「もし虐待が自分のせいだと感じたらどうしますか」被害者への支援
「もし虐待が自分のせいだと感じたらどうしますか」被害者への支援
もし虐待が自分のせいだと感じたらどうしますか
あなたが虐待の被害者ならば,起こった出来事に対してあなたは何の責任もありません。どこにいたか,何を言ったか,何を行ったか,何を身に着けていたか,直前に何が起こったかは重要ではありません。虐待の被害者について,十二使徒のリチャード・G・スコット長老は次のように述べています。「厳粛に証します。暴力,……によって,自分の気持ちを踏みにじられ,ひどく傷つけられたとしても,あなたの責任ではありません。罪悪感を持つ必要もありません。」(「忌まわしい虐待の傷を癒す」『リアホナ』1992年7月号)
あなたのせいではありません
幾ら人々があなたを安心させようとして,虐待はあなたのせいではないと言っても,起きた出来事に対して責任を感じずにはいられないことがよくあります。
被害者が責任を感じる理由として以下が挙げられます:
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うそをついたことを非難された。
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虐待はあなたにも非があると言われた。
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止めることができた,あるいは止めるべきだったと感じている。
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加害者に巧みに操られた。
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虐待は被害者が欲したことだった,あるいは被害者が引き起こしたと,加害者によって思わされた。
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行為を促す何かをしたと感じている。
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その行動は自然なことだと思った。
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起こったことが虐待だったと分からなかった。
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虐待を受けたのは何か罪を犯したからだと言わんばかりに,悔い改めなければならないと信じ込まされた。
たとえあなたが何を感じていようと,何を過去に言われようと,他人の行動に対して責任を負う必要はありません。
あなたには何の責任もありません
虐待という状況下において,加害者は選択の自由を行使してあなたを傷つけました。だれかが下した選びに対して,あなたは何の責任もありません。
BYUのディボーショナルで行われた説教の中で,ベンジャミン・M・オーグルズ教授は次の比喩を用いました。
「この状況に相当する何か間違ったことをしたのではないかと思う人もいるでしょう。自分の振る舞いに疑問を抱き,まるで彼らがその行為をするよう誘ったかのように,彼らの願いを無視するようそそのかす何かをしたと思う人もいます。事件が起こったときに下した決断について,今思えば疑問の余地があるときは特にそうです。身に降りかかった出来事に対し,少なからず自分にも責任があったと感じるのです。しかし,あなたの承諾なく起こった出来事に対し,あなたは何の責任もありません!それが選択の自由の本質なのです。
そのことを個人的な経験を紹介しながら説明しましょう。1990年,わたしの家族はオハイオ州の南東にあるザ・プレインズという名の大変小さな地域に引っ越しました。着いた日の夜のことです。我が家の車が車上荒らしに遭い,犯人は欲しいままにすべて持ち去っていきました。窃盗を発見したとき,幾つかの考えがすぐさま浮かんできました。
『道路から離れた,もっと家の近くに停めておけば。』
『これは自分のせいだ。車のドアをきちんとロックしておくべきだった。』
『小さな田舎町は安全だと思っていた自分はなんて甘かったんだろう。』
『もっと警戒していれば,窃盗を未然に防げたかもしれない。』
だれかが犯した罪に対して,わたしがどのように責任を負ったかが分かりますか。わたしがどこに車を停めようと,自分がどれだけ甘かったかにかかわらず,あるいはドアをロックしていたかいなかったかにかかわらず,わたしの許可なしにわたしの車から物を持ち出す権利はだれにもありません。窃盗に対し,わたしは何の責任もありませんでした。それでもわたしは思わず責任を負いました。違うやり方ができたであろうと想像がついたからです。」(“Agency, Accountability, and the Atonement of Jesus Christ: Application to Sexual Assault” [Brigham Young University devotional, Jan. 30, 2018], 5–6, speeches.byu.edu)
モルモン書にこのような聖句があります。「罪悪を行う者は自分でそれを行うのである。なぜなら,あなたがたは自由〔だ〕……からである。」(ヒラマン14:30;強調付加)
あなたが虐待の被害者ならば,あなたのせいではありません。状況を問わず,他人の行動に対してあなたは責められる必要がありません。癒しは救い主イエス・キリストを通して可能です。
地域と教会のリソース
(下記のリソースの中には,LDSイエス・キリスト教会によって作成,保持,管理されていないものもあります。これらの資料は,追加のリソースとして役立てるように意図されていますが,教会の教義や教えと一致しない内容について,教会が是認するものではありません〔一部のリソースは英語のみ〕。)
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“It’s Never Your Fault: The Truth about Sexual Abuse,” National Child Traumatic Stress Network
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“It Wasn’t Your Fault,” National Association for People Abused in Childhood
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「忌まわしい虐待の傷を癒す」『リアホナ』1992年7月号
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“Agency, Accountability, and the Atonement of Jesus Christ: Application to Sexual Assault,” Benjamin M. Ogles (Brigham Young University devotional, Jan. 30, 2018)
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“Why Childhood Sexual Abuse can NEVER be your fault,” Pandora’s Project: Support and resources for survivors of rape and sexual abuse