最初に身につけてから適応させるようにと教えてくれました。指定されているレッスンに十分精通していれば,その後,御霊に従って変えることができます。」(「ダリン・H・オークス長老とのパネルディスカッション」〔宗教教育セミナリー・インスティテュート衛星放送,2012年8月7日〕,si.lds.org

レッスンを準備するときは,LDS.org(モバイルデバイスの場合は福音ライブラリーアプリ)にあるメモおよび日記ツールを使用してもよいでしょう。これらのツールは,聖典,大会説教,教会機関誌の記事,およびレッスンに印を付けるために使うことができます。レッスン中に使用するメモを追加して保存することもできます。これらのツールの使用方法についての詳細は,LDS.orgのメモおよび日記のヘルプページを参照してください。

本手引きの構成

宗教324-325は,2期分のコースとして作られています。宗教324は,生徒が教義と聖約1-76章を研究するのを導きます。宗教325は,教義と聖約77-138章,公式の宣言1と2を採り上げます。この教師用手引きは,教義と聖約の前期後期それぞれに28の課がある全56課で構成されています。各レッスンは,50分の授業時間で教えるように意図されています。クラスが週2回の場合は,クラス1回ごとに1課教えます。クラスが週1回で90-100分間の場合,クラス1回ごとに2課教えることが推奨されます。

本手引きのレッスンは以下の仕様で構成されています:

紹介

各レッスンはそのレッスンで研究する教義と聖約の章の簡単な紹介で始まります。紹介は各章の歴史的背景や内容の要約を提供します。紹介は生徒用資料にもあり,各レッスンで研究する聖句の概要を提供します。

タイムライン

各導入には,タイムラインが添付されています。このタイムラインは,教会歴史におけるほかの出来事と結びつけて,いつそれを受けたかを示すことによって,教義と聖約の各章の背景を理解する助けとなるでしょう。

教えるための提案

各レッスンのおもな内容には,どのように特定の聖句を教えるかについて指針やアイデアが含まれています。それらは,質問,引用文,図,活動,歴史的情報などです。これらのアイデアは,生徒が主や福音への改宗を深めるのを助けるために,あなたの教え方に「福音を教え学ぶときの基本」を取り入れる方法を説明しています。

節のまとまり(セグメント)と背景の要約

本手引きの各レッスンでは,特定の概念,教義や原則ではなく,聖句ブロックに焦点が絞られています。この形式は,あなたとあなたの生徒が聖文を順次に研究し,聖典の本文から自然に浮かび上がってくる文脈における教義と原則を検討するために役立つでしょう。各レッスンの聖句ブロックは通常,一連の考えに従ったり,特定のテーマに焦点を絞ったより小さな部分すなわち「節のまとまり(セグメント)」に分けられます。これらのセグメントは,そのセグメントに含まれる節の参照聖句の表示で始まり,それらの節のまとまりに記されている出来事や話し合われた教えの文脈的な概要が伴います。

教義と原則

各レッスンの本文では,重要な教義と原則が太字で強調されています。これらの教義と原則が教科課程の中で特定されている理由は,それらが(1)聖句ブロックの中核的なメッセージを反映する,(2)生徒の必要と状況に特によく当てはまる,または(3)生徒が主との関係を深めるために役立つ重要な真理であることです。ヘンリー・B・アイリング管長大管長会のヘンリー・B・アイリング管長は,次のように勧告しています。「レッスンを準備するときは,その中で改心を促す原則を見つけてください。…………改心を促す原則とは,神の御心に従うように導く原則です。」(“Converting Principles”L・トム・ペリー長老との夕べ,1996年2月2日〕,1,si.lds.org)本手引きは,教義と聖約にある教義と原則のすべてを特定しようとはしていないことに留意してください。

本手引きの教えるための提案は,聖文の教義と原則を特定する数多くの機会を生徒に提供します。各レッスンでは,あなたが教師として教義または原則を特定することを選択できる機会も提案されています。生徒が答えを述べるときに用いた言葉が手引きで使われている言葉と違っている,あるいは教科課程の中に述べられていない真理に言及したという理由で,生徒の答えは間違っていると思わせないように気をつけてください。ただし,生徒の言葉がより明確であるべきであったり,教義的に正しくない場合,愛と信頼の雰囲気を保ちながら,どのように生徒の理解を思いやりを持って明白にし,訂正することができるか注意深く考えてください。

教え方のヒント

教え方のヒントは,各レッスンの教えるための提案に含まれています。これらの教え方のヒントは,「福音を教え学ぶときの基本」を説明するのに役立ち,様々な教え方,技術,アプローチを効果的に使用する導きとなるでしょう。教え方のヒントに含まれる原則を理解したら,教えるときに絶えずそれらを応用する方法を探してください。

教えるためのその他のアイデア

教えるためのその他のアイデアは,一部のレッスンの終わりに記載されています。これは,レッスン内容の本文中に示されていないか,強調されていない教義と原則を教えるための提案です。場合によっては,聖句ブロックを教えるための代替的アプローチも提供します。これらの教えるためのアイデアを使わなければならないと感じる必要はありません。使える時間,生徒の必要,御霊の導きに基づいて,これらの提案を使用するかしないか判断するようにしてください。

2013年版の聖典

本手引きにおける情報は,末日聖徒イエス・キリスト教会によって出版された2013年版の聖典に基づくものです。2013年版の聖典は,教義と聖約の幾つかの章の前書きの訂正が含まれています〔訳注—日本語の『教義と聖約』は未改定(2018年9月現在)〕。日付や場所の修正を含む前書きの変更は,最近の調査や歴史的発見を反映し,付加的または明確な聖文の背景を提供するためになされました。

2013年版の聖典の原本は,オンラインscriptures.lds.orgやデジタルデバイスの場合福音ライブラリーアプリで閲覧することができます。

生徒の何人かは旧版(1981年版)の聖典を使用しているかもしれません。2013年版の変更のほとんどは,小さなものであり,生徒の教義と聖約の研究に影響を与えるものではありません。しかし,日付,場所や前書きのその他の情報が生徒の使用している聖典の年版によって異なるかもしれないことに留意する必要があります。その場合,新版を持っている生徒に読んでもらうか,福音ライブラリーアプリで2013年版を示して2013年版の変更に注意を促すとよいでしょう。

卒業の単位のための条件

インスティテュート卒業のための単位を取得するために,生徒はそのコースの聖典を読み終える必要があります(宗教324は教義と聖約1-76章,宗教325は教義と聖約77-138章と公式の宣言1,2)。また出席率の要件を満たし,学習理解度調査に合格することによってコース資料の理解度の能力を示さなければなりません。

障がいを持つ生徒のためにレッスンをどのように適応すればいいでしょうか?

教える準備をするときは,特別な必要を抱えている生徒に配慮してください。彼らが成功できるように,活動や期待を調整します。彼らが,愛され,受け入れられ,仲間であると感じられるように助ける方法を見つけてください。信頼関係を育ててください。

さらにアイデアやリソースを入手するには,https://www.lds.org/topics/disability?lang=jpnの障がいに関するリソースページ,および宗教教育セミナリー・インスティテュートのポリシーマニュアルにある「障がいを持つ生徒のための適応クラス」というタイトルのセクションを参照します。