インスティテュート
第7課:教義と聖約第4章;第11-12章;第14-16章


第7課

教義と聖約第4章第11-12章第14-16章

紹介とタイムライン

1829年初頭,ジョセフ・スミス・シニアはペンシルベニア州ハーモニーにいる息子ジョセフを訪問した。その地に滞在中,ジョセフ・スミス・シニアは,主の業を助けるために自分に何ができるかを知りたいと望んだ。預言者は主に尋ね,教義と聖約第4章に記録されている啓示を受けた。主はこの啓示で,人を御自分の業を助けるのにふさわしい人物とする特質を明らかにされた。

1829年5月,預言者の兄ハイラムは,ジョセフを訪ねるためにペンシルベニア州ハーモニーに赴いた。ハイラムの求めに応じて,預言者はハイラムに関する主の御心を明らかにしてくださるよう主に尋ね求めた。教義と聖約第11章に記録されている啓示において,主はハイラムに,シオンを確立するために彼がなすべきことを告げられた。

ジョセフ・ナイト・シニアも1829年5月に預言者ジョセフ・スミスを訪問し,神の業を助けたいと申し出た。教義と聖約第12章には,彼に向けた主の勧告が記されている。

ジョセフ・スミスとオリバー・カウドリがニューヨーク州フェイエットのピーター・ホイットマー・シニアの家に移り,モルモン書の翻訳を再開した後,預言者はピーター・ホイットマー・シニアの3人の息子であるデビッド,ジョン,およびピーター・ホイットマー・ジュニアに向けた啓示を受けた(教義と聖約14-16章参照)。教義と聖約第14-16章に記録されているこれらの啓示において,主は人々を主のもとに導くために悔い改めを宣言することの重要さを強調された。

1829年1月ジョセフ・スミス・シニアがペンシルベニア州ハーモニーのジョセフとエマ・スミスを訪問した。

1829年2月教義と聖約第4章が与えられた。

1829年5月ジョセフとエマ・スミスはハイラム・スミスとジョセフ・ナイト・シニアの訪問を受けた。

1829年5月教義と聖約第11-12章が与えられた。

1829年6月1日ごろジョセフとオリバーは,モルモン書の翻訳を継続するためにニューヨーク州フェイエットに移り住んだ。

1829年6月教義と聖約第14-16章が与えられた。

1829年6月下旬三人の証人と八人の証人が金版を目にした。

教えるためのアイデア

教義と聖約第4章

主はその御業を助けるのにふさわしい者の特質をジョセフ・スミス・シニアに明らかにされる

クラスが始まる前に,次の質問をホワイトボードに書いておきます:

主の業を助けるために,主があなたに行うよう望んでおられる事柄を,どのようにして知ることができますか。

この質問について,レッスンの間常に深く考え,自分がどのように主の業を助けることができるかを知るのに役立つ教義と原則を探すように勧めます。

1829年1月,ジョセフ・スミス・シニアは息子のジョセフ・スミスとその妻エマを訪問するために,ニューヨーク州パルマイラからペンシルベニア州ハーモニーに赴いたことを説明します。そこに滞在していたとき,ジョセフ・スミス・シニアは自分がどのように主の業を助けることができるか尋ねました。その答として,預言者は教義と聖約第4章に記録されている啓示を受けました。

一人の生徒に教義と聖約4:1を声に出して読んでもらいます。クラスのほかの生徒には,その箇所を一緒に目で追いながら,福音の回復を言い表すために主が用いられた言葉を探してもらいます。

  • あなたにとって,回復された福音の驚くべき側面とは何ですか。

一人の生徒に2-4節を声に出して読んでもらいます。クラスのほかの生徒には,その箇所を一緒に目で追いながら,主の業を助けるために主が必要だと言われた事柄を探してもらいます。

  • 主の業を助けるには何が必要ですか。

  • 2節によると,主は,心と,勢力と,思いと,力を尽くして主に仕える人に何を約束されましたか(生徒が次のような原則を見いだすようにしてください:心と,勢力と,思いと,力を尽くして神に仕えるならば,わたしたちは終わりの日に神の前に罪のない状態で立つことができる2節のこの原則に印をつけるよう生徒に提案するとよいでしょう)。

  • 心と,勢力と,思いと,力を尽くして神に仕えるとは,どのような意味だと思いますか(総力を挙げて主に献身し,福音を生活の中心とする)。

  • 「神の前に罪のない状態で立〔つ〕」(2節)とは,どのような意味だと思いますか。

生徒たちに,5-7節を黙読しながら,主の業を助けるのにふさわしい特質を探してもらいます。数人の生徒に見つけた特質を発表してもらいます。生徒たちが発表している間に,それらの特質をホワイトボードに書き出します。

