第18課
扶助協会と教会
はじめに
「扶助協会は,女性たちが信仰を深め,義にかなった人格を築き,家族と家庭を強め,困っている人に手を差し伸べるのを助けることにより,永遠の命の祝福に備えられるように〔します〕。」(「扶助協会の目的」lds.org/callings/relief-society/purposes)この課では生徒が扶助協会の設立とその目的について理解を深めることができるように助けます。女性には神の王国を築くために,女性特有の機会と責任があることも学びます。
背景となる読み物
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ダリン・H・オークス「神権の鍵と権能」『リアホナ』2014年5月号,49-52
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M・ラッセル・バラード「男性と女性と神権の力」『リアホナ』2014年9月号,32-37
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ジュリー・B・ベック「扶助協会に関する預言者のビジョン—信仰,家族,扶助」『リアホナ』2012年5月号,83-85
教えるための提案
教義と聖約第25章
主のエマ・スミスに対する指示
スペンサー・W・キンボール大管長(1895-1985年)の次の声明を掲示して,一人の生徒に声に出して読んでもらいます。
「終わりの時に教会に大きな発展がもたらされようとしていますが,その多くは,世界中にいる善良な女性たち……が大勢教会に引き寄せられることが理由となって起きるでしょう。これがどの程度の規模になるかは,教会の女性たちがどの程度まで義を反映した生活を送り,自分をしっかりと表現できるか,また,どの程度まで世の中の女性と良い意味で区別され,異なって見られるかによって決まるでしょう。」(『歴代大管長の教え—スペンサー・W・キンボール』223-224)
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この言葉について考えるとき,どのような思いを持ちますか。
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義にかなった生活して幸福であることの良い模範となっている女性を知っていますか。彼女たちを知る人たちの生活とどのように違う生活をしているでしょうか。
この課では,扶助協会が回復されたイエス・キリストの教会の天父の娘や息子たちに祝福をもたらす方法を中心に学ぶことを告げます。
教義と聖約25章を開き,章の前書きを見て,この啓示の中で主が話しかけておられる人見つけてもらいます。それから3節を声に出して読みます。主の目から見ると,エマ・スミスは「選ばれた婦人」であったことを説明します。ノーブーでの最初の女性の扶助協会の集会で,ジョセフ・スミスは,「選ばれたとはある業のために選ばれたという意味であ」ることを説明しました。ジョセフはまた,エマ・スミスに与えられた啓示は,「エマ・スミス〔扶助〕協会の会長に選ばれたことによって成就した」と述べました(History of the Church, 第4巻,552-553で引用)。クラスを半分に分け,一方に教義と聖約25:4-9を読んでもらい,残りの半分には教義と聖約25:10-15を読んでもらいます。主がエマ・スミスに与えられた責任や召しを見つけてもらいます。これらの責任の一覧を作ったり,聖典に印をつけてもらうとよいでしょう。十分に時間を取った後,数人の生徒に見つけたことを発表してもらいます。
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これらの責任を果たすことで,教会の発展にどのように貢献できるでしょうか。
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エマ・スミスが主の戒めに従うなら,主はエマにどんな祝福を約束されたでしょうか。
一人の生徒に,教義と聖約25:16を声に出して読んでもらいます。
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これはエマ・スミスに与えられた啓示ですが,エマに宛てた主の言葉はどんなふうにわたしたちに当てはめることができるでしょうか。(この啓示の中で教えられている従順や他の福音の原則は,全ての人に当てはめることができます。〔注—聖句を自分自身の経験に当てはめることは,大切な聖典研究の技術です。この技術を用いることによって,自分たちの経験と聖文の中に出てくる人たちの経験が類似しているところに気づく助けとなります。〕)
聖徒たちがこの質問に対する答えを分かち合うとき,次の真理を理解できるように助けます。もし忠実に戒めを守り,主から与えられた責任を果たすならば,わたしたちは義の冠を受ける。この真理についてのあなたの証を述べるとよいでしょう。
扶助協会は回復されたイエス・キリスト教会の重要な位置をしめる
主は教会を組織するに当たって,ここにも少し,そこにも少しと啓示をお与えになられました。この過程の一部として,主はエマ・スミスに大変重要な召しをお与えになられました。一人の生徒に次の扶助協会が組織されたときの短い話を読んでもらいます。生徒に,預言者ジョセフ・スミスの扶助協会に対するビジョンが女性の初期のビジョンをどのように膨らませたかについて耳を傾けるように言います。
末日聖徒の女性たちは,ノーブーで教会の中に自分たちの組織を恵みとして与えられました。その発端は,サラ・グレインジャー・キンボールの指導の下,何人かの女性たちが,神殿の建設のために働く男性のために行ったシャツ作りでした。女性たちは正式に組織を作ることを決意し,エライザ・R・スノーにその規約を起草する責任を依頼しました。相談を受けた預言者ジョセフ・スミスは,この規約はすばらしいが,もっと良い方法で組織することを提案しました。1842年3月17日,預言者とジョン・テーラーとウィラード・リチャーズの指示の下,20人の女性が「赤れんが造りの店」の2階に集まり,そこで,預言者ノーブー女性扶助協会を組織しました。エマ・スミスがこの組織の会長に選ばれ,彼女を「選ばれた婦人」と述べた啓示が成就しました(教義と聖約25:3)。預言者は後に,この組織の目的は,「貧しい人を助け」,「人を救う」ことだと述べました。(『歴代大管長の教え—ジョセフ・スミス』452)
1842年4月28日,預言者は再び姉妹たちと集会を持ちました。預言者は,扶助協会は神権の秩序によって指示を受けることを述べ,それから次のように宣言しました。「わたしは今,神の名によって皆さんのために鍵を回します。これから後,この扶助協会には喜びがあり,知識と英知が注がれるでしょう。」(『歴代大管長の教え—ジョセフ・スミス』451)
