第4課
モルモン書—わたしたちの宗教のかなめ石
はじめに
モルモン書はわたしたちの宗教のかなめ石であり,わたしたちの時代にこの地上に神がイエス・キリストの福音を回復されたという証拠です。エズラ・タフト・ベンソン大管長(1899-1994年)は,次のように教えました。モルモン書は「キリストについてのわたしたちの証のかなめ石です。わたしたちの教義のかなめ石です。証のかなめ石です。」(「モルモン経—私たちの宗教のかなめ石」『聖徒の道』1987年1月号,5参照)。生徒たちがモルモン書についての自分の証を強めていくときに,その真正さを反証しようとするに人々に対して防備を固めることができます。
背景となる読み物
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エズラ・タフト・ベンソン「モルモン経—私たちの宗教のかなめ石」『聖徒の道』1987年1月号,4-7
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ジェフリー・R・ホランド「魂の安寧」『リアホナ』2009年11月号,88-90
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「モルモン書とDNAの研究」福音のテーマ,https://www.lds.org/topics?lang=jpn
教えるための提案
教義と聖約17:6;19:26;20:5-12
モルモン書は,神がこの時代に真理を回復されたことを証明するものです。
クラスが始まる前に,ホワイトボードの上に次の表と質問を掲げてきます。
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福音の回復におけるモルモン書の役割に関わる一連の出来事から,わたしたちは何を学ぶことができますか。(モルモン書は教会が回復される前に完成していました。それは,福音の広まりに重要な役割を果たしました。)
教会が1830年4月に設立されたとき,モルモン書の印刷はちょうど完成しており,その2週間より以前に販売が広告されていました。生徒たちに,モルモン書の内容とモルモン書が証明していることが何かを調べてもらいながら,教義と聖約20:8-12を黙読してもらいます。見つけた箇所に印をつけるよう生徒に勧めるとよいでしょう。(注—この課を通じて,聖文の中に彼らが見つけた重要な真理に印をつけるように勧めてもよいでしょう。)生徒に答えてもらった後,次の空欄を含む文をホワイトボードに書きます。
時間を十分に取ってから,次の質問をします。
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あなたが読んだことに基づいて,ホワイトボードに書いた言葉を完成するとどのようになりますか。(生徒たちはそれぞれの言い方をするかもしれませんが,次の真理を認識していることが望まれます。モルモン書は,聖文が真実であること,神がわたしたちの時代に御自身の御業を行う人々を召して霊感を与えたこと,そして神は変わることがないことを世界に証明している。)
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神がわたしたちの時代に御自身の御業を行う人々を召して霊感を与えることを,モルモン書はどのように証明していますか。
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ある人が,モルモン書が真実であることを知るようになるとき,その人は預言者ジョセフ・スミスについてどんな知識を得ますか。
生徒たちに,教義と聖約17:6と19:26に共通することを探してもらいながら,この二つの節を黙読してもらいます。
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この二つの節に共通することは何でしょうか。(モルモン書の真実性についての主の宣言)
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主が,モルモン書の真実性についての御自身の証を述べられたことを知ることは,あなたにとってどんな価値がありますか。
モルモン書はわたしたちの宗教のかなめ石である
次の真理をホワイトボードに書きます。わたしたちの行動は,わたしたちの心の思いと願望から起こる。
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この言葉はどういう意味でしょうか。
エズラ・タフト・ベンソン大管長(1899-1994年)の次の言葉を表示して,生徒に声に出して読んでもらいます。
「モルモン書がわたしたちの宗教のかなめ石であるということには,3つの意味があります。キリストについてのわたしたちの証のかなめ石です。わたしたちの教義のかなめ石です。証のかなめ石です。」(「モルモン経—私たちの宗教のかなめ石」『聖徒の道』1987年1月号,5参照)
クラスを小グループに分けます。それぞれのグループに次のトピックを一つずつ割り当てて,話し合ってもらいます。モルモン書はどうして「キリストについてのわたしたちの証のかなめ石」なのでしょうか。どうして「わたしたちの教義のかなめ石」なのでしょうか。またどうして「証のかなめ石」なのでしょうか。(一つのトピックを二つ以上のグループに割り当てる必要があるかもしれません。)次の配付資料をそれぞれのグループに配り,自分たちが話し合うトピックに適した話を使ってもらいます。
