セミナリー
第166課—答えを見つけるために信仰をもって行動する


「第166課—答えを見つけるために信仰をもって行動する」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』(2025年)

「答えを見つけるために信仰をもって行動する」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』

第166課:マスター教義:疑問の答えを見つける

答えを見つけるために,信仰をもって行動する

霊的な知識を得る,第2部

キリストの衣のすそに触れる女性

イエス・キリストは,生涯を通じて主に頼り,信仰をもって行動するようわたしたちに促しておられます。救い主に目を向けることは非常に大切なことです。特に,容易に解決することのできない疑問や状況があるときにはそうです。この課では,疑問に思っていることの答えを探す過程で,どうすればイエス・キリストを信じる信仰をもって行動できるかが理解できるよう,生徒を助けます。

学習活動案

質問をすることの大切さ

レッスンの前に,ディーター・F・ウークトドルフ長老の次の質問をホワイトボードに書いておきます。生徒が入って来たら,その質問に自分ならどう答えるか,なぜそう答えるのか,深く考えてもらいます。深く考えてもらった後で,考えた答えを発表してもらいましょう。

当時大管長会の一員だったディーター・F・ウークトドルフ長老は,次のような質問を投げかけています:

ディーター・F・ウークトドルフ長老

「教会や教義に疑問を持つことは大丈夫でしょうか。」(ディーター・F・ウークトドルフ「水に映る影」〔教会教育システムディボーショナル,2009年11月1日〕,thechurchnews.com)

  • あなたならこの質問にどう答えますか。そのように答えるのはなぜですか。

ウークトドルフ長老の話の残りを読み,自分の答えがウークトドルフ長老の言葉とどこが違うか比べてみましょう。

ディーター・F・ウークトドルフ長老

「愛する若い友の皆さん,わたしたちは尋ね求める民です。 尋ねることは真理につながることを知っているからです。そもそも教会は,疑問を抱いた若い男性によって始まりました。実際,疑問について尋ねることなく真理を発見できるものでしょうか。

尋ねることは証の始まりです。尋ねることは弱さの現れではなく,成長の前触れなのです。」(ディーター・F・ウークトドルフ「水に映る影」,〔教会教育システムディボーショナル,2009年11月1日〕,thechurchnews.com)

  • 聖文や教会歴史,あるいはあなた自身の生活の中で,天の御父とイエス・キリストがわたしたちに質問をするよう望んでおられることを示す,どのような例を見たことがありますか。

時折わたしたちは,理解するのが難しいと思われる教義や行い,教会の歴史について,新しい情報を発見することがあるかもしれません。また,答えるのが難しい疑問を抱くことがあるかもしれません。疑問を持つことは疑うことと同じではありません。誠意をもって質問すると,イエス・キリストに対する理解と証が深まります。疑いを増幅させると,主への信仰に悪影響が及ぶ可能性があります(「トピックと質問」の「福音に関する疑問の答えを見いだす」,topics.ChurchofJesusChrist.org参照)。

生徒に,教会やその教義に関して,簡単には答えられそうにない質問について考えてもらいます。生徒には,そのような質問を学習帳に書いてもらうとよいでしょう。この課で,難しい疑問が生じたときに助けになる真理を見つけてもらいます。

難しい質問に答える

質問をすることの大切さを説明し,信仰をもって行動する方法の模範を示すために,クラスの生徒にある話をします。以下の説明を使うか,ChurchofJesusChrist.orgにあるビデオ「霊的な知識を得る-マディソンの物語」のタイムコード0:00-1:44を見せてください。

セミナリーでマディソンは,ジョセフ・スミスが多妻結婚を行っていたことを知りました。このことを聞いて,彼女の心には幾つかの疑問が湧いてきました。

8:35

生徒が次の質問について話し合えるよう,クラスを二人一組または少人数のグループに分けるとよいでしょう。質問について話し合ってもらった後,生徒に答えを発表してもらうとよいでしょう。

