インスティテュート
第37課:教義と聖約94-97章


「第37課:教義と聖約94-97章」,『教義と聖約 教師用手引き』

「第37課」,『教義と聖約 教師用手引き』

第 37課

教義と聖約94-97章

紹介とタイムライン

教義と聖約94章に記録されているように,主は,御自身がお与えになった「型に従って」カートランドの町を計画するよう聖徒に指示された(教義と聖約94:2)。また,主はカートランドの聖徒に教会の大管長会のための家と,印刷所を建設するように命じられた。

1832年12月27日から28日に与えられた啓示で,主は,オハイオ州カートランドに神殿を建設するよう聖徒に命じられた(教義と聖約88:119参照)。それから5か月以上たっても,教会指導者と教会員は神殿の建設に依然として着手していなかった。1833年6月1日,預言者ジョセフ・スミスは,教義と聖約95章に記録された啓示を受けた。この中で,主は神殿の建設を遅らせたことについてカートランドの聖徒を厳しく懲らしめられた。主は,神殿で聖徒に力を授けると約束され,その建設に関する指示も与えられた。

1833年6月4日,最近買収したピーター・フレンチの農場の使用と管理方法について話し合うために,数人の大祭司が集まった。意見の一致に達することができなかった彼らは,主に尋ね,その答えとして教義と聖約96章に記録された啓示を預言者ジョセフ・スミスが受けた。この啓示で,主はニューエル・K・ホイットニービショップにフレンチ農場 (これにはカートランド神殿が建設される土地も含まれていた)を監督する責任をお与えになり,ジョン・ジョンソンを共同商会の会員として任命された。

1833年の夏,ミズーリ州の教会指導者たちは教義と聖約88章に記録されている主の指示に従って,オハイオ州カートランドで運営されていた預言者の塾に似た塾を組織した。7月初旬,これらの教会指導者たちは,その塾に関するさらなる指示を求めて預言者ジョセフ・スミスに手紙を書いた。教会の大管長会は1833年8月6日に,教義と聖約94;97-98章に記録された啓示を含む返事を送った。教義と聖約97章に記録されている啓示で,主はミズーリ州に神殿を「速やかに」建設するようミズーリ州の聖徒たちに命じられ(教義と聖約97:11),そうすることによって彼らが得る祝福について説明された。主は,聖徒たちが主の戒めに従わない場合に彼らが経験する「ひどい苦難」についても警告された(教義と聖約97:26)。

注:2013年版の聖典では,教義と聖約94章に記録されている啓示が与えられた日付が訂正されています。このレッスンでは,教義と聖約に掲載されている順序ではなく,啓示を受けた順序で(95,96,97, 94)第94-97章の話し合いを進めます。

1832年12月27-28日主は,神殿を建てるようオハイオ州カートランドの聖徒に命じられた。

1833年4月10日教会は,ピーター・フレンチからカートランドの103エーカーの土地を購入した。

1833年6月1日教義と聖約95章が与えられた。

1833年6月4日教義と聖約96章が与えられた。

1833年7月20日ミズーリ州インディペンデンスの暴徒が印刷所を破壊し,エドワード・パートリッジビショップとチャールズ・アレンにコールタールを塗って羽毛を付けた。

1833年7月23日暴徒による襲撃の危険にさらされたミズーリ州の教会指導者たちは,モルモン教徒全員が1834年4月1日までにジャクソン郡から立ち退くという合意書に署名した。

1833年8月2日教義と聖約97章と94章が与えられた。

1833年8月6日教会の大管長会は,ミズーリ州の教会指導者たちに手紙を書き,それに教義と聖約94;97-98に記録されている啓示を同封した。

教えるための提案

教義と聖約95:1-17

主,神殿の建設を遅れさせたことについて聖徒を懲らしめられる

生徒たちに,だれかが彼らを正そうとしたときのことを考えてもらいます。

  • ほかの人があなたを正そうとするとき,あなたはそれにどのように応じますか。

  • わたしたちの生活の中で正されることを求めるべき理由には何がありますか。

教義と聖約95章を研究するときは,神から正されることを求めるべき理由を理解するために役立つ原則を探すよう生徒たちに勧めます。

ホワイトボードに1832年12月27-28日と書きます。これらの日に,主が「神の家」(教義と聖約88:119),つまり神殿を立てるよう聖徒たちに命じられた啓示を預言者ジョセフ・スミスが受けたことを,生徒たちに思い出してもらいます。

生徒たちに,教義と聖約95章の前書きを黙読しながら,教義と聖約95章に記録された啓示が与えられた日付を探してもらいます。生徒たちに,これら二つの啓示はおよそどのくらいの期間をおいて与えられたかを計算してもらいます。この間,教会指導者たちが神殿用の土地を購入し,神殿建設委員会を組織したことを説明します。しかし聖徒は,1833年6月1日になっても建設をまだ開始していませんでした。

