セミナリー・インスティテュート
第23課:イスラエルの散乱と集合


第23課

イスラエルの散乱と集合

はじめに

主は,イスラエルの人々が主に対して心をかたくなにしたためにイスラエルの家を散らされましたが,彼らが末日に集められることを約束されました。モルモン書にある預言は,長らく約束された集合が始まったことを明確にしています。教会の会員には,イエス・キリストの福音を分かち合うことによってこの世の家族を祝福する責任があります。

背景となる読み物

教えるための提案

1ニーファイ22:3-52ニーファイ25:15-173ニーファイ5:24-2620:13,29-3130:2

イスラエルの家の散乱と集合

教会に改宗した生徒,または教会に加わった人を助けたことがある生徒に,それぞれの経験を分かち合ってもらいます。知っている人の中で,福音のメッセージを聞く意志があるかもしれない人がいないか考えるように勧めます。生徒たちに,今日のレッスンの全体を通じて他の人と福音を分かち合うための努力に対する励ましと助けとなる福音の真理を探すように伝えます。

生徒たちに1ニーファイ22:3-5を読み,ニーファイがイスラエルの家について何を預言したかを見つけてもらいます。

  • イスラエルの家が「散らされ〔た〕」とはどういう意味ですか。

イスラエルの家の散乱は,ニーファイの家族がその一部であったために,彼にとって重要なテーマであったことを説明します。彼らは,ユダの地の人々の邪悪のために,エルサレムからアメリカ大陸に散らされました。

モルモン書の預言の多くには,イスラエルの家が末日に再び集められるという,慰めに満ちた約束が述べられていることを生徒たちに伝えます。ホワイトボードに次の参照聖句を書き,各生徒にこれらの節の一つを読んでもらいます。全ての節が読まれるようにしてください。生徒たちに,イスラエルの家とともに集められるには,個人それぞれが何を学び,行わなければならないかを探してもらいます。

2ニーファイ25:15-17

3ニーファイ5:24-26

3ニーファイ20:13,29-31

3ニーファイ30:2

  • イスラエルの家とともに集められるために,個人それぞれが学び,行わなければならないことには何がありますか。(次を含む幾つかの真理が挙げられるでしょう。主は,イスラエルの家の人々が主を信じ,悔い改め,神のもとに来る時に彼らを集められる。

生徒がこの真理をより良く理解する助けとするため,十二使徒定員会のブルース・R・マッコンキー長老(1915-1985年)の次の言葉を読んでもよいでしょう。

〔ブルース・R・マッコンキー長老の画像〕

「イスラエルはなぜ散らされたのでしょうか。答えははっきりしており,明らかです。疑わしいところは全くありません。わたしたちの先祖であるイスラエル人は福音を拒み,神権を汚し,教会を捨て,王国から出て行ったために散らされました。……

では,イスラエルの集合には何が必要なのでしょうか。イスラエルが集合するには主が古代の選民にかつてお与えになった全てのことを信じ,受け入れ,それに従って生活することが必要です。……福音を信じ,教会に加わり,王国に入ることが必要です。……さらに,指定された場所すなわち礼拝の地に集まることも含まれるでしょう。」(A New Witness for the Articles of Faith〔1985年〕515)

  • マッコンキー長老によると,人はイスラエルの家とともに集められるために何をしなければなりませんか。

生徒たちに,彼ら自身が救い主を信じ,悔い改め,主のものとに来たときに,どのようにイスラエルの家に集められたのかを深く考えてもらいます。

1ニーファイ15:12-1622:8-12

教会の会員は末日にこの世の家族に福音をもたらす

リーハイが,家族にイスラエルの散乱と集合について教えるためにオリーブの木の例えを使ったことを,生徒たちに思い出してもらいます(1ニーファイ10:12-14参照)。レーマンとレミュエルは,父の教えたことの意味が理解できなかったとニーファイに言いました(1ニーファイ15:7参照)。

数人の生徒に1ニーファイ15:12-16を順番に声に出して読んでもらいます。他の生徒には,ニーファイのイスラエルの家についての説明から何を学ぶことができるかを探してもらいます。

  • オリーブの木の例えは,イスラエルの散乱と集合を理解するためにどのように役立ちますか。

  • 13節によると,リーハイの子孫の残りの者に完全な福音を伝えるのは誰ですか。(完全な福音を受けた異邦人。)

モルモン書では,異邦人という言葉が,通常ユダの部族,またはユダの地の出身ではない人を指すと生徒たちに説明します。モルモン書には,末日にこれらの異邦人の一部が完全な福音を受けてキリストの教会の会員となるという預言が含まれています(1ニーファイ15:13)。モルモン書の預言者たちは,これらの異邦人が地上全地に福音をもたらす責任を負うと教えています。