  • マディソンはその疑問を解決するために否定的な方法を取ることも,前向きな方法を取ることもできます。それぞれにどのような方法があるでしょうか。

  • その方法が否定的あるいは前向きだと思うのはなぜですか。

難しい疑問に遭遇したときは,霊的な知識を得るための原則に従うとよいでしょう。

セミナリーで霊的な知識を得るための原則を学んだ経験のある生徒がいるかもしれません。もしそうであれば,生徒に,霊的な知識を得るための3つの原則を暗唱できるか尋ねます。必要に応じて,『マスター教義に関する基本文書』の「霊的な知識を得る」の項の第4段落を読んでもらいしましょう。3つの原則をホワイトボードに書きます:

  • 信仰をもって行動する。

  • 永遠の視点から概念や疑問について調べる。

  • 神が定められた情報源を通してさらに理解を深める。

信仰をもって行動する

今日の学習では,信仰をもって行動するという原則に焦点を当てます。

教義と聖約6:36を読みます。救い主のこの勧めが,わたしたちが信仰をもって行動するうえでどのような助けになるか,考えてください。

  • この節のどの言葉が,マディソンのように,福音や教会について疑問を持つ人の助けになるでしょうか。

  • その言葉が助けになるのはなぜですか。

生徒に答えてもらいながら,次の真理を見つけられるよう助けます:答えの分からない疑問がある場合は,イエス・キリストを仰ぎ見て疑わない

イエス・キリストに目を向ける方法については,多くの例が『マスター教義に関する基本文書』に記載されていることを生徒に説明します。

『マスター教義に関する基本文書』の「霊的な知識を得る」の項の第5-7段落を読み,霊的な疑問を抱いたときに信仰をもって行動する方法を見つけてください。

  • これらの段落のどの言葉が,難しい疑問を持つ人にとって最も役に立つと思いますか。それはなぜですか。

生徒に,自分の挙げた言葉の裏付けとなる聖文を見つけるように勧めるとよいでしょう。例えば,生徒が「祈り」という言葉を挙げたら,その裏付けとして2ニーファイ32:8-9ヤコブの手紙1:5-6を挙げてもらうとよいでしょう。「聖文研究」を答えとして挙げた場合は,裏付けとして挙げる聖句は2ニーファイ32:3または2テモテ3:15-17になります。

自然に話せる機会を見つけて,イエス・キリストに目を向けてこれらのことを行うことの大切さを,生徒に繰り返し伝えるようにしてください。自分たちの考えた行動が,どれくらいイエス・キリストを仰ぎ見ることの模範となるかについて,生徒に考えてもらうとよいでしょう。

信仰をもって行動することの模範

マディソンがその後どうしたかを話します。マディソンが自分の疑問に対して,信仰をもってどんな行動をすることを選んだか,生徒に見つけてもらいましょう。ビデオ「霊的な知識を得る-マディソンの物語」のタイムコード1:44-8:35を見せるとよいでしょう。このビデオがない場合は,次の言葉を読んでください。

8:35

授業が終わると,マディソンは先生のところへ行って,なぜジョセフ・スミスが多妻結婚をしたのかと尋ねました。先生は,福音に従って生活し,心からの祈りをささげ続けながら答えを探すよう彼女を励ましました。マディソンは祈り,聖文を調べて,やがて答えが得られるという促しを感じました。マディソンは信仰をもって行動し続け,天の御父とその計画に対する自分の証を信じました。すると,次第に答えが分かるようになり,平安を感じられるようになりました。その過程を通して,マディソンは天の御父とイエス・キリストとの関係が深まるのを感じました。信仰をもって行動すれば,神はわたしたちが求める答えを下さったり,平安を与えてくださったりすることが,マディソンには分かるようになりました。

次の質問について話し合いながら,マディソンのどの行動が,『マスター教義に関する基本文書』で学んだことと関係があるか,生徒に答えてもらいます。

  • マディソンの行動には,イエス・キリストを信じる彼女の信仰がどのように表れていましたか。

  • 天の御父とイエス・キリストについて,マディソンの経験からどのようなことを学ぶことができますか。

難しい疑問に直面したときに信仰をもって行動することで祝福を受けた経験について考え,発表してもらうようにするとよいでしょう。次に,今日学び,感じたことの中で,自分の個人的な状況や疑問に役立つのはどんなことか,生徒に考えてもらいます。時間を取って,考えたことや感じたことを,各自学習帳に書いてもらうとよいでしょう。

疑問の答えを探し求めるには,イエス・キリストに目を向けて,信仰をもって行動することが大切であると生徒に証して,レッスンを締めくくります。