  • これらの特質を養うことは,わたしたちが主の業を助けるうえでどのように役立ちますか。

一人の生徒に7節を声に出して読んでもらいます。クラスのほかの生徒には,その箇所を一緒に目で追いながら,求め,たたく者に対する主の約束を探してもらいます。

  • 主は,求め,たたく者に対して何を約束されましたか。

  • これらの約束は,わたしたちがこの啓示で述べられている特質を得るよう努めることとどのように関連するでしょうか。

生徒に,自分はどの特質をさらに完全に養うことができるかを深く考えるように励まします。これらの特質を養い,強めるために,天の御父に助けを求めるよう生徒に勧めます。

教義と聖約第11章

主はハイラム・スミスに,その御業を助けるためになすべき事柄を明らかにされる

1829年5月,預言者の兄ハイラムもまた,ジョセフを訪ねるためにペンシルベニア州ハーモニーに赴いたことを説明します。この時期,ジョセフとオリバー・カウドリはモルモン書の翻訳に携わっていました。ハイラムの求めに応じて,預言者は主に,兄に関する御心を明らかにしてくださるよう尋ね求めました。その後,預言者は教義と聖約第11章に記録されている啓示を受けました。

クラスを3つのグループに分け,各グループに次の参照聖句を割り当てます:教義と聖約11:6-911:10-1411:15-19。次の質問をホワイトボードに書きます(各質問の下に,生徒の答を書くスペースを残しておいてください)。

主はハイラムに,奉仕に備える助けとして何をするよう勧告されましたか。

主は,ハイラムが主の勧告を心に留めるなら,どのような特定の祝福を彼に約束されましたか。

生徒たちに,割り当てられた節を黙読しながら,これらの質問の答を見つけてもらいます。十分な時間を取った後,各グループの生徒に見つけた事柄を発表してもらいます。各質問の下に生徒の答をそれぞれ書きます。

  • ハイラムに対する主の言葉の中で,どのような勧告が繰り返されていることに気づきましたか。

一人の生徒に教義と聖約11:20-22を読んでもらいます。クラスのほかの生徒には,その箇所を一緒に目で追いながら,主がハイラムに何をするよう再度勧告されたかを見つけてもらいます。

  • 20-22節にあるハイラムに対する主の勧告に基づくと,福音の真実性に対する証を得ることができるよう人々を助けるために御霊と力を受けるには,何をしなくてはなりませんか(生徒が次のような原則を見いだすようにしてください:戒めを守り,神の言葉を得るならば,福音の真実性に対する証を得られるよう人々を助けるために,わたしたちは御霊と力を受ける。この原則をホワイトボードに書くとよいでしょう)。

  • 主がハイラムに,その御業を助けるために備える方法をお教えになっていたとき,戒めを守ることの大切さを強調されたのはなぜだと思いますか。

  • 神の言葉を得ることのできる方法にはどのようなものがありますか。

  • 聖文を研究することと御霊を受けることにはどのような関連性がありますか。

生徒に,神の言葉を得て,福音の真実性に対する証を得られるようだれかを助けるために,御霊と力を祝福されたときのことについて考えてもらいます。数人の生徒に,自分の経験についてクラスで話してもらいます。生徒に,神の言葉をさらによく得るために行おうと思う事柄をまとめた目標を立てるように励まします。

教義と聖約第12章

ジョセフ・ナイト・シニアは主の業を助けるために必要な事柄を教えられる

モルモン書を翻訳している間,ジョセフ・スミスには翻訳を続けるために必要な金銭や物資がないことが時折あったことを説明します。生徒たちに,教義と聖約第12章の見出しを黙読しながら,困難なときに預言者を助けたのはだれだったかを探してもらいます。一人の生徒に見つけた事柄を発表してもらいます。

1829年5月にハイラムがジョセフ・スミスを訪問した後しばらくして,ジョセフ・ナイト・シニアは預言者を訪問し,御業を助けるためにもっとほかにできることはないか知りたいと切望したことを説明します。

教義と聖約12:1-5のまとめとして,主がジョセフ・ナイトに,驚くべき業がまさに現れようとしていると言われたことを説明します。また,主はジョセフ・ナイトに,主に熱心に仕える人は救いを受けるとも言われました。

一人の生徒に教義と聖約12:6-9を声に出して読んでもらいます。クラスのほかの生徒には,その箇所を一緒に目で追いながら,主の業を助けるためにわたしたちが養わなければならない特質を探してもらいます。生徒に見つけた事柄を発表してもらいます(8節自制するという言葉は,節度がある,または自分を抑制するといった意味であることを説明すると助けになるかもしれません)。

