セミナリー
単元26—第4日,教義と聖約123章;ノーブーの設立


単元26—第4日

教義と聖約123章;ノーブーの設立

はじめに

預言者ジョセフ・スミスは,1838年12月から1839年4月までミズーリ州リバティーでリバティーの監獄に投獄され,その間に,聖徒たちにあてて慰めと勧告の手紙を書きました。教義と聖約123章は,聖徒たちにあてた1839年3月20日付けの手紙からの抜粋です。この抜粋の中で,ジョセフは,ミズーリから追い出された聖徒たちに勧告を与えました。ジョセフ・スミスは監禁状態からの逃避を許された後,聖徒たちに合流し,彼らとともにイリノイ州ノーブーの市の設立のために働きました。

教義と聖約123:1-6

ジョセフ・スミスは聖徒たちに,受けた迫害と苦難の記録を集めて出版するように勧める

1839年3月,聖徒たちは,ミズーリで激しい迫害を受けて苦しんでいました。預言者ジョセフ・スミスと他の何人かの教会指導者はミズーリ州リバティーで投獄されており,また聖徒たちは,リルバーン・W・ボッグズ知事が発した撲滅令のために,厳しい冬の数か月間にミズーリ州から追い出されていました。

聖徒たちに対する不当な行為の幾つかについて述べている次の文を読んでください。「以下のことをはっきり申し上げることができます。わたし,デリア・リードは,1836年にミズーリへ移り住みました。そこに到着して間もなく夫は亡くなり,わたしには7人の幼い子供が残されました。その後,わたしはコールドウェル郡へ移り住み,土地を開拓して農場にし,……1838年の秋まで……農場に住んでいました。住民とモルモンの間で争いが生じたとき,わたしは教会のほかの人々とともに,やむなく州を去ることになりました。……わたしは財産の大半を犠牲にせざるを得ず,〔また〕家族はばらばらになり,わたしは見知らぬ人々の中で日々の収入を得なければなりませんでした。」(デリア・リード,Mormon Redress Petitions: Documents of the 1833–1838 Missouri Conflict,クラーク・V・ジョンソン編〔1992年〕,523で引用;原文〔英語〕においては,句読点,大文字,つづりは標準用法に修正)

リード姉妹はこの公式の供述書を司法官に提出しました。彼女がこの供述書を提出することになったのはなぜか,考えてみてください。

教義と聖約123:1-5を読み,預言者ジョセフ・スミスが迫害を受けた聖徒たちに何を行うように勧告したか見つけてください。5節の「極悪な所業」という言葉は邪悪な虚言を指し,「非道かつ残忍な詐欺行為」という言葉は悪行と暴力行為を指すということを知ることは,有益かもしれません。

教義と聖約123:6を読み,迫害と苦難の記録を集めるように聖徒たちに告げられた理由を見つけてください。(「わたしたちに命じられている」とは「わたしたちに求められている」という意味です。)

聖徒たちの多くは,預言者の勧告に従い,迫害に関する多数の記録を集めました。その記録の中には,彼らの家や家畜やそのほかの財産の破壊と損害,身体的虐待,また人命の喪失が含まれていました。神が問題を解決してくださるのをただ待ち望むのではなく,これらの記録を集めて,それを政府の指導者たちに提出することが聖徒たちにとって重要であるのは,なぜだと思いますか。教義と聖約123:6から学べる一つの真理は,わたしたちが自分のなすべきことを行った後に,主は約束を果たしてくださるということです。主が約束を果たしてくださる前にわたしたちが自分のなすべきことを行うことを,主がわたしたちに期待しておられるのはなぜなのか,よく考えてください。

  1. journal icon次の質問に対する答えを聖典学習帳に書いてください。この真理があなた自身の生活で,あるいはあなたが知っているだれかの生活で現実になるのを見たのは,どのようなときでしたか。

教義と聖約123:7-17

ジョセフ・スミスは,偽りによって欺かれている人々を助けるように聖徒たちに勧告する

学校の授業で教会についてレポートを書く課題を与えられたと想像してください。その条件の一部として,少なくとも3つ情報源を挙げる必要があります。次の質問にどのように答えるか考えてください。

