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回復の礎 教師用手引き


回復の礎 教師用手引き

宗教教師に求められること

教える準備をするときは,宗教教育セミナリー・インスティテュートの目的を理解することが重要です。

「わたしたちの目的は,以下のことができるよう,青少年とヤングアダルトを助けることです。イエス・キリストの教えと贖いについて理解しそれに頼る。神殿の祝福を受ける資格を得る。天の御父とともに永遠の命にあずかるため,自分自身と自分の家族と周りの人々を備える。」(『福音を教え学ぶ—宗教教育セミナリー・インスティテュートの教師ならびに指導者用手引き』

この目的は,イエス・キリストの福音に従って真摯に生活し,生徒に福音を効果的に教え,クラスまたはプログラムを適切に管理運営することによって達成できます。これらの方法によって備え,福音を教えるとき,聖霊の影響を受けるにふさわしい状態となります(教義と聖約42:14参照)。

これは,信仰を強め,改心を深めることができるように,生徒が御霊によって学ぶことを助ける機会です。イエス・キリストの福音の真理と重要性を明確にし,理解して感じ取るとともに,その偉大な教義と原則を生かすように生徒を導くとき,生徒がこれらを達成する援助をすることができます。

『福音を教え学ぶ』ハンドブックは,教育過程を理解し,教室で効果的に教える方法を学ぶための必要不可欠な資料です。このハンドブックは,頻繁に参照することが推奨されています。

このコースの目的

本コース,回復の礎(宗教225)は,標準聖典,末日の預言者の教え,および教会の歴史から見いだすことができる,イエス・キリストの教会の回復の進展に関連する根本的な啓示,教義,歴史的な出来事,および人物について学ぶ機会を生徒に与えるものです。本コースは,教会の教義と歴史を正確に理解するうえで必要となる教義上の基礎と歴史的背景を生徒に提供します。生徒は,真理を探し求め,参照元となる資料の妥当性と信頼性を判断し,真理と誤りを見分ける能力を向上させます。生徒は,自らの生活と状況に関連する方法で,聖文,および教会の教義と歴史を学びます。ゴードン・B・ヒンクレー大管長(1910-2008年)は,回復の真実性について次のように証しています。

ゴードン・B・ヒンクレー大管長の画像

「この教会は,イエス・キリストの回復された教会です。わたしたちは一つの民として,末日聖徒と呼ばれています。わたしたちは,すでにもろもろの天は開かれ,幕が開き,神が語られ,イエス・キリストが御姿を現され,それに続いて神聖な権能が回復されたことを証します。 ……

神の驚くべき業を通じて,この回復されたイエス・キリストの教会に関する証と権能と教義が授けられたことを,神に感謝します。

これこそ,わたしたちが世に伝えなければならない偉大なメッセージです。わたしたちは高慢な思いでこれを伝えようというのではありません。わたしたちは,謙遜な思いで,しかし,同時に厳粛な思いと疑いの余地のない真心から,これを証します。」(「わたしたちの信仰の驚くべき基盤」『リアホナ』2002年11月号,78-81)

生徒がイエス・キリストへのさらなる信仰と,回復された福音に対するより強固な証を育てるとき,生徒は神聖な聖約を交わして守る決心を強くし,これまで以上に回復のメッセージを分かち合う備えを整えることになります。

生徒に求められること

インスティテュート卒業のための単位を取得するには,生徒は各レッスンの生徒用資料セクションにリストアップされている聖文,総大会の話,およびその他資料を読む必要があります。生徒は出席規定を満たし,コース内容についての高い理解度を示さなければなりません。

この手引きのレッスン構成

本コースは,2学期制コース向けに考案されたもので,28のレッスン(1クラス50分)で構成されています。1週間に2回クラスがある場合は,1回のクラスで一つのレッスンを教えます。1週間に90-100分のクラスが1回のみ開講される場合は,1クラスで2回分のレッスンを行います。各レッスンは大まかに4つの項から成っています

  • はじめに

  • 背景となる読み物

  • 教えるための提案

  • 生徒用資料

はじめに

このセクションには,レッスンのトピックと目的についての簡単な紹介が記載されています。

背景となる読み物

このセクションでは,末日の預言者からのメッセージなど,レッスンの対象となる教義,原則,および福音の真理をよりよく理解するために役立つリソースが提案されています。

教えるための提案

教えるための提案セクションには,何をどのように教えるかを知るために役立つ資料が含まれています(『福音を教え学ぶ』のセクション4.3.3および4.3.4も参照)。提案されている学習活動は,生徒が神聖な真理を明確にし,理解して,それらを生かすことができるように考案されています。これらの提案は,各自の教え方,および生徒たちの必要や状況に応じて適応させていくため,提案の全てを使用,または一部のみの使用にとどめてもよいでしょう。レッスン資料をどのように適応させるかを検討するときは,十二使徒定員会のダリン・H・オークス長老の次の勧告に従うようにします。

〔ダリン・H・オークス長老の画像〕

「パッカー会長は度々,まず最初に身に付けてから適応させるようにと教えてくれました。生徒に教える規定のレッスンをしっかりと学んでおけば,それを御霊に従って適応させていくことができるようになります。しかし,この柔軟性について話すとき,身に付けるよりも先に適応することから始めてしまうという危険が存在します。バランスが必要です。これは頻繁に起きるチャレンジです。しかし,まず最初にしっかりと身に付けてから,状況に合わせて適応させるというアプローチは,正しい見解を維持するよい方法です。」(“A Panel Discussion with Elder Dallin H. Oaks”〔宗教教育セミナリー・インスティテュート衛星放送2012年8月7日〕,lds.org/broadcasts

