「名前を一つずつ」『For the Strength of Youth—青少年の強さのために』2022年8月号

名前を一つずつ

デビッド・ディクソン

教会機関誌

索引作成を始めるのは難しいことでした！しかしミッシェルは，続けていく中で思いも寄らない数々の祝福に気づき始めました。

ミッシェルは水頭症を伴うバクタール連合という病気を抱えて生まれました。「これは彼女が健康上の問題をたくさん抱えているという意味です」と両親は説明します。「でも，何かするべきことがあると聞けば，ミッシェルはその方法を見つけます。」

2018年にネルソン大管長が青少年にイスラエルの集合を助けるよう呼びかけたとき，アメリカ合衆国オレゴン州のミッシェル・Tはその言葉によく注意を向けました。¹

そして，その招きにこたえる決意をしました。

しかし，ほぼ即座に，問題に直面します。ミッシェルは索引作成から始めたいと思ったのですが，会員番号が手もとにあっても，登録ができないのです。両親や祖父母に助けてもらってもうまくいきません（そして，彼らは家族歴史のプロなのです！）。

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若い女性と両親

近くの家族歴史センターに行っても，うまくいきませんでした。ちなみに，これは非常に珍しいことです！通常はとても単純なプロセスです。家族歴史センターのボランティアがようやくミッシェルの登録に成功して，ファミリーサーチを使えるようになったとき，彼らはミッシェルを見て言いました。「最初からこんなに多くの問題にぶつかるなんて，あなたはきっと，家族歴史で偉大なことをするのでしょう！」

ミッシェルは確かに家族歴史で大いなる事柄を続けています。実際，ミッシェルが2021年のルーツテックで共有したビデオは，このカンファレンスで最も視聴されたビデオになりました。彼女には人々の霊を鼓舞するストーリーがあるのです！その後もさらに力強いストーリーになっています。

ミッシェルは話すことができないので，スマートフォンの文字入力を使って意思疎通をします。

小さなスタート

まず，ミッシェルは毎週日曜日の夕方に一つか二つのバッチの名前に取り組むことにしました。祖父母とビデオ通話をして，やり方を教えてもらいながらです。

「大変でした！」とミッシェルは言います。「筆記体は難しいです！」

それでもしりごみはしませんでした。ミッシェルは作業を続けました。さらに学び，慣れるにつれて，2019年には1,000人の名前の索引を作るという目標を立てることにしました。

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コンピューターを使う若い女性

その目標を達成すると，2020年に向けてさらに大きな目標を立てました。特にパンデミックが始まってからは，多くの時間を割けるようになりました。間もなく，ミッシェルは毎月1,000人もの索引作成をするようになりました！

索引作成を続けるうちに，ミッシェルは生活の中で興味深いことに気づくようになりました。物事がとにかく良い方向に進んでいたのです。

大きな変化

「自分の生活が以前とは違っていることに気づいたんです」と，ミッシェルは言います。「前よりも健康になったように感じました。家族にもっと優しくなりました。もっと穏やかな気持ちと平安を感じるようになりました。もっと幸せになりました！もっと善いことをしたいと思うようになりました。ずっと強く御霊を感じるようになりました！索引作成は，わたしだけでなく，ほかの人にも助けをもたらしていました。」

ミッシェルは家族のために裁縫をしたり，お菓子を焼いたりするのが好きです。「わたしが作ったものを家族が喜んでくれるのを見るのは，とても楽しいです」と，ミッシェルは言います。

起こり始めたもう一つの良いことは，ほかの霊的な目標にも，より心を向けられるようになったことです。「もっと聖文，特にモルモン書を読むようになりました」とミッシェルは言います。「それから，日曜日の教会のレッスンでの話し合いに備えられるように，毎週クラスの前に予習をするようにもなりました。自分の家族の歴史について知ることは，神殿参入とともに，わたしにとって非常に重要なものとなりました。」

日々の生活は慌ただしく，たくさんの邪魔が入ることがあります！しかし，ミッシェルは家族歴史活動に十分な時間を確保することでもたらされる祝福を自覚してきました。「索引作成を始めると，平安をとても感じるようになりました」と説明します。「そして，わたしが感じている平安に家族が気づくようになり，それが家族みんなの中に流れ込み始めました。家庭全体がより穏やかになり，温和になりました。すばらしいことです。イエス・キリストは平安の源です。自分が召されている業を行うことによって，平安という祝福を受けました。救い主だけがお与えになれる平安です。いちばんすばらしいのは，その祝福を人と分かち合えることです。」

人々を助ける方法

明らかに，ミッシェルは索引作成が自分の生活にどのように祝福をもたらすかを実感してきました。また，自分の努力が幕の両側にいる多くの人々の生活にも祝福をもたらすという証があります。

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コンピューターを使って兄弟たちに家族歴史を教える若い女性

このことについて人に教えるとき，ミッシェルには話したい一つの経験があります。彼女の祖母は，ある先祖のことを長い間探していたのですが，見つけられずにいました。しかし数年前に，だれかがこの親族の名前の索引作成をしました。それだけで，ミッシェルの祖母はついにこの先祖を見つけることができたのです！

「その話はほんとうにやる気を出させてくれます」と，ミッシェルは言います。小さな積み重ねが多くの点と点を結び，たくさんの人の生活に祝福をもたらすのです。

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若い女性

始める方法

時間を見つけて家族歴史活動を始めるのは簡単でしょうか。いいえ，少なくともたいていはそうではありません。ほとんどの人は，時間を作るためにスケジュールをやりくりする必要があります。しかしここでも，ミッシェルには始めるためのヒントがあります。

ミッシェルの家族歴史のヒント

「自分に忍耐強くありましょう。」

初めからすべてのやり方を学び，知っておく必要があると思いがちですが，そうではありません。時間をかけて理解していくことができます。
「小さなことから始めましょう。」

初めは毎週日曜日の夕方に一つか二つのバッチを行うとよいと，だれかが勧めてくれました。これは小さな，簡単な目標でした。それならできそうだったので，圧倒される気持ちは減りました。
「同時に複数のことをするようにしましょう。」

索引作成を，自分の好きなほかのことと組み合わせて行うようにしました。索引作成をしながら，音楽やオーディオブックを聞いたり，祖父母とビデオ通話をしたりしています。
「シンプルにしましょう。」

できることや行う必要のある様々なことを考えると，難しすぎるという気がしてくるかもしれません。そんなとき，わたしは一歩ずつ，少しずつ進むことに集中します。