第21課
イエス・キリストの再臨
はじめに
イエス・キリストのアメリカ大陸への訪問に関連する状況と出来事は,キリストの再臨のひな型としての役割を果たします。このレッスンは,生徒たちがキリストが再臨される「大いなる恐るべき日」(3ニーファイ25:5)によりよく備えるために,モルモン書からの原則を応用するための助けとなります。
背景となる読み物
-
ダリン・H・オークス「再臨への備え」『リアホナ』2004年5月号,7-10
-
ジェフリー・R・ホランド,“Preparing for the Second Coming,” New Era, 2013年12月号,2-5
教えるための提案
ヒラマン14:20-30;16:1-5;3ニーファイ9:1-5,12-14;10:12
わたしたちが主の再臨を信じて備えるために与えられたしるし
人生の中で,準備をする必要があった出来事や活動の例を生徒たちに挙げてもらいます(例:伝道)。その後,次の質問をします。
-
準備しておくことにより,全体的な経験にどのような違いが生じましたか。
-
準備しておかなかったとしたら,あなたの経験はどのように変わったと思いますか。
エズラ・タフト・ベンソン大管長(1899-1994年)の次の言葉を見せて,一人の生徒に声に出して読んでもらいます。他の生徒には,モルモン書が何の準備の助けとなるとベンソン大管長が教えたかを聞き取ってもらいます。
「例えばモルモン書を読めば,主の再臨に備える方法が分かります。この書物はキリストがアメリカに来られる前の数十年間の記述に多くの部分を割いています。その時代のことを注意深く研究すると,主の来臨に先立つ恐ろしい裁きの場で,ある人々は滅ぼされ,別の人々はバウンティフルの地の神殿で主の手足の傷に触れることができたのはなぜかが分かります。」(『歴代大管長の教え—エズラ・タフト・ベンソン』131)
-
ベンソン大管長によると,イエス・キリストがアメリカ大陸の民を訪問したことに関するモルモン書の記述を注意深く研究する必要があるのはなぜですか。(生徒たちが,イエス・キリストのアメリカ大陸への訪問に関連する出来事についてのモルモン書の記述を研究することにより,再臨のために準備するためのひな型を学ぶことができることを理解するようにしてください。)
救い主のアメリカ大陸への訪問についての記述を研究するとき,生徒には再臨のための準備に役立つ原則と教義を探してもらいます。
救い主の降誕に先立って,レーマン人のサムエルが救い主の誕生と死に伴うしるしについて預言していたことを生徒に思い出してもらいます。生徒たちにヒラマン14:20-27をざっと読んでもらい,キリストの死のしるしを見つけてもらいます。
-
サムエルがニーファイ人にイエス・キリストの死に伴うと言ったしるしを挙げてください。
クラスの半分にヒラマン14:28-30を,他の半分にはヒラマン16:4-5を読んでもらいます。これらのしるしがニーファイ人に与えられる理由を探してもらいます。生徒たちに「またこれは……ためである」という句がある箇所に特に注意するよう言ってもよいでしょう。
-
これらの節によると,主はなぜしるしをお与えになったのですか。(生徒たちが次の原則を見いだせるように助けてください。主は,わたしたちが主を信じ,救われるように,しるしと不思議をお与えになる。この教義をホワイトボードに書くとよいでしょう。)
-
ヒラマン14:29には,しるしと不思議を信じない者に何が起こると書かれていますか。(義の裁きが下る。)
第三ニーファイにある記述では,救い主の死を予告する破滅を含む,約束されたしるしと不思議が成就され始めたことを説明します。数人の生徒に3ニーファイ9:1-5,12-14;10:12を順番に声に出して読んでもらい,他の生徒にはサムエルとニーファイのメッセージを信じた人たち,およびそれらを信じなかった人たちに何が起こったかを見つけてもらいます。
-
これらの節によると,一部の人たちが滅ぼされたのはなぜですか。一部の人が助かったのはなぜですか。
今日イエス・キリストに従う者は,キリストの再臨に先立つしるしに注意するよう教えられていることを指摘します。預言者たちが預言した再臨のしるしを理解して認識することは,今日の教会員が主の来臨によりよく備えるためにどのような助けとなるかを生徒たちに話し合ってもらいます。
3ニーファイ11:1-17
救い主にまみえるために備える
ニーファイ人に御姿を現されるイエス・キリストの絵を見せます。生徒たちが救い主のニーファイ人への訪問についての記述を研究するとき,主の死についてのしるしを信じ,主の来臨のために備えた人たちが受けた祝福を見つけるように勧めます。
数人の生徒に3ニーファイ11:1-12を順番に声に出して読んでもらいます。
-
主の来臨に約束されたしるしに対する信仰は,この経験に対して人々をどのように備えましたか。
-
これらの節は,わたしたち自身が備える必要があることをどのように思い起こさせますか。
数人の生徒に3ニーファイ11:13-17を順番に声に出して読んでもらい,このときにその場にいたとしたら,どのような気持ちがしたかを想像してもらいます。
-
この経験は,主イエス・キリストがわたしたちそれぞれに望まれていることをどのように表していますか。(答えには次の真理が反映されているようにしてください。イエス・キリストは,キリストのもとに来て,キリストが地球全体の神であることを証するよう全ての人を招かれる。)
-
これらの出来事は,イエスの再臨に起こる事柄とどのような類似点がありますか。
-
いつの日か救い主の前に立つための準備を整えておくために救い主の招きに従うには何ができますか。
十二使徒定員会のダリン・H・オークス長老による次の言葉を見せて,レッスンを終わります。
「主の再臨が明日だったらどうですか。早すぎる死や,予期せぬ主の再臨によって,明日主にお会いすると分かったら,わたしたちは今日何をするでしょう。何を告白するでしょうか。どんな習慣を断つでしょうか。どのような問題を解決するでしょうか。どのような赦しの手を差し伸べるでしょうか。どのような証をするでしょうか。
主の再臨のときにそうするのであれば,なぜ今しないのでしょうか。得られるときに,平安を求めないのはなぜでしょうか。」(「再臨への備え」『リアホナ』2004年5月号,9-10参照)
-
主の来臨が明日であるかのように自分自身を備えることが大切なのはなぜですか。
主にまみえるために備えるときに,御霊の促しを求め,それに応えるように生徒たちに言います。
生徒用資料
-
ダリン・H・オークス「再臨への備え」『リアホナ』2004年5月号,7-10