ステップ12
奉仕
基本原則──イエス・キリストの
奉仕はあなたが残りの生涯を通して,
依存症から解放された状態を保つためには,自分の殻から抜け出て奉仕しなければなりません。ほかの人々を助けたいという望みは,霊的に目覚めたことによる当然の結果です。
あなたはほかの依存症者や,問題を抱えて苦しみながらも生活を変えるための霊的な手がかりを求めて模索しているすべての人々,真理と義を探し求めているすべての人々に伝えるべきメッセージを持っています。そのメッセージとは,神は,これまで常にそうであったように,今も奇跡の神であられるということです(モロナイ7:29参照)。あなたの人生がそれを証明しています。あなたはイエス・キリストの
主の
エズラ・タフト・ベンソン大管長は次のように教えています。「自分の生活を神にささげる男女は,自分の能力だけではとても及ばないたくさんのものを人生から得るでしょう。神はこのような人々の喜びを増し,視野を広げ,理解をさとくし,体力を増し,霊を高揚させ,恵みを加え,機会を増し,心に慰めを与え,友を招き寄せ,平和をもたらされます。神のために自分の命を失う者は,永遠の命を得るのです。」(「イエス・キリスト──待ち望ん
祈りの気持ちで奉仕する方法について考え,いつも聖霊の導きを求めてください。心から望むなら,自分が学んだ霊的な原則を分かち合う多くの機会が与えられるでしょう。またほかの人々に
依存症に苦しんでいる人やそのような家族がいる人に気づいたとき,あなたはこのガイドや末日聖徒ファミリーサービスの依存症立ち直りプログラムについて知らせたいと思うでしょう。彼らが話したいようであれば,そのようにさせてください。あなたが彼らの気持ちを理解できることを知らせるために,あなたの経験について幾らか話してください。しかし,どのような形であれ助言を与えたり,何か手はずを整えたりはしないでください。ただあなたの人生に祝福をもたらしたこのプログラムや霊的な原則について情報を与えるだけで良いのです。
依存症者本人に,これらの霊的原則を受け入れる準備ができていないと感じるかもしれませんが,もしかすると,その家族や友人が受け入れる場合もあります。事実,このような危機的な状況の中で生活しているあらゆる人が皆,福音の原則を学び,実践することから恵みを受けられるのです。時として,だれかにモルモン書と一緒にこのガイドを1冊添えて渡すよう促しを受けるかもしれません。その促しに従うならば,あなたはキリストのもとに来て人生を立て直すのを助けてくれた道具を人々に分かち合うことになるでしょう。
ほかのだれかのために何かをしたり,希望と立ち直りのメッセージを伝えたりするとき,相手があなたに過剰に頼ることがないようにしてください。あなたの責任は,ほかの人々が天の御父と救い主に頼り,導きと力を求めるよう励ますことです。さらには,主から権能を与えられた
家族の支えがない場合や,立ち直りに時間がかかることを家族が理解しなければ,依存症者が立ち直りの道を歩み続けるのが難しくなるということを,理解しておいてください。とはいえ,最も身近な愛する人からどのような態度を執られたとしても,すべての人が立ち直ることが可能です。
福音の原則を通して,立ち直りのメッセージをほかの人に伝えるとき,忍耐強く,また柔和でなければなりません。あなたの新しい生活の中に,うぬぼれやどんな優越感も入り込む余地はないはずです。神の恵みによって,あなたはどのような状況から,どのようにして救い出されたかを決して忘れないでください。イエス・キリストは悔い改めて御自身に頼ろうとする人々に対し,「どの場合でも」同じように救いの手を差し伸べてくださるのです(モーサヤ29:20)。
ほかの人を助けたいという熱意を持ちながらも,そのメッセージを分かち合うことと自分自身の立ち直りを進めることのバランスをしっかり保つようにしてください。あなたが第1に心を向けなければならないことは,自分自身のためにこれらの原則を実践し続けることです。あなたが立ち直りを継続してこそ,その知識をほかの人に分かち合うあなたの努力が効を奏するのです。
あなたが依存症を克服するためにこれまで学び,実践してきたこれらの原則は,人生のあらゆる面で主の計画に従って行動するようあなたを導く原則でもあります。これらの福音の原則を活用することによって,これまで主から命じられたように,最後まで堪え忍ぶことができ,しかも喜びをもって堪え忍ぶことができるのです。
行動のステップ
公の場で証 をする。ほかの人々に奉仕する中で召しと才能を尊んで大いなるものとする。家庭の夕べと家族の祈りを行う。神殿に参入し,そこで礼拝する準備をする
天の御父とその愛する御子イエス・キリストの愛と
ハワード・W・ハンター大管長は次のように教えています。「
家でくつろいでいるとき,言葉と行いを通して家族に
与えられた教会の召しを尊んで大いなるものとしてください。ワードまたはステークで責任を受けていないときには,ビショップにあなたが奉仕できることを知らせてください。家族歴史の活動に参加することによって,また神殿内での礼拝や奉仕に備え,そこで主と聖約を交わすことによって,ほかの人々を祝福することもできます。ゴードン・B・ヒンクレー大管長は次のように教えています。「神殿の業に携わることは,教会でのあらゆる教えや活動が最終的に目指すところです。」(「開会に当たり」『リアホナ』2005年11月号,4)このガイドの中で教えられている数々の原則は,あなたを神殿へと導いてくれます。また神殿で奉仕したいというあなたの望みを,次第に強めてくれるでしょう。
以前であれば,そのようなことができるとは思いもよらなかったかもしれませんが,今では,
