小さなパンのワゴン
このお話を書いた人は,アメリカ合衆国バーモント州に住んでいます。
「あなたがたが同胞のために務めるのは,とりもなおさず,あなたがたの神のために務めるのである。」(モーサヤ2:17)
サミーは目を開けてあくびをしました。何かおいしいにおいがします。
うーん,パパがパンを作っているんだ!サミーはそう思いました。
パパは毎週土曜日に家族のためにパンを焼いてくれます。サミーはパパがオーブンからカリカリの茶色いパンを取り出すのをながめるのが好きでした。パパはいつもサミーに最初の一切れをくれます。
でも,今日は土曜日じゃないのにとサミーは思いました。パパはなぜパンを焼いているんだろう?
サミーはベッドから出て台所に向かいました。サミーはパパに,どうしたのか聞きました。
「ビショップが何て言っていたか覚えているかい?」パパが言いました。
サミーはうなずきました。「ビショップは,人を助けてください,って言ったね。ぼくはマーティン姉妹がカバンを二階に持っていくのを手伝ったよ。覚えてる?」
「よくやったね」とパパは言いました。「わたしはどうやって助けられるかいのってみたんだ。すると,パンを焼いてだれかに分けるというアイデアを思いついたんだよ。」
サミーは,オーブンのまどをのぞきこみ,パンの数を数えました。
「1,2,3,4。パンをだれにあげるつもり?」
「そのことで助けてほしいんだ」とパパは言いました。「マーティン姉妹のために一つ。ミラー家のために二つ。4つ目のパンはだれにあげたらいいだろう?」
サミーはそれについて考えました。
「リーさんはどうかな?」とサミーは言いました。リーさんは,同じアパートに住んでいる人です。あまり外に出ることはなく,たいてい,まどから人々をながめています。
「それはすばらしいアイデアだね」とパパは言いました。
パンが焼き上がると,サミーはパパがパンを包むのを手伝いました。それから,ワゴンを持ってきて,二人でパンをワゴンの中に入れました。
「パンのワゴンは出発の準備万端だよ!」サミーは言いました。
パパはサミーがワゴンを引くのを助けました。サミーの心は,温かくていい気持ちがしました。まるで,配ろうとしているパンのような気持ちでした!