一人の生徒に,教義と聖約95:1-3を声に出して読んでもらいます。ほかの生徒には,一緒に黙読しながら,聖徒が神殿の建設を遅らせたことについて主が言われたことを探してもらいます。

  • 2節によると,主は,聖徒が神殿の建設を遅らせたために,何が起こる必要があると言われましたか。(生徒たちが答えた後,懲らしめるという言葉は,罰する,または正すという意味であることを説明します。)

  • 主が愛する人々を懲らしめられる理由について,1節からどのような教義を見いだすことができますか。(生徒が次の教義を見いだせるよう助けます:主は,愛する人々の罪が赦されるように,彼らを懲らしめられる。

  • 主の懲らしめは,主のわたしたちへの愛をどのように示していると思いますか。

主がわたしたちを懲らしめられるとき,わたしたちはそのいさめを受け入れるか拒絶するかを選択できると指摘します。悔い改めによってそのいさめを受け入れることを選択する場合,主はわたしたちを赦してくださり,「すべてのことにおいて……救い出される」道を備えてくださると証します(教義と聖約95:1)。

一人の生徒に,教義と聖約95:4-9を声に出して読んでもらいます。ほかの生徒には,一緒に黙読しながら,主がカートランドに神殿を建設するよう聖徒に命じられた理由を探してもらいます。

  • 主が神殿を建設するよう聖徒に命じられた理由には何がありますか。(生徒たちが答えた後,次の教義をホワイトボードに書きます:主は神殿で,主の業を行うように主の僕を備えられ,彼らに力を授けられる。

授けるとは,だれかに贈り物を提供するという意味であることを説明します。これらの節で,主は聖徒に,主が神殿で彼らに霊的な力を授ける(または霊的な力の賜物を与える)と約束されました。今日のふさわしい聖徒はすべて,主の聖なる神殿で主と聖約を交わすとき,同じ約束を受けることができます。

神殿で受けることができる霊的な力の授与を生徒がより良く理解できるように,一人の生徒に十二使徒定員会のM・ラッセル・バラード長老の次の言葉を声に出して読んでもらいます。

〔M・ラッセル・バラード長老の画像〕

「男性と女性は神殿に参入するとき,彼らはともに同じ力によってエンダウメントを受けます。 ……

…… 主と神聖な聖約を交わし,それらの聖約を尊ぶ人は皆,個人の啓示と天使の働きの祝福を受け,神と親しく交わり,完全な福音を受け,そして最終的には,イエス・キリストとともに御父の持っておられるすべての相続人となることができます。」(「男性と女性と神権の力」『リアホナ』2014年9月号,36)

カートランド神殿の建設は,聖徒たちにとって非常に大きな務めであったことを説明します。1833年の初め,オハイオ州の教会の会員数は比較的少なく,そのほとんどは非常に貧しい状況にありました。

一人の生徒に,教義と聖約95:11-12を声に出して読んでもらいます。ほかの生徒には,一緒に黙読しながら,主は御自分の戒めを聖徒が守るのであれば何を約束すると言われたかを探してもらいます。さらに,見つけた事柄を発表してもらいます。

  • 11節から,どのような原則を学ぶことができますか。(生徒たちが次のような原則を見いだせるようにしてください:戒めを守るならば,主がわたしたちに行うよう命じられた事柄を行うための力を得る。

  • あなたが直面する可能性がある状況で,この原則が当てはまる状況にはどのようなものがありますか。

  • 戒めを守ったことから,困難な事柄を行うために主の助けを受けたと感じたことはありますか。

教義と聖約95:13-17の要約として,主がカートランド神殿の特定の部屋の寸法と機能に関する指示を与えにられたことを説明します。

一人の生徒に,教義と聖約95:14を声に出して読んでもらいます。ほかの生徒には,一緒に黙読しながら,神殿を建設するための力を聖徒に与えるという約束を主が果たされる一つの方法を探してもらいます。さらに,見つけた事柄を発表してもらいます。(任命された3人とは,大神権の大管長会であったジョセフ・スミス,シドニー・リグドン,およびフレデリック・G・ウィリアムズであったことを指摘してもよいでしょう。)

この約束がどのように果たされたかを生徒が知ることができるように,一人に次の文章を声に出して読んでもらいます。

ジョセフ・スミス,シドニー・リグドン,およびフレデリック・G・ウィリアムズはともに祈り,示現で神殿を見ました。フレデリック・G・ウィリアムズは後日,外装を詳細に渡って観察した後,「建物にすっかり覆われて」,実際に神殿の中にいるかのように,建物の内装を見たと回想しました(『歴代大管長の教え―ジョセフ・スミス』 271)。

