単元1—第2日
大背教
はじめに
イエス・キリストは地上で教導の業を行っておられたときに，御自分の教会を設立されました。大管長会のヘンリー・B・アイリング管長は，次のように説明しています。「キリストが天に昇られた後，使徒たちは主から委ねられた鍵を引き続き行使しました。しかし，会員が不従順で，信仰を失ったために，使徒たちは鍵を継承者に伝えることなく世を去りました。その悲劇を，わたしたちは『背教』と呼んでいます。」（「まことの生ける教会」『リアホナ』2008年5月号，20－21）この背教が広がったため，神権の権能が人々の間から失われました。大背教について理解することは，この末日にイエス・キリストの福音の回復が必要であったことをもっとよく理解する助けになります。
イエス・キリストは地上におられたとき，御自分の教会を設立された
次の図の中の部品と本体を組み合わせてください。
あなたが組み合わせた部品が付いていなくても，その本体は使えるでしょうか。これを主の教会と対比してください。イエス・キリストの教会から取り去られた場合に，教会が機能しなくなったり，あるいは存在できなくなったりする，教会に不可欠なものがあるでしょうか。
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あなたの聖典学習帳に，イエス・キリストの教会に不可欠な要素という見出しを書いてください。このレッスンで様々な要素を見つけたときに，この見出しの下にそれをリストアップしてください。
エペソ2：19－22を読み，イエス・キリストがこの世で教導の業に携わっておられたときに御自分の教会を何の土台の上に建てられたか，その土台に印を付けてください。使徒たちと預言者たちが教会の「土台」と見なされたのは，なぜだと思いますか。隅のかしら石はどなたでしょうか。
聖典学習帳に書かれているイエス・キリストの教会に不可欠な要素のリストに次の真理を書いてください。使徒たちと預言者たちがイエス・キリストの教会の土台である。
次の絵は何の出来事を描いたものでしょうか。
ヨハネ15：16を読み，神の子供たちの救いのために欠かせないイエス・キリストの教会のもう一つの要素を見つけてください。
救い主は，天に昇られる前に，教会を指導し，神の子供たちの救いのために神の御名によって行動する権能を，御自分の使徒たちに授けられました。この神権の権能には，教会を指導し，救いのために必要な儀式を執行する神権の鍵，すなわち権利が含まれます。聖典学習帳のリストに次の真理を追加してください。神権の権能は，聖約と救いの儀式を受けるために必要である。
十二使徒定員会のD・トッド・クリストファーソン長老は，まことの教会に不可欠なもう一つの要素について次のように述べています。「これまでに受けた真理と教義は神の啓示によってもたらされたのであり，これからも受け続けるという意味です。一部の宗教では，……教義に関する事柄について意見を戦わせることがあります。……わたしたちは，理解を深めるための学問は重要だと考えています。しかし今日の教会において，キリストの教義を確立したり教義的な逸脱を正したりする際には，昔と同様に，主から使徒の権能を授かった人々が受ける神の啓示によって行われます。」（「キリストの教義」『リアホナ』2012年5月号，86）
クリストファーソン長老によれば，使徒や預言者たちに欠かせない一つの役割とは何でしょうか。
教義とは，イエス・キリストの福音の基本的な永遠の真理です。主の教会において真実の教義が教えられ，正しく理解されることが必須であるのは，なぜだと思いますか。
聖典学習帳のリストに次の真理を書き加えてください。使徒や預言者たちは神の啓示によって正しい教義を確立する。
イエス・キリストの福音には多くの教義がありますが，セミナリーの生徒は，セミナリーで学ぶ間に以下の基本的教義をさらに深く理解するように奨励されています。そうすれば，証が強められ，他の人々に福音を教えるための備えができます。
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神会
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救いの計画
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イエス・キリストの贖罪
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神権時代，背教，回復
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預言者と啓示
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神権と神権の鍵
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儀式と聖約
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結婚と家族
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戒め
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今年度，教義と聖約を学びながら常にこれらの教義によく注意を払い，知識と理解を深めるように努めてください。
主の教会に不可欠なもう一つの要素を確認する助けとして，次の絵を見て，共通するものは何か考えてください。