十分な時間の後,グループで話し合った内容を発表してもらいます。
生徒たちにモルモン書についてどのように感じたか,またモルモン書が自分自身の証にとってどのようなかなめ石になったかを分かち合ってもらって,この課のこの部分を締めくくります。
敵対者は,モルモン書の誤りを立証しようとする
一人の生徒に,十二使徒定員会のジェフリー・R・ホランド長老が述べた次の言葉を読んでもらいます。
「この書物は,〔180年以上〕にわたって調査されて攻撃を受け,否定され,細部まで調べ上げられ,標的にされ,非難を浴びてきました。これほどの書物は近代の宗教史にはおそらくなく,どの宗教史においてもきっとないでしょう。この書物は今なお立っています。モルモン書の起源については,イーサン・スミスやソロモン・スポルディングの書物を基にしているという説から,錯乱した被害妄想者か天才的な悪人だから書けたという説まで,成功することのない理論が生まれ,おうむ返しに繰り返されては消えていきました。モルモン書について,このような,率直に言えば哀れと言うほかない結論の中で,検証に耐えたものは一つとしてありません。なぜなら,無学な若い翻訳者ジョセフが示した答え以外に答えはないからです。この点について,わたしは曾祖父が短くまとめた言葉に共鳴しています。『悪人にこのような本は書けない。この本が真実であって,神から命じられるのでなければ,善良な人も書くことはできないのだ。』」(「魂の安寧」『リアホナ』2009年11月号,89参照)。
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教会に対する現代の敵対者が,頻繁に教会の評判を落とそうとすることを覚えておくことは,なぜ重要ですか。
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ホランド長老の曾祖父の言葉は,モルモン書の真実性をどのように立証していますか。
一例として,教会の現代の敵対者が,モルモン書の評判を落とすための一つの方法は,モルモン書の人々とアメリカ原住民のつながりを,DNA鑑定による証拠を使って覆そうとすることだということを説明してもよいでしょう。生徒たちが,この問題について疑問を持っていたら,福音のテーマの次の記事を読むように勧めます。「モルモン書とDNAの研究」(この記事はhttps://www.lds.org/topics?lang=jpn で見つけることができる。)
あなたが知っていることが真実であるということに,しっかりとしがみついてください
生徒たちに,友達の誰かが,モルモン書の真実性に反すると思われることを聞いたと言った場合を想像してもらいます。
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あなたなら友達に何と助言しますか。
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モルモン書が真実であるというあなたの証は,モルモン書の批判に直面したときにどのような助けとなりますか。
一人の生徒に,十二使徒定員会のジェフリー・R・ホランド長老が述べた次の言葉を読んでもらいます。
「恐れや疑いがあるとき,困難なときには,たとえ小さくても既に得ている土台にしがみついてください。……問題が発生したときに,なかなか解決しないときに,既に知っていることに固くしがみついて,新たな知識を得るまで,強くあってください。」(「『主よ,信じます』」『リアホナ』2013年5月号,93-94)
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モルモン書の真正さについて疑問を持ったときに,ホランド長老の言葉をどのように役立てることができますか。(生徒たちはさまざまな答えを述べるでしょうが,次の原則を強調してもよいでしょう。福音について疑問や疑いに直面したときには,既に真実だと知っていることに固くしがみついて,さらなる研究を通して答えを見つけられることや,神が将来答えを明らかにしてくださることを信じるべきである。)
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モルモン書やモルモン書の内容について既に知っている真実は何ですか。どのようにしてその知識を得ましたか。
エズラ・タフト・ベンソン大管長の次の言葉を表示して,生徒の一人に読み上げてもらうことでこのレッスンを締めくくります。
「末日聖徒は全て生涯この書物を学び続けるべきです。さもなければ,自分自身を危険にさらし,人生に信仰と知識の一致をもたらすものをなおざりにしていることになるのです。モルモン書を読んでキリストの岩を基にして立ち,鉄の棒にしっかりつかまっている改宗者と,そうでない改宗者との間には大きな隔たりがあります。(「モルモン経は神のみ言葉である」『聖徒の道』1989年5月号,7)
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モルモン書を頻繁に研究することは,あなたの信仰を覆そうとする人々から,どのようにあなたを守ってきましたか。
モルモン書の真実性を証します。モルモン書が自分の生活にどのような影響を与えてきたかという点について考えてもらいます。モルモン書の研究を優先するために何ができるかについて考えてもらいます。モルモン書の証を強めたいと願う人は,モルモン書を読みその真実性について祈ることで強めることができるというモロナイの約束を,モロナイ10:3-5の中に見いだしてください。