「第7章:伝道地の言語を学ぶ」『わたしの福音を宣べ伝えなさい—イエス・キリストの福音を分かち合うためのガイド』
「第7章」『わたしの福音を宣べ伝えなさい』
第7章
伝道地の言語を学ぶ
自分自身を霊的に備える
主は次のように宣言されました。「この力を有する職に聖任される者たちを通じて,すべての人が自分の言葉と自分の言語で完全な福音を聞くであろう。」(教義と聖約90:11)
伝道地の言語で教え,証するときに主が助けてくださるという信仰を強めるには,次のような方法があります:
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自分が預言者によって神から召されていることを信じる。
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心からの祈りを通して神の助けを願い求める。
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毎日伝道地の言語を学習し,練習し,使いながら熱心に働く。
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戒めを守り,宣教師の標準に従って生活することにより,聖霊を伴侶とするにふさわしくなる。
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神を愛し,神の子供たちを愛し,彼らに祝福をもたらしたいと望むことによって,動機を清いものにする。
自分をささげ,熱心に取り組む
伝道地の言語を使って効果的に教えられるようになるには,熱心な努力と御霊の賜物が求められます。難しく感じられても驚くことはありません。それには時間がかかります。自分自身に忍耐強くありましょう。ひたむきに言語を学ぶうちに,宣教師としての目的を果たすのに必要なスキルを習得することができます。
あなたは伝道地の言語を学ぶうえで,独りではありません。天の御父とイエス・キリストの助けを求めるとき,御二方はあなたを助けてくださいます。同僚や会員たち,あなたが教えている人々,ほかの宣教師たちやそのほかの人々に助けを求め,進んで助けを受け入れましょう。
あらゆる機会を捉えて伝道地の言語に耳を傾け,話してください。間違うことを恐れてはいけません。新しい言語を学ぶ人はだれでも間違います。人々は理解してくれますし,自分たちの言語を学ぼうと努力しているあなたを評価してくれます。
伝道を終えるまで,言語スキルの上達に努めてください。話す能力が向上すると,あなたの話し方よりも,話す内容に関心を向けてもらえるようになります。考えていることをどのように伝えればよいか悩むことが少なくなり,人々の必要によりよくこたえることができるでしょう。
「新しい言語を学ぶすべての宣教師が,可能なあらゆる手段を使ってその言語に磨きをかけるようわたしたちは願っています。……言語力が向上すると,福音を〔教え〕,証する能力が高まります。〔教えている人々〕からいっそう好意的に受け入れられ,彼らに霊的な感動を与えることができるようになります。……
いわゆる伝道用の語彙を習得するだけで満足しないでください。言語を習得するために大いに努力してください。そうすれば,人々の心に触れる力がいっそう強められるのです。」(Jeffrey R. Holland, missionary satellite broadcast, Aug. 1998)
自国に帰ってからも伝道地で学んだ言語を使い続けましょう。主はあなたに多くの祝福を注いでこられました。あなたの人生において,主が将来あなたの言語能力を用いられるかもしれません。
英語を学ぶ
あなたが英語を話さない場合には,宣教師として英語を学ぶ必要があります。それは伝道中と生涯を通じてあなたの祝福となります。英語を学ぶことで,あなたの家族も祝福を受けるでしょう。
英語学習のためのさらなる助けについては,『宣教師用EnglishConnect』を参照してください。
言語学習の原則
責任を持つ
言語能力を高めるための目標を設定し,定期的に調整しましょう。言語学習の計画を作成してください。あらゆる機会を捉えて伝道地の言語を使いましょう。
学習を有意義なものとする
学習している事柄を実際の場面や日々の活動で応用してください。伝えたいことを表現するうえで役立つ言葉に集中しましょう。
コミュニケーションを図る努力をする
同僚との会話をできるだけ伝道地の言語で行いましょう。あらゆる機会を利用して学び,練習してください。例えば,教会に再び集うようになった会員やあなたが教えている人に,言語を学ぶのを助けてくれるよう頼むとよいかもしれません。その言語を母国語とする人々と話すこと以上に優れた方法はありません。
比較しない
あなたの言語スキルを,同僚やほかの宣教師たちのスキルと比較しないでください。だれかと比べることは,高慢か落胆のいずれかをもたらします。
新しい概念を十分に把握する
学習内容を定期的に復習し,それを新たな場面で練習してください。学んでいる事柄を思い出し,実際の場で生かすことができるでしょう。
言語学習の計画を作成する
新任の宣教師であれ,経験を積んだ宣教師であれ,言語学習の計画を立てることは助けとなります。伝道地の言語で話す能力を向上させるうえで,それぞれの日にできることが明確になるのです。計画に当たっては,言語学習の時間に行うことと,一日を通じて行うことを決めます。
以下のステップは,第8章の目標設定のプロセスを用いて,言語学習の計画を立てる方法を示しています。必要に応じて,このプロセスを調整してください。