生徒たちが異邦人という言葉の定義を理解できるように,ブルース・R・マッコンキー長老の次の説明を見せて,それを読みます。

〔ブルース・R・マッコンキー長老の画像〕

「従来,わたしたちはユダヤ人をユダの王国〔に住んでいた者〕,および,彼らの直系の子孫であると認識してきました。……そして,わたしたちはこの用語の使用において,失われ,散らされたイスラエルの王国の残りの者を含めた,これ以外の全ての人が異邦人であると述べてきました。エフライムの部族に属するジョセフ・スミスは……モルモン書を世に現した異邦人であり,末日聖徒イエス・キリスト教会の会員は……レーマン人とユダヤ人に救いを携えていく異邦人です。」(The Millennial Messiah〔1982〕233)

数人の生徒に1ニーファイ22:8-12を順番に声に出して読んでもらい,他の生徒には,末日に異邦人(教会の会員)によって祝福され,養われる人々を特定してもらいます。生徒がこれらを読むときに,10-11節にある「全ての国民の目の前にその御腕を現される」という句が,主が全世界に御力をお見せになることを意味すると説明するとよいかもしれません。

  • 末日に異邦人によって祝福され,養われるのは誰ですか。(リーハイの子孫,イスラエルの家の全て,および「地の全ての部族」。)

  • 9-11節によると,主は末日にこの世の「部族」(家族)をどのように祝福されますか。(生徒たちが次の真理を見いせるように助けてください。末日には,主が主の教会の会員を通じて,この世の家族を主の福音と聖約で祝福するための業を行われる。

十二使徒定員会のラッセル・M・ネルソン会長による次の声明を見せて,それを一人の生徒に声に出して読んでもらいます。

〔ラッセル・M・ネルソン会長の画像〕

「わたしたちには,アブラハムの聖約が成就するのを助ける責任があります。わたしたちの子孫は,世界中の全ての人を祝福するように予任され,備えられています。……4,000年にわたる期待と備えの時を経て,福音が地上の国民に届けられるように定められた日が来たのです。今は約束されたイスラエルの集合の時です。そしてわたしたちはそれに参加できるのです。胸が高鳴るではありませんか。主はこの偉大なイスラエルの集合の時代に,ふさわしい状態で宣教師として奉仕するわたしたちや息子たちを頼りにしておられ,娘たちに深く感謝しておられます。」(「聖約」『リアホナ』2011年11月号,88)

  • 集められた人々(改宗者)は,集めてくれた人々(福音を伝えてくれた人々)についてどう感じると思いますか。

  • この世の家族と福音を分かち合うことによって,神の業に参加できる方法には何がありますか。

3 ニーファイ16:4-521:1-7

イスラエルの集合におけるモルモン書の役割

生徒たちに3ニーファイ21:1-7を黙読して,末日のイスラエルの集合の始まりを知らせるしるしを探してもらいます。

  • 救い主は「わたしが……あなたがたに告げるこれらのこと」(2節)について話されました。ニーファイ人に対する主の言葉はどこに記録されましたか。(モルモン書。)

  • 末日におけるイスラエルの集合の始まりを示すしるしは何ですか。(生徒が次の真理を見いだせるようにしてください。モルモン書の出現は,神が末日にイスラエルを集めるという聖約を成就されているしるしである。

一人の生徒に3ニーファイ16:4-5を声に出して読んでもらい,他の生徒には末日におけるモルモン書と福音のメッセージの影響を見つけてもらいます。

  • モルモン書は,末日に神の民を集めるためにどのように役立ちますか。(次は,生徒たちが見つける真理の一つです。モルモン書は,人々が贖い主のもとに集められることを可能にするため,主についての知識を人々にもたらすことに役立つ。

一人の生徒に,ラッセル・M・ネルソン会長の次の言葉を声に出して読んでもらいます。他の生徒たちには,イスラエルの集合におけるモルモン書の役割を聞き取ってもらいます。

〔ラッセル・M・ネルソン会長の画像〕

「モルモン書の出現は,主がイスラエルを集め,アブラハム,イサク,ヤコブと交わされた聖約を成就し始められたことを全世界に示すしるしです。わたしたちはこの教義を教えるだけでなく,それに携わっています。幕の両側で主の選民を集めるのを手伝うことで,この業に携わっているのです。

モルモン書はこの業の中心を成しています。集合の教義を宣言し,また,イエス・キリストについて学び,主の福音を信じ,教会に加わるよう人々を促します。実際のところ,もしモルモン書が出現しなければ,約束されているイスラエルの集合は起きないのです。」(「散らされたイスラエルの集合」『リアホナ』2006年11月号,80)

生徒たちに,モルモン書が,他の人たちがイエス・キリストについて学び,キリストの教会に集められる助けとなったのを見たという経験を分かち合ってもらいます。

末日聖徒ではない誰かにモルモン書を分かち合って,イスラエルの集合のプロセスを助けるよう生徒たちにチャレンジしてください。

生徒用資料