沖縄神殿のオープンハウス・奉献式を発表
2023年4月18日早朝(日本時間),日本沖縄神殿のオープンハウスと奉献式の日程が発表された。
オープンハウスは,9月21日(木)のメディアデー(報道関係者向け),22日(金)の招待客オープンハウスを皮切りに,23日(土)から2週間にわたって一般オープンハウスが行われる(9月24日と10月1日の日曜日は休館)。最終日は10月7日(土)となる。
奉献式は11月12日(日),10時からと13時30分からの2つのセッションが行われる。十二使徒定員会のゲーリー・E・スティーブンソン長老が奉献の祈りをささげる。スティーブンソン長老はかつて日本で専任宣教師また伝道部会長として奉仕し,アジア北地域会長も務め,日本語が話せる唯一の使徒である。沖縄神殿は奉献されると,東京,福岡,札幌に続く日本で4番目の神殿となる。
沖縄神殿の所在地は,沖縄県沖縄市松本7丁目11。2030平方メートルの敷地に2階建て,床面積は約930平方メートル。神殿参入者の到着センター(待合エリア)は,隣接する沖縄ワードの集会所に増築されている。ここには沖縄ディストリビューションサービスストア 1 も併設され,神殿の奉献に先立ってオープンする予定である。
準備委員会が始動
去る2月26日には,「日本沖縄神殿オープンハウス・奉献式準備委員会」が組織され,神殿の隣にある沖縄ワードにて初会合が行われた。コーディネーターの安里吉隆・敦子夫妻を筆頭に,10の小委員会(コミュニケーション小委員会,財務小委員会,歴史小委員会,ホスティング小委員会,音楽小委員会,駐車場・交通小委員会,施設小委員会,保安・セキュリティー小委員会,テクノロジー小委員会,アッシャー小委員会)でそれぞれ委員長が召された。沖縄軍人地方部のアメリカ人の委員長5人,沖縄の日本人の委員長5人と,日米の教会員が一丸となって準備を進めていく。そのため,各小委員会には通訳の責任を受けている委員もいる。
歴史小委員会のジル・キャンベル姉妹は,日程が発表されたときの気持ちをこう語る。「オープンハウスと奉献式の日程がカレンダーに載って,とても興奮しています。神殿を共有することになる沖縄の会員と一緒に(委員会の)仕事をし,共にこれらのイベントに参加するのがとても楽しみです。米軍人の教会員と地元の教会員がこれまで以上に仲良くなれると思うのです。これはとてもうれしいことです。」彼女の夫のポール・キャンベル歴史小委員長も口を揃える。「わたしは神殿がここにあることに感激しています。わたしたちは20年,沖縄に住んでいるのです。かつて(十二使徒のデビッド・A・)ベドナー長老が来られたとき,誰かが尋ねました。『沖縄にはいつ神殿ができるのですか?』ベドナー長老はこう答えます,『それはわたしたちの信仰によります』と。ですから,ここに住む人々の信仰がすばらしいのです。そのおかげで主は,長いあいだ神殿のなかったこの沖縄に神殿を置くことを許されたのです。使徒の約束は成就し,我が町・沖縄で神殿の祝福を享受できるようになることを,わたしたちは感謝しています。」
2つの神殿に音楽をささげる
音楽小委員長を務める 兄弟は,2000年の福岡神殿奉献式でも音楽小委員長を果たし,生涯に2つの神殿で賛歌をささげることとなる。「福岡のとき,わたしはもう絶対に泣かないと決めていたんですけれど,『主のみたまは火のごと燃え』を聴衆の方に向いて指揮したときにはもう,こらえていた涙がどっと噴き出して……日の栄えの部屋全体がまさにこの歌詞のように御霊にあふれ,とても荘厳で感動したことを覚えています。」そう平良兄弟は振り返り,言葉を継ぐ。
「その経験をまた,故郷の沖縄神殿において経験できることは,すばらしい……(さらに,)アメリカと日本の会員が一緒の聖歌隊で主を賛美するという,初めての経験なので,とてもわくわくしています。」
今回,日の栄えの部屋の広さの関係から各聖歌隊は8人の少数精鋭で組織される。沖縄ステークと軍人地方部それぞれの聖歌隊が2セッションを分担し,屋外の定礎式では日米合同聖歌隊が歌う。それは,日米の会員の協力で築かれてきた沖縄の教会歴史を象徴しているかのようだ。
沖縄中の人々に知らせる
準備委員会の安里コーディネーターは万感の思いを込めてこう話す。「こんな大きな喜びはないと思います。1986年3月,大阪伝道部から帰還して1週間後のステーク大会でわたしはステーク幹部書記に召されました。その後,最初のステーク会長会で開会の祈りを頼まれました。立ち上がって祈り始めた瞬間に,もう頭の先からつま先まで全身が御霊に満たされて,この部屋にたくさんの先祖の方々がいらっしゃると強く感じました。彼らがこの沖縄に神殿を望み,そしてステーク会長会の中で話される事柄の一つ一つを,彼らにとっての非常に大きな関心事として見守っておられるのを感じたのです。
あのとき以来,沖縄の兄弟姉妹たちは一生懸命,神殿を頂くための準備をしてきたと思います。でも,わたしはそれ以上に,沖縄戦で亡くなった10数万もの先祖の方々が一日千秋の思いで,神殿が沖縄に建てられるようにと,すごく大きな信仰と愛を込めて祈っているのをずっと感じてきました。2020年12月,沖縄神殿用地の奉献の祈りと鍬入れが行われるときに,何万何十万もの先祖の方々が喜んでいるのを,とても強く感じました。
神殿が完成して,わたしたちが内覧した際,あまりのすばらしさに感動し,胸が詰まりました。これほどの神殿を,こんな小さな沖縄のわたしたちに主が下さったことを思い,感謝の念で泣きました。これからどのように御恩を返したらいいのか分からないほどです。
ベドナー長老が言われるように,神殿家族歴史活動と伝道活動を合体させることによって,この神権時代に未だかつてない恩恵を得ることができます。
先祖の方々の望みは,自分の子や孫,子孫が,イエス・キリストの贖いの恵みを通して永遠の家族になることです。それを実現していくために,わたしたちは,神殿家族歴史の業と福音を沖縄中の人々に知らせていきます。先祖の方々が祈っているように,主と,主の贖いが中心となるこの神殿の祝福に子孫の方々を招けるように力を尽くす。これが一番の恩返しかな,と思っています。先祖の方々の愛と信仰を込めた祈りのおかげで,わたしたちが沖縄神殿を頂く祝福にあずかれているとしたら,彼らへ愛と尊敬と感謝を込めて,全身全霊でこの業を進めていきたい。完成した暁には多くの方々を,主と,主の聖約と儀式,および神殿に招けるように頑張りたいと思っています。」
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沖縄県には,政界,財界,教育界,宗教界,マスコミ,米軍など,地域社会の要となるところに多くの教会員がいる。そうした縁もあって,2022年の秋から冬にかけ,ラジオ沖縄の番組「あなたとニー(根)コネクト」を教会の提供で放送することとなり,安里兄弟も出演した。2「沖縄中の人々に知らせ」る,との安里コーディネーターの意気込みは,決して大げさではない。◆