  • 8節に挙げられている特質を養うことが,主の業を助けるために必要とされるのはなぜだと思いますか。

生徒に,クラスが始まる前にあなたがホワイトボードに書いておいた質問に注目してもらい,主の業をさらによく助けるために自分にできる事柄について考えてもらいます。受ける促しのすべてに従うよう生徒に勧めます。

教義と聖約第14-16章

主はデビッド・ホイットマー,ジョン・ホイットマー,およびピーター・ホイットマー・ジュニアに御心を明かされる

生徒に,この人生で実行できる最も価値があると思う事柄を紙に書き出してもらいます。

教義と聖約第14-16章を研究するに当たり,神がわたしたちにとって最も価値があるとお考えになる事柄を知るために役立つ真理を探すよう生徒に勧めます。

生徒に,『聖句ガイド』の「教会歴史の年表」にある地図3「アメリカ合衆国のニューヨーク,ペンシルベニア,オハイオ地域」を開いて,ニューヨーク州フェイエットを見つけてもらいます。ペンシルベニア州ハーモニーにおいて迫害が増大しつつあったため,オリバー・カウドリはニューヨーク州フェイエットに住む友人,デビッド・ホイットマーに手紙を書き,モルモン書の翻訳を完成させるために,自分とジョセフがホイットマー家に滞在できないかと尋ねたことを説明します。1829年6月上旬ごろ,ジョセフ・スミスとオリバー・カウドリはピーター・ホイットマー・シニアの家に移り住みました。

一人の生徒に教義と聖約第14章の見出しを声に出して読んでもらいます。クラスのほかの生徒には,その箇所を一緒に目で追いながら,教義と聖約第14-16章に記されている啓示をもたらすきっかけとなった事柄を探してもらいます。

  • ホイットマー家の3人兄弟は,何を気にかけていましたか。

教義と聖約14:1-6のまとめとして,主がデビッド・ホイットマーに,驚くべき業がまさに現れようとしており,主に熱心に仕える人は救いを得ると言われたことを説明します。

生徒たちに,教義と聖約14:7-11を黙読しながら,主がデビッド・ホイットマーに行うよう命じられた事柄と,その報いとして主が約束された祝福を探してもらいます。

  • 主はデビッドに何をするよう命じられましたか。その報いとしてどのような祝福を約束されましたか。

  • 7節によると,戒めを守り,最後まで耐え忍ぶことがそれほど大切なのはなぜでしょうか(生徒が次のような原則を見いだすようにしてください:神の戒めを守り,最後まで堪え忍ぶならば,わたしたちは永遠の命を得る。この原則を教えている7節の言葉に印をつけるよう生徒に提案するとよいでしょう)。

  • 最後まで堪え忍ぶとはどういう意味でしょうか。

  • あなたなら,永遠の命をどのように定義しますか(永遠の命とは,単に不死不滅,つまり永遠に生きるという意味ではありません。永遠の命とは,昇栄し,神のようになることです)。

  • 永遠の命が「神のあらゆる賜物の中で最も大いなるもの」であるのはなぜだと思いますか。

生徒たちに,どの戒めをさらによく守ることができ,永遠の命に向けて進歩する助けとなるかを各自で考えてもらいます。

生徒たちに,教義と聖約第15-16章に一とおり目を通し,これらの啓示の類似点を探してもらいます。一人の生徒に気づいた事柄を説明してもらいます。

一人の生徒に教義と聖約15:1-5(または16:1-5)を声に出して読んでもらいます。クラスのほかの生徒には,その箇所を一緒に目で追いながら,主がジョン・ホイットマー(およびピーター・ホイットマー・ジュニア)に言われた事柄を見つけてもらいます。

  • これらの節から,主について何を学びますか。ジョン(およびピーター・ホイットマー・ジュニア)については何を学びますか。

一人の生徒に教義と聖約15:6(または16:6)を声に出して読んでもらいます。クラスのほかの生徒には,その箇所を一緒に目で追いながら,主が彼らにとって何が最も価値のあることだと言われたかを探してもらいます。

  • 主がジョンとピーター・ホイットマー・ジュニアに言われた事柄に基づくと,わたしたちにできる最も価値のあることの一つは何ですか(生徒が次のような原則を見いだすようにしてください:わたしたちにできる最も価値のあることの一つは,人々をイエス・キリストのもとに導く助けをすることである)。

  • 人々をイエス・キリストのもとに導くとはどういう意味でしょうか。

  • わたしたち自身とほかの人々がイエス・キリストに近づくのを助けることのできる方法にはどのようなものがありますか。人々をキリストに導くことが,わたしたちにできる最も価値あることの一つであるのはなぜですか。

このレッスンで見いだした真理について証を述べて,レッスンを終えます。