  • レポートのためにどの情報源を使うことができるでしょうか。

  • 教会について書くためにどの情報源を使うかが重要であるのは,なぜでしょうか。

  • 教会について正確に述べているのはどの情報源か,どうすれば分かるでしょうか。

教義と聖約123:7-10を読んでください。預言者ジョセフ・スミスがこの手紙を書いた当時,教会について多くの偽りが広がっていました。聖徒たちは,これらの偽りに対応して迫害と苦難の記録を集めて出版することが「ぜひとも果たすべき義務」(教義と聖約123:7,9)であると告げられました。

教義と聖約123:11-12を読み,どうして聖徒たちはこれらの記録を集めて出版するように指示されたのか,もう一つの理由を見つけてください。

  1. journal icon次の質問の答えを聖典学習帳に書きます:

    1. 教義と聖約123:12によれば,どうして心の清い多くの人が目をくらまされ,真理を得られずにいるのでしょうか。

    2. この時代に聖徒たちの迫害と苦難について真理を出版することは,他の人々が福音の真理を見いだすのに,どのような助けとなるでしょうか。

    3. 12節によれば,地上の多くの人が真理を得られずにいるのは,なぜでしょうか。この質問に答えて,次の真理を完成させてください。_ために,真理を得られずにいる多くの人がいる。

今日もなお,「人々の狡猾な悪巧みによって目をくらまされ」,それを見いだす場所を知らないということだけで真理を得られずにいる多くの人がいます(教義と聖約123:12)。

〔M・ラッセル・バラード長老の画像〕

十二使徒定員会のM・ラッセル・バラード長老が述べた次の言葉を読み,人々がわたしたちの時代の教会について事実を知るのを妨げるものは何であると述べられているか,その言葉に下線を引いてください。「あまりにも多くの人が,教会について事実とかけ離れた理解をしています。彼らが教会について聞く情報のほとんどが,ニュースメディアによるものであり,そのような記事は論争するために書かれたものが多いからです。論争ばかりに目が行くと,末日聖徒イエス・キリスト教会についての人々の認識が否定的なものになってしまいます。」(“Sharing the Gospel Using the Internet,” Ensign, 2008年7月号,62)

1839年当時の聖徒たちと同じように,わたしたちも,ほかの人々が教会,すなわち,教会の会員や指導者,信条,歴史,教え,活動を正しく理解するのを助けるように指示されています。

  1. journal iconほかの人々が教会について正しく理解できるように助けるために,また人々が真理を見いだせる場所を知ることができるように助けるために,あなたが行える事柄を聖典学習帳に書き出してください。

バラード長老の次の言葉を読みながら,ほかの人々が教会について正しく理解できるように助けるためにわたしたちができる方法を一つ見つけてください。

〔M・ラッセル・バラード長老の画像〕

「教会は,常にどこかで話題に上っています。そうした会話は,わたしたちがその輪に加わるか否かに関係なく続いていきます。しかし,教会が何を教えているかについて,教会を批判する人も含めたほかの人々が彼ら自身で結論を出そうとしているときに,わたしたちは傍観しているわけにはいきません。何十万,あるいは何百万という人々の加わる会話から,それよりもはるかに少ない人数で行われている多くの会話まで,インターネットでのやり取りに加わる人々はそこから影響を受けています。一つ一つの会話ややり取りから,末日聖徒イエス・キリスト教会に対する認識が形成されていくのです。

福音を分かち合い,回復のメッセージを簡潔で明瞭な言葉で説明するため,インターネット上の会話に参加していただけないでしょうか。……そのためには,言うまでもなく,福音の基本的な原則を理解しておく必要があります。福音の真理について明快正しい証を提供できることが不可欠です。」(“Sharing the Gospel Using the Internet,” 61–62

  1. journal icon聖典学習帳で次の課題を行ってください。

    1. ほかの人々が教会についてもっと深く理解できるように,あなた,またはあなたの知人が助けたときのことを書いてください。

    2. 課題3で挙げた方法の一つを選んでください。そして,あなたはそれをどのように行って,他の人々が教会と福音について事実を学び,見いだすことができるように助けたいか書いてください。

