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あなたの神聖な本質を理解する
自分の神聖な本質を真に理解しようとするとき,わたしたちの視点は変わります。
わたしは何者なのでしょうか。どのような人物になりたいのだろうか。これら二つの疑問は,だれもが人生のどこかの時点で抱くものかもしれません。
自分の本質を理解することは,自分自身やほかの人たちをどう見るかにおいてとても重要です。しかし,周囲から聞こえてくる声がすべて,自分の本質や価値は容姿や社会的地位,仕事や学校での成功といった現世の事柄によってもたらされると言ってくるとき,それらの疑問に答えるのは難しくなります。
この世の意見に人はつい耳を傾けてしまうものであり,その声はわたしたちを圧倒し,落胆させ,当惑させます。しかし,自分の神聖な性質をほんとうに理解するとき,わたしたちは自分自身やほかの人たちを神が御覧になっているように見ることができるようになるのです。
わたしたちは何者なのか
わたしたちの中には,「神の子です」(『賛美歌』189番)を歌いながら育った人や,どこかで習ったという人もいるでしょう。でも,たとえその歌詞を暗記しているとしても,わたしたちは天から受け継いでいるものの大切さを容易に見落としてしまうものです。
使徒パウロは,わたしたちは死すべき存在以上のものであると教えています。
「御霊みずから,わたしたちの霊と共に,わたしたちが神の子であることをあかしして下さる。」(ローマ8:16)
現代の預言者や使徒たちも,この真理を再確認しています。十二使徒定員会会長代理のM・ラッセル・バラード会長は次のように教えています。「わたしたちは神の霊の子供であるため,すべての人には神聖な起源,性質,可能性があります。わたしたち一人一人は,『天の両親から愛されている霊の息子,娘』です。これがわたしたちのアイデンティティーであり,わたしたちの真の姿なのです。」1
この真理には,わたしたちは現世の前に神とともに住んでいたこと,神の形に創造されたこと,そしてわたしたちには神聖な性質だけでなく,神聖な行く末もあるという知識が含まれています。
自信を築く
このように思い出させてくれるものが数多くあってもなお,わたしたちは自分が何者であるかを疑うことがあります。サタンはわたしたちが自分が何者であるかを見失うよう絶えず働きかけてきます。自分の神聖な本質を理解し,それに従って生活するとき,わたしたちは神聖な力に恵まれるということを,サタンは知っているからです。天の御父とイエス・キリストを知るとき,わたしたちは自信を増すことができます。
聖文を研究しながら,御自分の子供たちに対する神の愛を示している証拠を探してください。自分の生活の中に神の手を見ることができるよう祈り,神の愛を感じたり,神の導きに気づいたりしたときのことを記録してください。後ろ向きな考えが浮かんだときには,神は自分のことを御存じであり,気にかけてくださっているとあなたが知っている理由を思い起こしましょう。
救い主の特質を学んでください。そうすることで,自分自身の中にあるそれらの特質がよりよく見え,主の助けによって自分がどのような人物になれるかについて,より明確なビジョンを持てるようになります(モロナイ7:48参照)。
また,天の御父や救い主とより近い関係を育むことは,御二方があなたの中に見ている無限の可能性を知る助けとなります。
わたしたちの神聖な性質を知る
では,この知識はあなたにとってどのように役立つのでしょうか。自分が神の子供であることをほんとうに理解するとき,わたしたちは以下のことができるようになります:
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自分の価値を,現世のものや世俗的なものにではなく,神との関係の中に見いだす。
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神の愛は恐れを払いのけ,生活に平安をもたらすことを理解する(1ヨハネ4:18参照)。
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互いの違いを気にせず,人々を愛する。わたしたちは皆,「共通の神聖な受け継ぎによって結ばれている兄弟姉妹」であると,バラード会長は説明しています。「その一つの簡潔な,一致をもたらす事実は,わたしたちが自分たちの間に分離や分裂を引き起こすのを許しているそのほかのあらゆるものよりも重要であるべきです。」2
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永遠の観点を持つ。わたしたちの神聖な本質は,わたしたちの最終的な目標を思い起こさせてくれます。それは天の両親のようになり,御二方のもとに戻ってともに住むことです。七十人のジョセ・A・ティシェラ長老は次のように教えています。「自分の真の姿が分かれば,天の家に帰る道があることを認め,その道を思い出し,そこへ帰りたいと強く望むようになります。」3
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自信を見いだし,人生に訪れるあらゆる機会,困難,経験を通して神の導きを信頼し続ける。
自分がほんとうは何者なのかを知ることは,永続的な幸福と平安を得る助けとなります。ですから,人生がつらいときや,この世の声がやかましくなったときには,天の御父はいつもそばにいて,わたしたちが自分はほんとうは何者であり,どのような人物になれるかを理解するのを助けてくださることを思い出してください。