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祈りをもって目標を設定し,計画を立てる。コミュニケーションを図り,福音を教える全般的な能力を向上させるための毎週および毎日の目標を設定します。単語やフレーズ,聖句,文章など,暗記したいものを含めるようにします。
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書き留め,スケジュールに入れる。どの言語ツールが目標の達成に役立つかを判断します。言語ツールには,聖文,辞書,文法書,TALL Embarkアプリなどが含まれます。伝道地の言語を正式に学び,使う時間をスケジュールに入れます。例えば,毎日昼食のときにモルモン書を15分間音読することをスケジュールに入れられるかもしれません。
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計画に基づいて行動する。主は努力を愛されます。目標を達成するために熱心に取り組みましょう。言語学習の時間を確保し,不都合が生じた場合はスケジュールを組み直します。
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見直し,フォローアップする。どのくらいの成果が上がっているかを評価するために,学習計画を見直してください。同僚,伝道部指導者,会員,地域のそのほかの人々にお願いして,どのように改善できるかを提案してもらいましょう。定期的に予定されている言語力の評価に参加して,進捗をグラフにし,改善する方法を見つけます。
言語学習において,言語の基礎を作るための長期的な目標と,特定の活動または現在教えている人々に対応するための短期的な目標のバランスを取りましょう。
正式な言語学習の時間に,以下の基本的な分野のバランスを取るように目標と計画を立てます。一日を通して何を学ぶかを決めてください。
リスニングスキル |
リーディングスキル |
文法 |
スピーキングスキル |
ライティングスキル |
語彙 |
同僚とともに学ぶ
伝道地の言語の学習や英語の学習において,同僚が成功を味わい,自信が持てるように助けてください。同僚やほかの宣教師の進歩を,心から,頻繁に褒めてください。
思いやりを持って,簡潔で役に立つフィードバックをしてください。同僚が上手に教えたり,証したりできるような機会をたくさん与えましょう。経験豊かな宣教師が同僚をどのように助けたかに注目しながら,以下の実話を読んでください。
2番目のエリアに着いて間もなく,招かれている夕食の席でわたしが霊的な話をすることになっている番だと同僚から告げられました。最初の同僚はいつも喜んで教えていたので,わたしはレッスンのごく一部を教え,あとは聞いているだけという形に慣れていました。
わたしは彼自身が霊的な話をした方がよいと同僚を説得しようとしましたが,同僚はわたしにこの割り当てを受け入れるよう勧めました。わたしは同僚の助けを借りて練習しました。
そして,その時がやって来ました。わたしは聖典を開いて,第三ニーファイ5章と7章から聖句を読みました。苦心しつつも,自分の選んだ聖句を大切に思っている理由を何とか説明しました。そして話を終えると,やっと解放されたつもりでいました。質問されると,同僚に答えてもらおうと思い,同僚を見ましたが,彼は口を開きませんでした。その後,自分でも驚きましたが,わたしは相手に理解可能なフランス語で答えていました。もっと驚いたことに,わたしが自分のコミュニケーション能力に自信がないことに,その会員は気づいていないようなのです。自分で考えていたよりもわたしのフランス語は理解してもらえるのだと知って,自信を持ちました。
それから数週間が過ぎました。同僚はずっとわたしに教えさせてくれました。たとえわたしが自分にはできないと思っているときでも,そして,同僚もきっと,わたしにできるのか不安に思っているようなときでさえもです。そして,自分は単なるおとなしい同僚ではなく,天の御父に使われる者となったのだと感じました。
文化と言語学習
文化と言語には密接な関係があります。人々の文化を理解することは,言語の使われ方を説明する助けとなります。また,回復のメッセージの独特な点を人々に分かりやすく伝える助けにもなります。
人々の信頼と愛を得るためにできる最もすばらしいことの一つは,適切な方法で相手の文化を尊重し,大切にすることです。多くの偉大な宣教師たちがそのようにしてきました(1コリント9:20-23参照)。
異言の賜物
御霊の賜物は現実のものです。異言の賜物と異言の解釈の賜物は様々な形で現れます。それには,言語を話し,理解し,解釈することが含まれます。今日,異言の賜物が最も頻繁に現れるのは,宣教師が伝道地の言語を学ぶのを助けるために,御霊によって言語の習得や学習が促進されるときです。
あなたとあなたの教える人々の間に言語の壁があったとしても,あなたの証が真実であることを聖霊が明らかにしてくださいます。同様に,聖霊はあなたが語句を思い出し,人々が心から語っている事柄を理解できるように助けてくださいます。
ほとんどの場合,努力なくしてこうした賜物を授かることはありません。あなたは人々に祝福をもたらすために,積極的にそれらの賜物を求める必要があります(教義と聖約46:8-9,26参照)。異言の賜物を求めるためには,言語を習得するために労力を費やし,自分にできるすべてを行わなければなりません。忍耐強くあり,祈りをもって言語を学び,練習しましょう。熱心に努力するときに御霊が助けてくれることを信じてください。異言の賜物があなたとあなたの教える人々を助けてくれるという信仰を持ってください。
望んでいるほどはっきりと自分の考えを表現できないときには,御霊は神の子供たちの心に語ることができるということを思い出してください。トーマス・S・モンソン大管長は次のように教えています。