教義と聖約123:13-16を読み,聖徒たちは自分の経験についての正確な話を他の人々に伝えるように努力することについて,何と告げられたかを見つけてください。15節によれば,その努力を「ささいなこと」と思ってはならないと告げられたのはなぜでしょうか。

教義と聖約123:15から学べる一つの原則は,ささいな戒めであると思われる主の戒めにも従うという決意が,将来の自分の人生に大きな影響を及ぼすということです。

helm and sail

教義と聖約123:16によれば,舵のような小さなものが非常に大きな船にさえ影響を与えることができるのは,どうしてでしょうか。(この節の中の「風と波に対して進路を保つ」は,嵐の中で船のバランスを保ち,転覆しないようにすることができるということです。)

  1. journal icon次の質問の答えを聖典学習帳に書きます:

    1. わたしたちのささいな決断は,どのような点で船の舵に似ているでしょうか。

    2. このような決断は,人生の嵐の中でバランスを保つのにどのように役立つでしょうか。

    3. 今あなたが行っているささいな決断で,あなたの将来に大きな影響を与える可能性があるものは何でしょうか。

教義と聖約123:17を読み,この節は6節で明らかにされている原則とどのように関連があるかを見つけてください。わたしたちが自分のなすべきことを行った後に,主は約束を果たしてくださる。

預言者ジョセフ・スミスが書き留めたことから,次のことが分かります。すなわち,もしわたしたちが主の戒めに従うために自分の力の限りすべてのことを行うならば,神は御自身の御心と時期に従って御自分の力を使って,わたしたちを助けてくださるという確信を得ることができる。

  1. journal icon次の質問の答えを聖典学習帳に書きます:

    1. わたしたちは神が助けてくださるという確信を得る前に「わたしたちの力の限りすべてのことを」行う必要があるのは,なぜでしょうか(教義と聖約123:17)。

    2. わたしたちが自分の力の限りすべてのことを喜んで行うことが重要であるのは,なぜだと思いますか。

神の戒めに従順に従うために自分ができることをすべて行ったとき,神は約束を果たしてくださると,あなたは確信を得ることができます。

ノーブーの設立

聖徒たちはミズーリから追い出された後,イリノイ州クインシーと,イリノイ州とアイオワ州のそのほかの小さな町や村に避難しました。あなたの聖典にある『教会歴史の地図』地図5「アメリカ合衆国のミズーリ,イリノイ,アイオワ地域」からクインシーを見つけてください。

1839年4月,ミズーリ州リバティーにある監獄の看守たちは,ジョセフ・スミスが逃げるのを放置しました。そして,ジョセフ・スミスはイリノイ州クインシーで家族に合流しました。預言者の指示の下で,教会は,クインシーの北のミシシッピ川の両岸で土地を購入しました。川の西側はアイオワ準州であり,東側はイリノイ州でした。聖徒たちはイリノイ州側のコマースと呼ばれていた地に教会の新しい本部を設け,その地をノーブーと改名しました。「ノーブー」とは,ヘブライ語で「美しい」という意味です。

Nauvoo across Mississippi River

聖徒たちがノーブーに本部を置いていた間に,預言者ジョセフ・スミスは霊感によって扶助協会を組織し,主は死者のためのバプテスマの儀式,神殿エンダウメント,結婚の結び固めについて啓示され,また伝道活動は全世界に展開されました。

  1. journal icon扶助協会の会員(家族や親しい人など)に,扶助協会から主の業に携わるどのような機会を与えられて祝福を受けたか話してもらってください。聞いて学んだ事柄を聖典学習帳に書き,書いたことを他の家庭学習セミナリーの生徒と分かち合ってください。

  2. journal icon聖典学習帳の今日の課題の下に,次の言葉を書いてください—

    _月_日,教義と聖約123章と「ノーブーの設立」を学習し,このレッスンを終了しました。

    教師に伝えたいこと(質問,思ったことや分かったこと)—