末日聖徒の声
アリスはわたしの証を読んでいました
フェイス・ワトソン(アメリカ合衆国,ユタ州)
電話に出ると,地元の専任宣教師の一人が興奮した声で,数日後にバプテスマがあることを伝えてくれました。言うまでもなく,バプテスマは宣教師にとっては常に心躍る出来事ですが,バプテスマを受ける姉妹の名前は聞いたことがありませんでした。でもその長老は,わたしを驚かせたいので,必ずバプテスマ会に出席してほしいと言うのです。彼はそれ以上何も言いませんでした。
バプテスマの日,わたしは教会に早く着いて,その驚きとは何なのかを確かめようとしました。しかし,わたしはバプテスマを受けようとしているアリスという若い女性を知りませんでしたし,彼女がわたしを知っているようにも思えませんでした。
心地よい御霊に包まれたバプテスマの後,アリスはモルモン書を手に取り,その教えが真実であること,その教えに感謝していること,特にモルモン書が救い主の証人であることについて証を述べました。証の中で彼女は,モルモン書がどのように彼女の元に来たかを話しました。彼女は地元のショッピングモールの売店で働いていました。ある日,一人の女性がやって来て,彼女の上司にモルモン書を渡しました。その上司は興味がなかったので,その本を棚の上に置きました。
しばらくして,売店が場所を変えることになったとき,上司はその本を捨てるように言いました。しかしアリスは興味を覚え,その本を少しだけ見て,もらってもいいかと尋ねました。
アリスはモルモン書を家に持ち帰って数週間で読み終え,その本に書かれている真理に確信を持ちましたが,どうすればよいか分かりませんでした。数か月後,別の仕事に就いた職場で,一人の末日聖徒と一緒に働きました。アリスがその男性の末日聖徒にモルモン書と教会について質問したとき,彼とその妻は宣教師と会うように勧めました。
それからこの姉妹は,モルモン書の表紙の裏に書かれた証を読みたいと思います,と言いました。その証はわたしが書いたものでした。売店でアリスの上司にモルモン書を渡す前に,そこにわたしが証を書いたのです。
長老たちはうれしそうにほほえんでいました。このことは,わたしの人生でかつて経験したことがないほどの最も快い驚きでした。バプテスマ会の後,福音によって結ばれたわたしの新しい姉妹は走って来てわたしを抱き締めました。
アリスのバプテスマの証人となり,アリスがモロナイの勧告のとおりに,モルモン書を読んで祈ることで得た謙遜な証を聞いて,とてもうれしい気持ちになりました。「もしキリストを信じながら,誠心誠意問うならば,神はこれが真実であることを,聖霊の力によってあなたがたに明らかにしてくださる。」(モロナイ10:4)
神の子供の一人がイエス・キリストの福音から得られる祝福を受けるために,わたしが小さな手助けができたことに深い感謝の念を抱いています。