単元12—第1日
教義と聖約49章
はじめに
この教会に改宗したばかりのリーマン・コプリーは,宣教師に,以前属していたシェーカー派という宗教団体の会員たちに福音を宣べ伝えてほしいと願っていました。しかし,コプリーは前の宗派の誤った信条の幾つかを信じ続けていました。1831年5月7日,リーマンが根強く信じていることを憂慮したジョセフ・スミスは主に尋ね,啓示を受けました。それは,現在,教義と聖約49章に記録されています。この啓示の中で,主はシドニー・リグドンとパーリー・P・プラットに,リーマンを伴ってシェーカー派の人々に福音を宣べ伝えるよう命じられました。また,主はシェーカー派の人々が誤って理解していた教義を明らかにされました。例えば,キリストの再臨のもつ性質やバプテスマの必要性,結婚と家族の重要性,動物を食用に用いることなどについて明らかにされたのです。
教義と聖約49:1-4
主は,シェーカー派の人々を教えるようシドニー・リグドン,パーリー・P・プラット,リーマン・コプリーを召される
サル用のわなを見たことがありますか?サルをわなにかける方法の一つに,ナッツや食べ物のかけらを穴の開いた容器に入れるというものがあります。穴の大きさは,ちょうどサルの手が入る大きさで,縄やケーブルで容器を縛り,サルがわなをもって逃げないようにします。サルが容器に手を入れて物をつかむと,拳が穴よりも大きいため手を抜くことができません。サルは物を放すまいとするため,捕えられてしまうのです。
教義と聖約49章の前書きを読みながら,そこに書かれている状況がサル用のわなと似ている点を探してください。リーマン・コプリーが手放そうとしなかった誤った信条にはどのようなものがありましたか。
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聖典学習帳に「シェーカー派の信条」と書きます。それから,前書きに記されているシェーカー派の信条を4つ書き出します。聖典のその箇所に印をつけてもよいでしょう。
キリスト再出現信者連合会の信者は,その独特の礼拝方法のために一般的に「シェーカー派」と呼ばれていました。歌ったり,踊ったり,音楽に合わせて手をたたくときに体を揺らしていたためです。
教義と聖約49:1-4を読み,主がシェーカー派の信条について明らかにされたことを見つけてください。2節で,主が指摘されたシェーカー派の望みに印をつけるとよいでしょう。
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次の質問の答えを聖典学習帳に書きます。
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「真理を一部分知りたいとは望んでいるが,すべてではない」(教義と聖約49:2)とはどのような意味だと思いますか。
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教会員が,一部の福音の真理や標準を受け入れながら他のものを無視する例にはどのようなものがありますか。
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教義と聖約49:2で教えられている原則を完成させるには,次の空欄にどのような言葉を補うとよいでしょうか。主の御前に正しいとは,主が明らかにされたの真理を受け入れたいと望むことです。
この原則を,聖典の2節の横に書き込むとよいでしょう。真理を一部しか受け入れないことによって,受け損なう祝福について考えてください。
教会員が陥るわなで幾つか思い当たるものがあるかもしれません。一部の会員は,一部の教えや標準を受け入れるもののすべては受け入れません。また,「〔主〕の前に正しく」(教義と聖約49:2)あることを妨げる態度を変えようとしない会員もいます。例えば,日曜日に教会には行くものの,残りの時間を,安息日を破る活動に費やす人がいます。あるいは,聖典を読み御霊を求めて祈るものの,聖霊を追い払ってしまうような音楽を聴く人もいるでしょう。
十二使徒定員会のジョセフ・B・ワースリン長老は次のように述べています。
「サタンは,熟練したペテン師であり,あらゆる偽りの父です。主と主の贖いの犠牲に対する信仰を行使し,あらゆる戒めを守ることによってのみ,皆さんは自分の力へと注意深く導こうとするサタンの執拗で狡猾な影響から守られるのです。
福音は,あちらこちらで少しずつつまみ食いするようなバイキング料理と同じように扱うことはできません。きちんと座ってすべての食べ物を残らず食べる,すなわち主の愛のこもった戒めを完全なまま生活に取り入れなければならないのです。
皆さんはこれまで戒めを学んできました。ですから,何をすべきかは知っているはずです。すなわち祈り,聖文を学び,断食をし,什分の一とそのほかの献金を納め,集会に出席し,他の人に奉仕し,教会の指導者を支持し,聖約を交わすだけでなく守り,福音を分かち合い,正直,純潔,慈善,徳高くあることです。」(「あなたの選び」『聖徒の道』1998年11月号,47)
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聖典学習帳に,戒めや標準の一部を受け入れながら,誤った信条や行いを捨てないことの危険性に関する説明を書いてください。これはどのような点で霊的な「わな」と言えるでしょうか。
天の御父があなたのために備えておられる祝福をすべて受けるために,あなたが手放さなければならないものについて考えてください。主の前に正しくあることを妨げているものを手放すための目標を書くとよいでしょう。
教義と聖約49:5-28
主,シェーカー派の誤った教義を正し,僕たちに,悔い改めてバプテスマを受けるよう招くように命じられる
主は,リーマン・コプリー,シドニー・リグドン,パーリー・P・プラットに,シェーカー派の人々に福音を宣べ伝えるよう命じられました。(教義と聖約49:1-4参照)リーマン・コプリーは,長老たちに,以前属していた教会の会員たちに福音を宣べ伝えてほしいと願っていました。
ある団体に,その信条の一部が誤りであると伝え,正しい福音の原則を教えることを想像してみてください。パーリー・P・プラット,シドニー・リグドン,リーマン・コプリーはシェーカー派を訪れ,教義と聖約49章の啓示の写しを読み上げました。
次の表の左の欄の聖句を研究し,それぞれの聖句が教えている原則が右の欄のどれにあたるか考えてください。その後,それぞれの質問について考えてください。
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大管長会と十二使徒定員会はこう教えています。「神がアダムとエバに授けられた最初の戒めは,彼らが夫婦として親になる能力を持つことに関連したものでした。わたしたちは宣言します。すなわち,増えよ,地に満ちよ,という神の子供たちに対する神の戒めは今なお有効です。生殖の神聖な力は,法律に基づいて結婚した夫婦である男女の間においてのみ用いるべきです。」(「家族—世界への宣言」『リアホナ』2004年10月号,49)
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次の質問の答えを聖典学習帳に書きます。
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サタンはなぜ結婚関係を損なおうとするのでしょうか。サタンはなぜ,人々に結婚するべきではないと思い込ませようとするのでしょうか。
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男女間の結婚は主の計画にとってなぜ大切なのでしょうか。同性結婚はどのように主の計画をくじくでしょうか。
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日の栄えの結婚に備えるために,今,あなたはどのようなことができるでしょうか。
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サルのわなについて考えてください。主の前に正しくあるためには主のすべての教えを受け入れる必要があるという原則について考えてください。それから,教義と聖約49:26-28に記されている主の勧告と約束を読んでください。この聖句を読むときに,主の前に正しくあろうとするあなたの努力について,主が直接あなたに語りかけておられると想像してください。主の勧告と約束がどのように自分に当てはまるか考えてください。
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聖典学習帳の今日の課題の下に,次の言葉を書いてください—
_月_日,教義と聖約49章を学習し,このレッスンを終了しました。
教師に伝えたいこと(質問,思ったことや分かったこと)—