儀式は，その儀式を執行する適切な神権の権能と承認を受けている人が行う神聖な，公式の行為です。儀式がイエス・キリストの教会にとって不可欠なものであるのは，なぜだと思いますか。（この質問に答える助けとして，ヨハネ3：5を読んでください。その後，バプテスマと確認の儀式を受けることができず，また聖霊の賜物を受けることができなければどのようなことが起こるか考えてください。）
聖約とは，「神と人との間で交わされる合意。ただし，この合意は対等の関係によるものではない。神は聖約に関して条件を定め，人は神から求められることを行うという同意をする。そして神は，人が従順であることに対して定められた祝福を与えると約束される。」（『聖句ガイド』「聖約」の項。scriptures.lds.org）儀式は人が神と聖約を交わす手段であり，祝福は聖約を守ることによって与えられます。
神権の救いの儀式のすべてに聖約が伴います。聖約は神と人の間で交わされる神聖な合意です。聖典学習帳のリストに次の真理を追加してください。末日聖徒イエス・キリスト教会において，わたしたちは救いのために必要な儀式を受けることができる。
イエス・キリストは地上におられたとき，あなたがイエス・キリストの教会にとって不可欠なものであると学んだそれぞれの要素を確立されました。イエス・キリストは亡くなり，復活し，天に昇られた後も，啓示によって御自分の使徒たちを指導し，導きを与え続けられました。使徒に率いられ，古代の教会は急速に広がり，何千人もの人々がバプテスマを受けました。聖徒たちはローマ帝国のあちこちで集うようになりました（現代のスペイン，トルコ，ギリシャ，シリアの地，またヨーロッパやアジア，アフリカのその他の地も含まれます）。使徒たちの手で，長老と監督（ビショップ），執事，祭司，教師，伝道者（祝福師）が召され，適切な神権の権能が与えられました。
主が地上で教えを授けられた後，大背教が起こり，何世紀もの間その状態が続いた
使徒たちの努力があったにもかかわらず，初期の教会は教会の内外からの脅威に直面しました。以下の聖句を読み，それらの脅威の幾つかを確認してください。
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十二使徒定員会のボイド・K・パッカー会長は，新約聖書の時代の教会が失った大切なものについて語っています。
「ヤコブはエルサレムでヘロデによって殺され，ペテロとパウロはローマで死にました。ピリポは東方に渡ったと言われています。これ以外のことは分かっていません。
彼らは散り散りになりました。教え，証し，教会を確立しました。そして信仰のために死にました。その後，背教という暗黒の時代が訪れます。」（「十二使徒」『リアホナ』2008年5月号，84）
土台が取り去られたら，建物はどうなるでしょうか。
初期の教会の崩壊は大背教と呼ばれています。人々が福音の真理から離れて，主の権能を持つ僕たちを拒むとき，背教が起こります。
さらにパッカー会長は，大背教の結果失われた大切なものについて次のように説明しています。「背教によって失われた最も貴重なものは十二使徒が持っていた権能，すなわち神権の鍵でした。教会が主の教会となるためには，神権の鍵を持ち，その鍵を他の人に授ける十二使徒定員会がなければなりません。」（「十二使徒」 84）
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神権の権能が失われると，教会に不可欠なその他の要素にどのような影響が及ぶでしょうか。
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預言者たちと使徒たち，神権の権能，またイエス・キリストの教義についての正しい知識なしに教会を復興させる方法がないのは，なぜでしょうか。
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パッカー会長は歴史上のこの時代について次のように語っています。「数世紀がたち，勢いは衰えていきました。儀式は変えられ，廃止されていきました。神権の系統は断ち切られ，聖霊の賜物を授ける権能も失われました。世界中に背教という暗黒の時代が到来したのです。」（「炎のように分かれた舌」『リアホナ』2000年7月号，8）
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セミナリーのこのコースで教義と聖約とジョセフ・スミス—歴史を学習すれば，大背教の影響に打ち勝つためには真理と神権の権能の回復が必要であることが分かります。回復とは，神がこの世の人々の間に福音の真理と儀式を再び確立されることです。イエス・キリストの福音は，キリストの使徒たちが地上での働きを終えた後に起きた背教により，地上から失われました。この背教があったために，福音の回復が必要となったのです。（『聖句ガイド』「福音の回復」の項参照，scriptures.lds.org）
研究すれば，イエス・キリストの教会に不可欠な要素が，それぞれ預言者ジョセフ・スミスによってどのように地上に回復されたかを理解できるでしょう。主は世の人々に救いをもたらす目的をもって御自分の教会を再び設立されたのです。
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＿月＿日，「大背教」のレッスンを学習し，終了しました。
教師に伝えたいこと（質問，思ったことや分かったこと）—