教義と聖約96:1-9

教会が保有するすべての土地を監督するためにビショップが任命される

1833年4月10日,教会指導者たちがオハイオ州カートランドのピーター・フレンチの農場を購入したことを生徒に伝えます。1833年6月4日の大祭司の大会で,評議会はこの土地の使用と管理方法について同意することができませんでした。評議会の会員は,主に尋ねることに合意し,その結果,ジョセフ・スミスが教義と聖約96章に記録された啓示を受けました。主はこの啓示で,農場を管理するようにニューエル・K・ホイットニービショップを召され,神殿がその土地の一部に建てられるべきだと宣言して,ジョン・ジョンソンを共同商会の会員として任命されました。

教義と聖約97:1-28

主,ミズーリ州の聖徒が神殿を建てるという御心を強調される

可能な場合は,生徒たちが住む場所から遠く離れた場所にある神殿の写真を見せます。

  • 主のふさわしい子供たち全員が神殿を利用できることを主が望んでおられるのはなぜだと思いますか。

生徒に,主はオハイオ州カートランドに神殿を建てるだけでなく,シオン,つまりミズーリ州インディペンデンスにも建てることを聖徒に望まれたと伝えます。教義と聖約97章を研究するときは,神殿を建て,そこで主を礼拝するように主が人々に命じられる理由をより良く理解するために役立つ教義を探すよう生徒に勧めます。

一人の生徒に教義と聖約97章の前書きを声に出して読んでもらい,ほかの生徒には,この啓示がいつ与えられたかと,直前にミズーリ州で起きた重大な出来事に注意してもらいます。

  • この啓示が与えられる2週間足らず前に,聖徒に何が起こりましたか。(この啓示が与えられたとき,ジャクソン郡から聖徒たちを立ち去らせるための強制的な合意の知らせは,預言者ジョセフ・スミスに届いていなかったことを生徒に伝えます。)

教義と聖約97:1-9の要約として,聖徒が主の以前の指示どおり,シオンに長老の塾を組織したことについて(教義と聖約88章参照),主は喜んでおられると彼らに話されたと説明します。主は,塾を管理したパーリー・P・プラットについても喜ばれました。

教義と聖約97:10-14にある主の指示の内容を生徒が理解できるように,以前預言者とその顧問たちがミズーリ州の聖徒に,ミズーリ州インディペンデンスの神殿の建設を直ちに開始するよう指示する手紙を送ったと説明します。手紙には,神殿の内装をどのようなものにするべきかを詳しく説明する指示と図面も同封されていました。

一人の生徒に,教義と聖約97:10-14を声に出して読んでもらいます。ほかの生徒には,一緒に黙読しながら,シオンに神殿を建設することを主が聖徒に求められた理由を探してもらいます。

  • シオンに神殿を建設するよう主が聖徒に命じられた理由にはどのようなものがありますか。

数人の生徒に,教義と聖約97:15-21を順番に声に出して読んでもらいます。ほかの生徒には,一緒に黙読しながら,聖徒たちが神殿を建設するのであれば主はどのような祝福を与えると約束されたかを探してもらいます。

  • 主は,聖徒が神殿を建設するのであればどのような祝福を与えると約束されましたか。

  • 「心の清い者」になるとは(16節,21節)何を意味すると思いますか。

  • 心の清い者が神殿で経験する事柄について,16節からどのような教義を学ぶことができますか。(生徒は次のような教義を見いだせるでしょう:神殿では,神が心の清い者たちに御自身を現される。

  • 神が神殿で御自身を現される方法にはどのようなものがありますか。

  • ふさわしい状態で神殿に参入したとき,どのように祝福されましたか。

教義と聖約97:22-28の要約として,主が聖徒に対し,彼らが主の言葉に従うならば,邪悪な者を罰し,シオンを免れさせて祝福されると言われたと説明します。しかし,彼らが神の命じられた事柄を行わない場合,教会員は「ひどい苦難」を経験することになります(26節)。

教義と聖約94:1-17

主,教会堂の建設に対する指示を与えられ,神殿を建設する必要性を改めて断言される

教義と聖約94章の要約として,主は聖徒に,御自身が与えられた「型に従って」カートランドの町を区画するように指示されたと説明します。聖徒に神殿を建設するように命じられるとともに,主は彼らに教会の大管長会のための家と,印刷所を建設することも指示されました。

主の宮で受けることができる力と祝福について証します。主が約束されたすばらしい祝福を受けることができるように,自分自身を清めるために何ができるかについて祈りをもって考え,定期的に神殿に参入するよう生徒に勧めます。