2019
あかしの植物
2019年1月


あかしの植物

あかしがあるとはどういう意味でしょうか。

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あかしの植物

エリサは初等協会の教室に入り,友達のアルマンドのとなりにすわりました。

「ようこそ!」ルッソ姉妹が言いました。「まず,歌を歌いましょう。」

エリサはクラスのみんなといっしょに歌いました。「心に信仰の種をまき 大きく育てよう」(『子供の歌集』51)。

ルッソ姉妹が紙とクレヨンを配り,「歌の歌詞について考えてみて」と言いました。「信仰の種をまくと,大きく育ってあかしになるのよ。みんなのあかしが植物だとしたらどんな形か,絵にかきましょう。」

エリサは白紙をじっと見つめました。みんなは絵をかき始めています。エリサはアルマンドの絵をのぞいてみました。アルマンドの植物はくきがまっすぐで,たくさんの葉をつけています。アパートのベランダで育てているバジルににていました。自分のあかしもそれににているかもしれない,と思いました。エリサはクレヨンをにぎり,アルマンドの絵ににた植物をかきました。

「聖典のアルマ32章を開いてちょうだい」とルッソ姉妹は言いました。

心に種を植え,それが育つのを感じる,という話を読みました。エリサは自分のあかしの植物を見ました。ほんとうに自分にあかしがあるのでしょうか?そもそも,あかしがあるってどういう意味なのでしょう?はずかしくて,質問できませんでした。

クラスが終わると,ルッソ姉妹がエリサのところに来ました。

「何かに気を取られているようね。どうしたの?」ルッソ姉妹がたずねました。

エリサはもう一度自分の絵に目をやりました。「自分にあかしがあるかどうか分からないんです。あかしがあるってどういうことかもよく分からなくて。」

ルッソ姉妹は,思いやりをこめてエリサにほほえみかけました。「大丈夫よ。信仰って何だか覚えている?」

エリサはうなずきました。「見えないものを信じること?」

「そのとおりよ。」ルッソ姉妹が言いました。「あなたはどんなことを信じているの?」

簡単な質問でした。「天のお父様とイエス・キリストを信じています。御二方がわたしを愛してくださっていると知っています。」

ルッソ姉妹はにっこりしました。「それがあかしよ!あかしというのは,福音について信じていることなのよ。」

エリサはそれについて考えました。「わたしにはもうあかしがあるっていうこと?」

「そのとおりよ!」ルッソ姉妹は聖典を手に取りました。「今日読んだせいくを覚えている?教会に来るというような行いによって種を育てるのよね。すると,あかしが成長して強くなるの。」

エリサは,分かったような気がしました。「だからあかしの植物の絵をかいたの?」

「そのとおりよ。」ルッソ姉妹は言いました。「植物は少しずつ成長するものね。あかしも同じよ。一度にすべてのあかしを得ることはできないわ。少しずつ成長していくの。」

エリサは,自分がかいた植物に少し自信が持てました。家に帰ると,絵の横に「わたしのあかしの植物」と書き,ベッドのそばにかけました。エリサは,自分のあかしがすでに成長していることを知りました。そして,これからもイエスにしたがい,もっと大きく育てたいと思いました。

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