第15課
教義と聖約37-38章;41章
紹介とタイムライン
1830年12月下旬,預言者ジョセフ・スミスは引き続き聖書の霊感訳に取り組んでいた。この間にジョセフは教義と聖約37章に記録されている啓示を受けた。この啓示で,主は預言者に,一時的に聖書の翻訳をわきに置き,福音を宣べ伝え,教会を強めるように命じられた。聖徒にオハイオに集まるようにも命じられた。
1831年1月2日に開かれた教会の大会で,ジョセフ・スミスは,聖徒はオハイオに集まるようにという主の戒めを発表した。多くの聖徒がこの戒めについてさらに知りたいと願ったため,預言者はこの大会中に主に尋ねた。ジョセフは,会衆の前で教義と聖約38章に記録されている啓示を受けた。この啓示で,主は,聖徒にオハイオに集まるよう命じる理由を明らかにし,そうすることで得られる約束された祝福について説明された。
聖徒の大部分はその戒めを受け入れ,オハイオに移住する準備を始めた。1831年1月の終わり近くに,預言者ジョセフ,妻エマ,ほかの人たちがニューヨークからオハイオまでそりで移動し,2月上旬にカートランドに到着した。2月4日,ジョセフは教義と聖約41章に記録された啓示を受けた。その中で,主は,預言者とほかの教会指導者に,主の律法を授かるために祈るよう指示された。さらに,主はエドワード・パートリッジを教会の最初のビショップに召された。
教えるための提案
教義と聖約37章
主は御自身の教会にオハイオに集合するよう命じられる
生徒に,従いやすいと感じる戒めを幾つか考えてもらいます。その後,従いにくいと感じる戒めについてよく考えてもらいます。
生徒に,教義と聖約37-38章を研究するとき,神の戒めに従うことが難しいときであっても,従う強さを見いだす助けとなる真理を見つけてもらいます。
シドニー・リグドンは1830年12月初旬に預言者と会った後フェイエットにとどまり,主の指示に従って,ジョセフ・スミスの親友となり,ジョセフが聖書の翻訳に取り組むときに筆記者となったことを説明します。その月の下旬に,主はジョセフ・スミスに教義と聖約37章に含まれている啓示を与えられました。
一人の生徒に教義と聖約37:1-4を声に出して読んでもらい,ほかの生徒には,主が預言者ジョセフ・スミスに行うよう指示されたことを見つけてもらいます。
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ジョセフは何を行うよう指示されましたか。
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主が特にコールズビルで聖徒を強めるようジョセフに言われたのはなぜだと思いますか(必要ならば,コールズビルの聖徒への迫害が強まっていたことを生徒に思い出してもらいます)。
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3節で,主は聖徒にどのような戒めを与えておられますか。
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聖徒は,約480キロを移動するようにという主の命令に,はっきりとした理由を知らないまま,どのように応じましたか。
教義と聖約38:1-22
主は御自分が全知であると宣言し,聖徒の中にいることを断言される
1831年1月2日,ジョセフ・スミスが教義と聖約37章に記録されている啓示を受けた直後,教会の第3回大会のために,ニューヨーク州フェイエットに聖徒が集まったことを説明します。この大会では,教会員と指導者が,オハイオに集まるようにという主の戒めについて話し合いました。何人かの教会員が大会中にその戒めに対する懸念を表しました。
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聖徒の一部が抱えていたと思われる懸念とはどのようなものだと思いますか。
大会に出席していた人々がオハイオに集まるようにというこの戒めを懸念し,さらに知りたいと願ったため,ジョセフ・スミスは主に尋ねました。聖徒の前で,ジョセフは教義と聖約38章に記録されている啓示を受けました。
数人の生徒に,教義と聖約38:1-7を交代で声に出して読んでもらいます。ほかの生徒には,聞きながら,主に対する,またオハイオに集まるようにという主の戒めに対する,聖徒の信仰と信頼を強めるために,主が聖徒に語られたことを見つけてもらいます。見つけたことを生徒に発表してもらいます。
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主に対するわたしたちの信頼と信仰を強めさせるために,2節および7節で主は御自身についてどのようなことを明らかにされましたか(生徒が答えたら,次の教義をホワイトボードに書きます:イエス・キリストはすべてのことを御存じで,すべてのことを見ておられるので,わたしたちは主に信仰を持ち信頼することができる)。
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この教義は,移住するという困難な命令に聖徒が応じるうえでどのように助けとなりましたか。
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主がわたしたちに何か困難なことをお求めになるとき,この教義はどのように助けとなるでしょうか。
4節の「わたしは自分の懐にエノクのシオンを受け入れた者である」という言葉を指摘し,この啓示を受ける前に,ジョセフ・スミスは聖書の霊感訳に取り組んでおり,現在の高価な真珠の中のモーセ6-7章に当たる部分を記録していたことを説明します。これらの章には,預言者エノクとその民の話が述べられています。民の義と一致のために,主はこの民をシオンと呼ばれました。主はジョセフ・スミスの時代の聖徒を,シオンを築くために備えたとき,古代のエノクとシオンの民についてお教えになりました。一致,義,貧しい人の世話をするという,聖徒がモーセ7章のエノクの民の話から学んだ原則は,末日のシオンを建設するに当たり基となる原則として,38章で主が繰り返し述べられました。
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主はなぜ,エノクとその民の例を使って,ニューヨークの聖徒が主に対する信仰と信頼を抱くのを助けられたのだと思いますか。
教義と聖約38:8-12で,主は聖徒に地上の闇の力について警告されたことを説明します。その後,主は,ニューヨークの聖徒が直面していた危険に関する特別な警告をお与えになりました。一人の生徒に,教義と聖約38:13-16を声に出して読んでもらいます。ほかの生徒には,聞きながら,聖徒が危険にさらされていることについて主が言われたことを見つけてもらいます。
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13節によれば,主は聖徒に敵の意図についてどのようなことをお教えになりましたか。
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13節の主の警告は,わたしたちが主に対する信仰と信頼を抱くことができる理由をどのように示していますか。
