2021
大きな違いをもたらした小さな贈り物
2021年12月号


末日聖徒の声

大きな違いをもたらした小さな贈り物

わたしたちは小さな奉仕の行いがほかの人たちの生活に力強い方法で祝福をもたらすことを学びました。

photograph of wrapped Christmas gift

ある年のクリスマス,妻のジュリアが杖の形のチョコレート菓子を作り,それを二人で小さな飾り箱に詰めました。そして,自分たちがミニスタリングをしているスペイン語支部の人たちを訪問しました。プレゼントを渡して,メリークリスマスと伝えるためです。

支部の優しい年配の会員であるサンチェス兄弟の家に着くと,ドアをノックして待ちました。だれもいないようだったので,わたしたちはお菓子を郵便受けに入れておきました。

数週間後の聖餐会で,サンチェス兄弟は自分の改宗や,人生で経験してきたたくさんの奇跡について話をしました。人生の最も深い疑問に答えるモルモン書の驚くべき力について証しました。何十年も前に自分を教えてくれた宣教師からもらった聖典の合本を掲げてみせました。その声は,主への愛と証のために震えていました。

それからサンチェス兄弟は,わたしたちが思いもよらなかったことをしました。わたしたちがあげた小さな飾り箱を,説教壇の上に置いたのです。その箱を見つけたとき,自分は糖尿病だからこのお菓子を食べることはないだろうと思ったと,サンチェス兄弟は言いました。箱はナイトテーブルの上に置いたまま,忘れてしまったそうです。

数日後,ベッドで横になっていたサンチェス兄弟は,突然,血糖値が下がったのを感じました。体が震え始め,恐怖に襲われました。これは緊急事態だと気づいたサンチェス兄弟は,救急車を呼んだ方がいいかもしれないと思いました。そのとき,箱が目に入りました。サンチェス兄弟は箱をつかんで開けると,急いでチョコレートを口に入れました。血糖値が正常に戻るにつれ,気分が落ち着いてきました。

サンチェス兄弟は空の箱を持ち上げ,小さな奉仕の行いが大きな違いを生むのだと証しました。そのような経験は偶然ではないことと,天の御父の手はわたしたちの生活の細部にまで及んでいることを証しました。

妻とわたしは,自分たちの小さな奉仕の行いがサンチェス兄弟に大きな影響を与え,その命さえ救ったのかもしれないと知り,謙遜な気持ちになりました。わたしたちが周囲の人々のために小さな奉仕の行いをするとき,主は力強い方法で,ほかの人たちの生活に祝福をもたらす機会の扉を開いてくださいます。