「第168課—答えを見つける助けとして神が定められた情報源に目を向ける」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』(2005)
「答えを見つける助けとして神が定められた情報源に目を向ける」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』
第168課:マスター教義:疑問の答えを見つける
答えを見つける助けとして神が定められた情報源に目を向ける
霊的な知識を得る,第4部
マスター教義の目的の一つは,生徒が霊的な知識を得るための原則を学び,応用できるよう助けることです。この課では,天の御父とイエス・キリストが愛を込めて用意してくださった情報源を通して真理を探し求めることの大切さを,生徒に理解してもらいます。
学習活動案
情報の氾濫
コップ1杯の水を持ってきて見せます。生徒に,自分がその水を勧められたと仮定してもらいます。その水を飲むかどうか決める前に,その水についてどんなことを知りたいと思うか尋ねます。
わたしたちが自分の体に入れる物の出所を知りたいのと同じように,福音に関する疑問や自分が関心を抱くテーマがあるときには,情報を探す情報源の信ぴょう性を測らなければなりません。
大管長会の一員だったディーター・F・ウークトドルフ長老は,次のように説明しています:
「世界の歴史上,今ほど簡単に多くの情報に接することができるようになった時代はありません。しかし,その中には真実のものも,偽りのものもあり,その多くは一部しか真実ではありません。
その結果,真実と偽りとを正しく識別する方法を学ぶことが,今ほど大切になってきた時代はありません。」(ディーター・F・ウークトドルフ「何が真理か」〔教会教育システムディボーショナル,2013年1月13日〕,broadcasts.ChurchofJesusChrist.org)
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福音に関して疑問がある場合,あなたは通常,どのような情報源を調べますか。
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その情報源が信頼できるかどうかは,どうすれば分かるでしょうか。
神はあらゆる真理の源であられる
生徒が真理を探す際に天の御父とイエス・キリストに頼る必要があることを認識できるように,以下に挙げる聖句の場所をホワイトボードに書くとよいでしょう。
生徒に次の聖句の一部または全部を,個々に,またはグループで研究してもらいます。天の御父とイエス・キリストの特質を表している言葉を見つけたら,それをホワイトボードに書いてもらうとよいでしょう。
次の聖句を読み,天の御父とイエス・キリストに真理を求めるべき理由を理解する助けとなる言葉を見つけてください:
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これらの聖句は,真理を探し求めるときには天の御父とイエス・キリストに頼るべきなのはなぜかを理解するのに,どのように役立ちますか。
話し合いの中で,神はあらゆる真理の源であられることを指摘します。この原則をホワイトボードに書くとよいでしょう。
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天の御父とイエス・キリストからもたらされる真理は,どこで見つけることができるでしょうか。
信頼できる情報源を探す
次の学習活動は,神が定められ,神が与えてくださった情報源を使いたいと生徒に思ってもらうのに役立ちます。
『マスター教義に関する基本文書』の「霊的な知識を得る」の項の第11-12段落を読んでください。疑問の答えを見いだそうとする際に,指針となる教えを探してください。
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神が定められた情報源を使うことが大切である理由を説明する言葉はどれだと思いましたか。
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真理を探し求める際に頼ることができる,天の御父とイエス・キリストから頂いている情報源には,どのようなものがあるでしょうか。その情報源では,天の御父とイエス・キリストがわたしたちを愛しておられることを,どう表現していますか。
以下の活動は,神が定められた情報源を見つける方法と,他の情報源の信頼性を測る方法を生徒が理解するのに役立ちます。時間的な余裕と,生徒にこれらの活動がどの程度必要かに応じて,一つだけ行うか両方の活動を行うことにするか決めてください。
活動A:神が定められた情報源を見つける
生徒に次の活動を行ってもらう前に,神が定められた情報源を見つけるために教会が作成した学習ヘルプの使い方を実演するとよいでしょう。福音のテーマを一つ選び,ステップ2に挙げられているリソースを使えば情報がたくさん見つかることを生徒に示します。
神が定められた情報源を見つける方法を生徒にやって見せた後,個人で,または二人一組で練習してもらいます。次の手順を見せながら伝え,生徒が練習に取りかかりやすくするとよいでしょう。
教会が作成した学習ヘルプを使って,次の二つのステップに従って神が定められた情報源を見つける練習をしましょう。
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情報を見つけようとしている福音のテーマを選びます。テーマの例としては,モルモン書の翻訳,最初の示現の説明,知恵の言葉などがあります。選ぶ福音のテーマは,興味のあるものなら何でも構いません。
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教会が作成した学習ヘルプを使って,神が定められた情報源を見つけます。学習ヘルプには例えば,「福音トピックス」,『聖句ガイド』,「福音ライブラリー」の検索機能,「教会歴史のテーマ」,総大会の説教などがあります。
神が定められた情報源を生徒が探している間,質問がある生徒や,助けを必要としている生徒の力になれるように,教師は教室内を歩き回るようにしてください。時間を取って生徒に研究してもらった後,以下に挙げるような質問をすると,生徒は自分がしたことについて話しやすくなるでしょう。
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神が定められた情報源を見つける過程を通して,どのようなことが分かりましたか。
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役に立つどのような情報を見つけましたか。
活動B:情報源を評価する
真理を探し求めていて,教会が発信元ではない情報源が見つかることがあります。そのような場合,アクセスしている情報の信頼性を評価することが大切です。
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信頼できる情報源と信頼できない情報源を見分けるために,何ができるでしょうか。
次の質問を掲示するか,生徒に配付資料として配ります。生徒には,各自あるいはクラス全体で質問を読んでもらうだけでなく,その質問に関連する聖文を読んでもらうとよいでしょう。
偽りと真実を見分ける
『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』―霊的な知識を得る,第4部
以下の質問に目を通してください。このような質問は様々な情報源の信頼性と有用性を判断するうえでどのように役立つか,考えてください。
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この情報を読んだり聞いたりしたとき,聖霊から何を感じましたか。(教義と聖約50:23-24参照)
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この情報は,わたしをイエス・キリストとその教会に近づけてくれますか。(モロナイ7:15-17参照)
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この情報は,わたしに神の戒めを守るよう促してくれますか。
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この情報は聖文や現代の預言者の教えと一致していますか。(2テモテ3:15-17;教義と聖約1:38参照)
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この情報は,聖霊が真実だと告げているとわたしがすでに感じていることの裏付けとなっていますか。それとも,福音の真理を疑うようにわたしを駆り立てますか。(モロナイ10:5参照)
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これは,救い主や主の教会の指導者から信頼できると見なされている情報源からの情報ですか。
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わたしの両親や教会の指導者はこの情報について知ったら,何と言うでしょうか。(わたしがこの情報を親や指導者に知られたくないと思う場合,そのことからその情報源についてどのようなことが分かりますか。)
生徒が質問を読み終えたら,このような質問が深く考えるのに役立つと思う理由を発表してもらいます。また,情報の信頼性を測るために,これらの質問やこれに似た質問をどのように用いたことがあるかを発表してもらってもよいでしょう。
学んだことの応用
生徒が学習したことを取り入れられるように,次の質問の一つまたは両方に対する答えを学習帳に書いてもらうとよいでしょう。その後,二人一組かクラス全体で,各自の考えたことを話し合ってもらいます。
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今日学んだことの中で,福音に関する疑問の答えを見つけやすくしてくれる事柄にはどのようなものがありますか。
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今日学んだことは,あなたの将来の行動にどのような影響を与えると思いますか。
今日学んだ真理について教師が証し,神が定められた情報源を通して天の御父とイエス・キリストが明らかにされた真理を求めるよう生徒に勧めます。