立ち直りの原則を分かち合うことによって,依存症に苦しんでいるほかの人々に奉仕する。これらの原則を生活のあらゆる面に実践する
LDSファミリーサービスの依存症立ち直りプログラムは,すばらしい奉仕の機会を提供してくれます。あなたは集会に出席し,自分の経験や信仰,希望を分かち合うことによって,ほかの人々に奉仕することができます。彼らを支え,強めることができます。
あなたは福音の原則を実践する中で,
あなたは自らの模範と励ましの言葉を通して,このメッセージをほかの人々と分かち合うことができます。一日の間,人々に会ったら,ほほえみを浮かべてあいさつをしてください。彼らがしてくれることに感謝を示してください。機会が訪れたときには,イエス・キリストの
研究と理解
聖文と教会指導者の教えは立ち直りを継続していくうえで役立つでしょう。以下の聖句と言葉を研究し,
改心と立ち直り
「改心とは一つの信仰から別の信仰へ転向することを意味します。改心とは霊的,道徳的変化のことです。単にイエスとイエスの教えを頭の中で受け入れることだけではありません。改心とは,イエスとイエスの福音に対して,力の源となるような信仰を持つことなのです。変化を生じる信仰,人生の意義に対する理解に変化を及ぼす信仰,すなわち関心事,思い,行いにおいて,神への忠誠心を変える信仰です。」(マリオン・G・ロムニー,Conference Report, Guatemala Area Conference 1977年,8で引用)
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救い主は,ペテロに向かって,立ち直ったときには,兄弟たちを力づけるよう勧告しておられます(ルカ22:32参照)。改心に関するロムニー管長の定義について,またそれがあなたの立ち直りの経験に,どのように当てはまるかについて書いてください。
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悪習から立ち直ろうとしているほかの人々を力づけることについてどのように感じますか。
小さなステップから生じる偉大な進歩
「善を行うことに疲れ果ててはならない。あなたがたは一つの大いなる業の基を据えつつあるからである。そして,小さなことから大いなることが生じるのである。」(教義と聖約64:33)
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人生のあらゆる面で,これらの原則に従って生活することについて考えるとき,どのように感じるかについて書いてください。小さな歩みの中で大いなる業が成し遂げられるという真理に気づくことはどのような助けとなるでしょうか。
ほかの人々を力づける
「神の
見よ,わたしは,多くの
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立ち直るためには,これらの原則について自らの
証 を喜んで分かち合うことが不可欠であると学びました。自らの経験を分かち合うことは,あなたが立ち直った状態を維持するうえでどのように役立つでしょうか。
「〔あなたがたは〕悲しむ者とともに悲しみ,慰めの要る者を慰めることを望み,また神に
まことに,わたしはあなたがたに言う。あなたがたが心からこれを望んでいるのであれば,主からますます豊かに
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依存症に伴うあなたの経験は,依存症に苦しんでいる人々の気持ちを理解するのに役立ちます。そのような人々を慰めるとき,あなたの立ち直りの経験が役立つのです。立ち直りのステップに従ってきたことで,神の証人として立つあなたの望みと能力が増し加わったことについて書いてください。
主の助けを受けて奉仕する
「
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時として,わたしたちは,これらの原則をまだ完全には実践していないために,ほかの人々に立ち直りについて話す準備ができているか不安になることがあります。救い主は不完全な人々を通じて
御業 を行われるという真理を理解することによって,あなたの恐れはどのように和らぐでしょうか。
救いを得させる神の力
「わたしは福音を恥としない。それは,ユダヤ人をはじめ,ギリシヤ人にも,すべて信じる者に,
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過去を振り返り,あなたが依存症を克服するためには霊的な経験が必要だったことについて考えるときに抱く思いと感情について書いてください。あなたがキリストの福音の原則を実践することによって
癒 されたことを,ほかの人に話す際に抱くかもしれないためらいの感情について書いてください。
「あなたはどこでもわたしの望む所に行きなさい。あなたのなすべきことと行くべき所は,慰め主によってあなたに伝えられるであろう。
あなたは誘惑に陥って自分の報いを失うことのないように,常に祈りなさい。
最後まで忠実でありなさい。見よ,わたしはあなたとともにいる。これらの言葉は人から出ているものではなく,人々から出ているものでもなく,父の
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聖典の至る所に,霊的な生き方を維持したいと願う人々に向けて語られた助言が記されており,人々が神のもとに戻れるよう導いています。これらの聖句の中に,あなたはどのような具体的な助言を見いだしますか。