「すべての宣教師に共通した言語があります。それは御霊の言葉です。それは学者の記した手引きから学べるものではありませんし,読んだり暗記したりすることから得られるものでもありません。御霊の言葉は,神を知ってその戒めに従いたいと心の底から願い求める人に与えられます。この言語に精通した人は,様々な障害を打ち破り,問題を克服して,人の心に触れられるようになります。」(「霊は人を生かす」『聖徒の道』1997年6月号,3-4)
研究と応用のためのアイデア
個人学習
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宣教師ポータルで言語のリソースを見直します。まだ試したことのないものを選んで,今後数日間それに取り組む目標を立ててください。
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次回のディストリクト評議会で,言語能力の高い経験豊かな宣教師に,どのような方法で学習してきたか尋ねてください。
同僚学習と同僚交換
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伝道地の言語で互いにレッスンを教える練習をしてください。新任の宣教師は最初,非常に簡単に教え,短い証を述べ,暗記した聖句を暗唱するだけかもしれません。自信と能力が増すにつれて,教える際に受け持てる部分が多くなっていくでしょう。
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本章に記されているアイデアと,宣教師ポータルにある言語のリソースを見直してください。次週の同僚学習でどの提案を行うか話し合います。
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同僚にあなたの発音を聞いてもらい,改善できるよう助けてもらいます。言っていることが理解できなかった場面があったときにメモを取るように頼みます。助けになりそうな,実際に役に立つ語句や文法のリストを作成します。リストに挙げられたものを,近々予定されている活動で実際に使う方法を説明し,練習します。
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傾聴の練習をしてください。一日の中で,学んだ語彙やパターンを聞き取るために積極的に耳を傾ける時間を取ります。自分の表現方法とは異なる伝え方を耳にしたら,書き留めておき,練習します。
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その日に人々が言うかもしれないことを書き出し,受け答えができるように計画し,練習します。
ディストリクト評議会,ゾーン大会,伝道部リーダーシップ評議会
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伝道地の言語を母語とする人をこれらの集会の一つに招いてください。小グループに分かれ,宣教師が彼らにレッスンをします。招いた人に,メモを取り,宣教師の言語能力についてフィードバックをしてもらえるように頼みます。
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言語学習から成果を得た経験について話すよう,前もって一人か二人の宣教師に割り当てておきます。
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言語に関して,たいていの宣教師が難しいと感じる側面について簡潔に説明するよう,経験豊かな宣教師に割り当てておきます。正しい言葉の使い方の例を紹介してもらい,宣教師たちに練習してもらいます。
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伝道地の文化で生まれ育った宣教師に,有益な洞察を分かち合ってもらいます。
伝道部指導者と伝道部会長会顧問
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伝道地の言語を毎日学び続けることの重要性を強調してください。
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毎日,できるかぎり伝道地の言語を使うよう宣教師を励ましてください。
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体系的な学習スケジュールの中に伝道地の言語の学習計画の基本要素を示し,ディストリクト評議会集会でこれを見直してください。
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宣教師が学んでいる言語を使って彼らと話す機会を探してください。その言語を使って定期的に面接を行ってください。
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宣教師の言語能力を向上させる方法について,地元の指導者や会員にアイデアを求めてください。
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ゾーン大会や伝道部リーダーシップ評議会で,あなたの伝道地の言語を学んでいる宣教師に最もよく見られる誤りに関して指導してください。
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霊的な賜物について宣教師に教えてください。
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宣教師が伝道地の言語で教えているところを観察してください。