ミニスタリングの原則
聖餐会によるミニスタリングを行う
聖餐会は,人と気持ちを通じさせ,ミニスタリングを行う機会を提供してくれます。
聖餐会は,霊的な養いを受け,救い主とその贖罪について個人的にじっくり考える時間です。わたしたちは毎週聖餐を取るときに,互いに教化し合います(教義と聖約84:110参照)。しかし,わたしたちのワードや支部には,重荷を負って出席する人や,まったくその場に来ない人もいます。
その神聖な時間を,ミニスタリングを行い,人々の生活を変えるためにどのように使うかについての幾つかの機会を以下に挙げます。
あなたがミニスタリングを行う相手のために聖餐会をより良いものにするのを助ける
ミニスタリングの方法を学ぶ第一歩は,個人や家族について,そして彼らの必要について知ることです。単に相手についてもっとよく知ることによって,聖餐会での礼拝をより良い経験にするのを助けることができる方法があるかもしれません。
双子の幼児をがいる若い母親,ミンディの場合,ミニスタリングシスターのささいな努力により,毎週の聖餐会での彼女の経験が大きく変わりました。
ミンディはこう説明しています。「夫の仕事の都合で,わたしが独りで毎週,双子の娘を教会に連れて行きます。活発な二人の子供とともに聖餐会を最後まで何とか乗り切るのは,ほんとうに大変なことです。でも,ミニスタリング・シスターはわたしを助けるために,それを引き受けてくれたのです。
彼女は毎週一緒に座って,娘の世話をするのを助けてくれます。彼女が隣にいるだけで大きな意味があって,子供たちのかんしゃくやぐずり泣きのときに,わたしの不安をほんとうに鎮めてくれます。わたしの人生のこの時期に,彼女の行為がどんなにわたしに大きな影響を与えたか,彼女は知る由もないと思います。不安だらけの若い母親であるわたしが助けを必要としているのを見て,教会がすべての人にとって平安で幸福な場所になるように,彼女は助けてくれたのです。」
特別な必要を抱えた人を助けるためのアイデア
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会員の必要について長老定員会と扶助協会の指導者と協議します。
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指導者は,会員の必要を満たすのに役立つように,聖餐会の話を計画します。ミニスタリングを行う相手にとって特定のメッセージを聞くことが役立つようであれば,そのアイデアをあなたの指導者に伝えます。
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体の障がいや食物アレルギーのために聖餐の祝福を享受できない人がいるのに気づいたら,詳しく事情を聞いて,礼拝経験を改善するためにどのような調整ができるか尋ねます。その情報をあなたの指導者に伝えます。1
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ミニスタリングを行う相手や知人が,長期間あるいは一時的に家から出られない場合,彼らの家で聖餐を取ることができるかビショップに尋ねます。聖餐会の間にメモを取り,それを電話や電子メールで,あるいは直接会って伝えることもできます。
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ミニスタリングを行う相手に幼児がいれば,聖餐会の間,助けを申し出ることができます。
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ミニスタリングを行う相手が,あまり聖餐会に来ないなら,理解を示し,助けることができる方法について考えるようにします。交通手段が必要であれば,車の送迎を申し出ることができるでしょう。家族の支えがないと感じている人がいたら,あなたと一緒に座るように招くことができます。聖餐会で歓迎され必要とされていると感じられるように,特別に招くことができます。
ささやかな振る舞いに大きな効果があることを忘れない
ミニスタリングについて,中央扶助協会会長のジーン・B・ビンガム姉妹はこう述べています。「隣人への奉仕と『見なされる』ために,立派で大それたことをしなければならないと,わたしたちは時に考えますが,ささやかな奉仕の行いこそ,人々だけでなく,自分にも大きな影響をもたらす可能性を秘めているのです。」2
ベルギーの小さなワードで,エビータは教会の集会中,スペイン語を話す訪問者や会員のために,通訳することをしばしば申し出ます。あるときエビータは,ドミニカ共和国出身で,教会について学んでいる人に紹介されました。彼は英語を少し話しましたが,母国語はスペイン語でした。そこでエビータは,彼が心地よく過ごせるように,聖餐会で彼のために小声で通訳することを申し出ました。
エビータはこう話しています。「通訳をすると,わたしの安息日が幾らかあわただしくなることがあります。でも,通訳が必要かどうか尋ねるようにという促しに従うとき,喜びと温かい気持ちを感じます。わたしの助けによって,人々が御霊を感じて集会を楽しめることが分かるからです。」
ささやかな振る舞いによって助けるためのアイデア
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聖餐会でもう少し助けが必要な人を見つけるために指導者と話し合います。または,助けが必要な人を知っていれば,指導者がその人に気づいていることを確認します。
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静かに座って,開会を待ちます。これは「周囲にいる打ち砕かれた心と悔いる霊を持つほかの人たち」を助けることになるでしょう。3彼らは聖なる場所で敬虔さを通してもたらされる平安を必要としているのです。
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ミニスタリングを行う相手の中に特別な慰めを必要とする人がいれば,断食安息日に,断食と祈りをその人にささげることを考えてください。
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聖餐会で隣や近くの席に座ることで助けになる人や,ほかの方法で助けることのできる人がいるかどうか知るために祈ってください。
聖餐会はすべての人が歓迎される場所になる
ジョセフ・フィールディング・スミス大管長(1876-1972年)はこう教えています。「聖餐会は,教会のすべての集会の中で最も神聖で,最も聖なるものです。」4この場合,聖餐会に出席しているすべての人が,特に新しい会員やしばらく欠席していた会員が,歓迎され霊的に養われたと感じようにすることが大切です。
オーストラリアのニューサウスウェールズ州出身のメラニアは,彼女のワードで教会について学んでいる女性と親しくなりました。メラニアはこう話しています。「彼女は今ではわたしの親友の一人になりました。毎週聖餐会で彼女と一緒に座るのが大好きです。彼女がどうしているか,彼女を助けるために何かできることがないか,わたしはいつも尋ねます。」しばらくして,メラニアの友人はバプテスマを受けました。ワードの会員たちの働きが,聖餐会の心地よい雰囲気とともに,彼女の決心において大きな役割を果たしたのです。
戻って来た会員や新会員にミニスタリングをするためのアイデア
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聖餐会で話をするときに,友人や家族,そのほかの人をあなたのメッセージを聞きに来るよう招待することができます。
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独り切りの人や助けが必要かもしれない人を探して,歓迎することができます。彼らの隣に座ってもよいか尋ねるか,あるいはあなたと一緒に座るように招きます。
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集会が終わったら,ミニスタリングを行う相手やそのほかの人を次の教会の活動,神殿,社交行事などに招待することができます。
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ミニスタリングを行う相手が聖餐会に出席した後しばらくの間出席していなかったなら,教えられたことについて質問がないか尋ねることができます。もし理解できない言葉や物語,教義があれば,いつでも喜んで説明することを伝えてください。必要であれば,質問の答えを一緒に探すことができます。