本コースには,複数の言語で読むことができると思われる教会指導者による声明が含まれています。教える準備を行うときは,トピックに沿った教会指導者によるその他の利用可能な声明を使用することによってレッスンを適応させてもよいでしょう。

教えるための提案セクションには,教義または原則についての記述が少なくとも一つ太字で記載されています。生徒がこれらの教義や原則を見いだし,学んだ事柄を分かち合うときに生徒が使う言葉は,手引きに書かれているものとは異なる場合があります。使う言葉が異なる場合でも,答えが間違っていると思わせないように気をつけましょう。しかし,生徒の発言をより正確にできる場合は,生徒が理解したことを明確にできるように注意深く助けましょう。

このカリキュラムは,福音を教え学ぶことの基本をテーマ別コースに組み入れる方法の手本となるものです(『福音を教え学ぶ』1023-3138-41)。セミナリーとインスティテュートは,今後数か月の間に『宗教教育インスティテュートで聖典を教え学ぶ』と呼ばれる文書を発行する予定です。これは,福音を教え学ぶことの基本をテーマコースに組み入れる方法をさらに詳しく説明するものです。

十二使徒定員会のデビッド・A・ベドナー長老は,福音をテーマ別に学ぶことによってもたらされる幾つかの恩恵について次のように説明しています。

「全体を通読する方法は基本的な知識を得るのに,そして,トピック別に研究する方法は知識を深めるのに役立ちますが,霊的な知識をさらに加えてくれるのが,関連性,パターン,テーマを探しながら聖文を注意深く調べ(ることです。これによって),救いの計画の理解ととらえ方が広がります。

わたしの見解では,聖文の中から関連性,パターン,テーマを熱心に探すことは,キリストの言葉を『よく味わう』ことでもあります。この方法を実践するなら,霊の貯水池の水門が開き,主の御霊が理解に光を注ぎ,聖文への感謝の念が増し,他の方法では到達できない高いレベルの霊的な意が心に生じてきます。この方法で聖文を注意深く調べていくと,贖い主という岩の上に築き,この末日の悪の嵐に堪える力が得られるのです。」(「生ける水の源」〔ブリガム・ヤング大学ファイヤサイド,2007年2月4日〕,3,https://www.lds.org/broadcasts/archive/ces-devotionals/2007/01?lang=jpn

本手引き内の内容の一部は,『教義と聖約および教会歴史セミナリー手引き』の内容に基づいています。

生徒用資料

このセクションには,レッスンで強調されているトピックに対する生徒の理解を深める聖句,教会指導者の話,およびその他資料がリストアップされています。クラスに来る前にこれらの資料を読んでおくことを課題とし,読むように励まします。これらの霊感を受けた資料を研究するとき,生徒はクラスの話し合いに参加する準備が整うだけでなく,コースのトピックについてさらに幅広く,深く理解できるようになります。学期の最初,生徒に『生徒用資料』の全リストを配ります。

教える準備をする

主は,教える準備をするための助けを与えてくださいます。準備をするときは,自分に対して次の質問を尋ねると役に立つ場合があります。

  • 聖霊の導きを受けるために祈ったか。

  • 割り当てられた聖文と背景となる読み物を研究したか。

  • カリキュラムを読み,生徒たちの必要を満たすように適応させたり調整する箇所があるかどうか判断したか。

  • 生徒が課題の生徒用資料を最大限に生かしていることを確実にするために,どのようにフォローアップできるか。

  • レッスンに十分に参加できるよう各生徒を助けるには何ができるか。

以下の提案も役に立つ場合があります。

  • クラスの前に課題の聖句や記事を読むように生徒を励ます。

  • 生徒が学習者としての役割を果たすことを期待する。

  • 教義と原則を自分の言葉で説明し,それに関する経験を分かち合い,知っていることや感じたことを証する機会を生徒たちに頻繁に与える。

  • 各クラス,および日々使用する学習活動やアプローチに変化を持たせる。

  • 生徒が互いに教え,学び合う特権と責任を持つ,御霊を招く学習環境を作る(教義と聖約88:78,122参照)。

十二使徒定員会のリチャード・G・スコット長老は次のように教えています。

リチャード・G・スコット長老の画像

「生徒による選択の自由は聖霊による導きを受け入れるため,御霊が十分に関与してくださることをお約束します。……生徒が真理を言葉にするとき,彼らの魂の中でその真理が立証され,個人の証が強められるのです。」(“To Understand and Live Truth”〔リチャード・G・スコット長老との夕べ,2005年2月4日〕,3,si.lds.org

障がいを持つ生徒のためにレッスンを適応させる

教える準備をするときは,特定の必要性がある生徒に配慮します。活動や想定を調整して,彼らが成功できるようにします。

さらにアイデアやリソースを入手するには,disabilities.lds.orgの障がいに関するリソースページ,および宗教教育セミナリー・インスティテュートのポリシーマニュアルにある「障がいを持つ生徒のための適応クラス」というタイトルのセクションを参照します。