2016
バプテスマがたった二人
2016年2月


末日聖徒の声

バプテスマがたった二人

トーマス・R・コールマン(アメリカ合衆国カンザス州)

a cold day in 1957

イラスト/アレン・ガーンズ

グアテマラ・グアテマラシティー伝道部の伝道部会長を務めていたときのことです。新しい宣教師が何人か来たので,わたしは自己紹介をして,自分の改宗とバプテスマについて話しました。

わたしが9歳で,アメリカ合衆国モンタナ州グレンダイブに住んでいた頃,デビッド・ツリー長老とウェイン・マシューズ長老から教えを受けたことを話したのです。1957年のある寒い冬の日,この二人の宣教師とグレンダイブ支部の一人の会員は,わたしをアメリカ合衆国ノースダコタ州ウィリストンまで車で連れて行き,そこの集会所のフォントでバプテスマを受けられるようにしてくれました。

話を終えてから,新しい宣教師たちと面接をしました。すると,その中の一人,ベンジャミン・ピクストン長老が,デビッド・ツリーは自分の祖父だと言い出したのです。わたしは驚き,感激しました。ツリー長老はモンタナ州グレンダイブに住む9歳の少年にバプテスマを施しました。そして,その少年は50年近くたって,その孫が奉仕する伝道部の会長に召されたのです。

ピクストン長老が伝道を終えるとき,両親と祖父母が迎えに来ました。そして,わたしはデビッド・ツリー兄弟と喜びの再会を果たしました。ツリー兄弟と話しながら,わたしはモルモン書を見せました。彼がメッセージと約束を書いて,バプテスマを受けた日にくれたモルモン書です。

ピクストン長老の母親からは,自分の父は伝道のことをあまり話さなかったと聞きました。自分の伝道はあまり成功ではなかったと感じていたのです。バプテスマに導いたのが,一人の独身女性と9歳の少年の二人だけだったからです。

彼のおかげで結局,わたしの家族は全員が改宗し,兄とわたしは伝道に出ましたし,わたしの9人の息子たちも伝道に出ました。そのことを話して,彼に感謝の言葉を伝えました。彼の伝道のおかげで,数え切れないほどの人が福音の教えを受けて教会に入ったと話しました。。

ツリー長老と同僚のマシューズ長老をはじめとして,多くの善良でふさわしく,献身的な神権者たちがわたしの子供時代と青少年の時代に,面倒を見てくれました。この二人の宣教師がイエス・キリストの福音を教えて主の王国に導いてくれたことに,わたしはいつまでも感謝します。わたしは神の王国で,計り知れないほどの祝福を受けてきました。