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16節によれば,主はなぜ聖徒にオハイオに移るようにという戒めを与えられたのでしょうか。
主はすべてのことを御存じなので,わたしたちに危険を警告し,わたしたちの救いのために戒めを与えられることを証します。
教義と聖約38:17-22で,救い主は,御自分が地球を造り,御自分の民を祝福して繁栄させたいと願っていることを聖徒に述べられたと説明します。
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主のこのような約束は,家や農場を残してオハイオに移ることへの聖徒の懸念をどのように和らげる助けとなったでしょうか。
教義と聖約38:23-42
主は聖徒に一つとなるよう命じ,オハイオに集まるように命じた理由を説明される
敵の意図について聖徒に話すことに加えて,主はまた,御自分の民として聖徒に求めることを教えられたと説明します。生徒に,教義と聖約38:24-27を黙読し,主が聖徒に求められたことを見つけるように言います。
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主はなぜ,自分を尊ぶようにほかの人々を尊ぶように命じておられるのだと思いますか。
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26-27節の主のたとえと説明から,どのような原則を学ぶことができますか(生徒が答えた後,次の原則をホワイトボードに書きます:一つでなければ主の民でいることはできない)。
「一つとなる」とはどういう意味かを生徒が理解する助けとなるよう,モーセ7:18に記されたシオンの民についての主の説明を黙読してもらいます。
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この節によれば,一つとなるとはどういう意味ですか。
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聖徒がオハイオに移ったとき,この原則はどのような助けとなったでしょうか。
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あなたの家族や教会で,この原則に従って生活することからどのような祝福がもたらされるのを見たことがありますか。
生徒に,教義と聖約38:28-33を黙読してもらい,主が聖徒にオハイオに集まるよう命じられた理由を見つけてもらいます。
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これらの節によれば,主が聖徒にオハイオに集まるよう命じられた理由にはどのようなものがありますか。
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これらの聖句から,主が御自分の民を集められる理由についてどのような真理を学べるでしょうか(生徒が次のような真理を見いだすようにします:主は,御自分の民を守り,霊的に強めるために,御自分の民を集められる)。
ある特定の時期に,主は御自分の民に物理的に一つの場所に集まるよう命じておられたことを説明します。現代では,主はわたしたちが住んでいる場所のワード,ステーク,神殿に霊的に集まるように命じておられます。
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ワード,ステーク,神殿に集まることで,わたしたちはどのように守られ強められるでしょうか。
教義と聖約38:34-42で,主は,オハイオに移住しようと努める聖徒を助けるために戒めと勧告を与えられたことを説明します。一人の生徒に,教義と聖約38:37,39を声に出して読んでもらい,ほかの生徒には,主の勧告と約束を見つけてもらいます。
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主は聖徒に何をするように勧告されましたか。また,主は何を約束されましたか。
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これらの約束は,移住するよう求められた聖徒にどのような変化を生んだと思いますか。
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これらの約束は,主の戒めに従いたいというあなたの願いをどのように強くするでしょうか。
オハイオに集まることに対して聖徒に祝福が約束されたのと同じように,わたしたちが主の命じられたことを行うときもたらされる祝福について証します。
生徒に,守るのが難しい戒めについて再度考えてもらいます。
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教義と聖約37-38章で学んだ真理は,それらの戒めを守る強さを得るのにどのような助けとなるでしょうか。
生徒に,戒めを守るのが難しいように思えるときでも,守ることを決意するように勧めます。
生徒に,教会の大会の後,主の御心を知るために聖徒は断食し祈ったことを伝えます。その戒めについて霊的な確認を受けた後,多くの聖徒がオハイオの聖徒とともに集まるために大きな犠牲を払いました。
教義と聖約41章
主は,まことの弟子は主の律法を守ると教えられる
1831年1月,ジョセフ・スミスと妊娠6か月だった妻エマは,ニューヨークからオハイオに移り,2月初めにカートランドに到着したことを説明します。預言者が到着したとき,「幾つかの奇妙な考えや偽りの霊が会員の間にひそかに入り込んでいましたが,彼らは分かる範囲で神の御心を行おうと努めていました。」(Joseph Smith, Manuscript History of the Church, vol. A-1, p. 93, josephsmithpapers.org)到着してすぐ,預言者は教義と聖約41章に記録されている啓示を受けました。
一人の生徒に,教義と聖約41:1-6を声に出して読んでもらい,ほかの生徒には,預言者がカートランドに到着したときに主が話されたことを見つけてもらいます。
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主は教会の長老に何をするよう命じられましたか。
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5節によれば,主はどのような人を弟子と見なされますか(生徒が次の教義を見いだすよう助けます:主の律法を受け入れて従う者は,イエス・キリストのまことの弟子である)。
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この真理は,偽りの霊や奇妙な宗教的概念に耳を傾けていたカートランドの聖徒をどのように助けたでしょうか。わたしたちをどのように助けるでしょうか。
教義と聖約41:7-12の要約として,この啓示の残りの部分で,主は聖徒に,ジョセフが住み翻訳するための家を建てることと,エドワード・パートリッジを教会の最初のビショップに召すよう言われたと説明します。
今日教えた真理について証を述べて,レッスンを終わります。