生徒たちに,少し時間を取ってjosephsmithpapers.org/paperSummary/Nauvoo-relief-society-minute-bookにある「初期の扶助協会の集会」を読むように指示するとよいでしょう。
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扶助協会の可能性についての預言者のビジョンは,サラ・キンボールの原案をどのように膨らませたものでしたか。
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預言者ジョセフ・スミスが述べた「わたしは今,神の名によって皆さんのために鍵を回します」とはどういう意味だと思いますか。(扶助協会は神権の鍵を持つ者の神権指示の下に組織されました。)
元中央扶助協会会長のザイナ・D・H・ヤング姉妹(1821-1901年)の扶助協会の目的についての次の言葉を提示して,3人の生徒たちに読んでもらいます。他の生徒たちに目で追って読んでもらい,この言葉は扶助協会の目的についてどんなことを教えているか考えてもらいます。
「扶助協会は約半世紀前にジョセフ・スミスによって組織されました。聖なる神権の規範に倣って,神権指導者の指示の下,貧しい人や困っている人に物質的な祝福を与え,弱った人を励まし,過ちを犯している人を正し,また,女性が同情心や慈愛をさらに伸ばし,またそれらを使って,人類家族の贖いの業においてさらによいことをなせる霊的な力や強さを得る機会を持つことができるようにするためです。」(ザイナ・D・H・ヤング,“First General Conference of the Relief Society,” Woman’s Exponent, 1889年4月15日,172)
「預言者ジョセフ・スミスは,扶助協会の目的を定義し,……姉妹たちに自らの目的を教えました。扶助協会は今日も預言者,聖見者,啓示者によって導かれている組織です。」(ジュリー・B・ベック「扶助協会—聖なる業」『リアホナ』2009年11月号,110)
「主の預言者たちが長老や大祭司に自らの目的と義務を絶えず教えてきたように,預言者は扶助協会の姉妹たちにもビジョンを伝えてきました。預言者の勧告によれば,扶助協会の目的は明らかに,信仰と個人の義を増し加える,家族と家庭を強める,困っている人々を見つけ出し,助けることです。信仰,家族,扶助というこの3つの簡潔な言葉が教会の姉妹たちに対する預言者のビジョンを表すようになりました。」(ジュリー・B・ベック「扶助協会に関する預言者のビジョン—信仰,家族,扶助」『リアホナ』2012年5月号,83)
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扶助協会の目的は教会全体にどのような祝福をもたらすでしょうか。(生徒たちは次の真理を理解します。扶助協会は信仰と個人の義を増し加え,家族と家庭を強め,困っている人を見つけ出して助けることによって,慰めを与えることである。女性たちがこれらの目的を達成するときに教会全体に祝福をもたらします。)
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扶助協会がその目的をどのように達成するのを見てきましたか。
次の言葉を提示し,一人の生徒に声に出して読んでもらいます。
「預言者ジョセフ・スミスは次のように宣言しました。『女性たちがこのように組織されるまでは,教会は決して完全に組織されていませんでした。』〔『歴代大管長の教え—ジョセフ・スミス』451〕 ……
ジョセフ・スミスだけでなく,末日のその他の預言者も扶助協会が組織されたのは御霊に導かれた回復の一部であり,これによって教会の女性は互いに仕え合い,教会全体に祝福をもたらすために宗教上の職に召されていると証しています。第6代大管長であるジョセフ・F・スミス大管長はこう語りました。『この組織は女性と男性に救いをもたらすために,神によって作られ,神によって承認され,神によって組織され,神によって聖任されました。』〔『歴代大管長の教え—ジョセフ・F・スミス』184〕」(『わたしの王国の娘—扶助協会の歴史と業』7)
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この言葉は,扶助協会が福音の回復においてどのような役割を果たしていると教えていますか。(生徒が答えているときに,表現が違っていても,生徒は次の真理を理解するべきです。扶助協会はイエス・キリストの教会の回復の中で神から霊感を受けた部分である。この原則をホワイトボードに書きます。)
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扶助協会の組織が回復の一部であることを知ることで,あなたの生活にどのような違いがもたらされるでしょうか。
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女性が教会における召しに携わることは,教会が完全に組織されることについてどのような助けとなるでしょうか。
女性と神権
女性が神権の職に聖任されないことに疑問を持つ人たちがいることを伝えます。女性が神権の職に召されない理由は分からないが,女性は教会の召しにおいても,家庭においても神権に携わっていることをわたしたちは知っていることを強調します。
十二使徒定員会ダリン・H・オークス長老の次の言葉の資料を各々の生徒に配付し,一人の生徒に声に出して読んでもらいます。女性が神権の権能をどのように行使しているか説明するように言います。
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オークス長老の言葉から,教会での女性の役割や責任について,どんな真理を学べるでしょうか。(答えている間,生徒たちは次の真理を理解すべきです。女性は教会で奉仕するように召しを受けるとき,その責任を果たすための神権の権能が授けられる。)
クラスで話し合った真理について,生徒の理解と感じたことを深めるために,ペアになって次の質問について話し合ってもらいます。
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女性が貢献していることが本当に重要であることを表すために,教会の女性について語る内容をどのように改善できるでしょうか。
主の王国の弟子としての女性の影響力や女性が行う業について思ったことを分かち合ってもらいます。レッスンで感じたことに基づいて,特に日常生活において扶助協会の重要性を高めることによって,行動するように生徒たちを励まします。
生徒用資料
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ジュリー・B・ベック「扶助協会に関する預言者のビジョン—信仰,家族,扶助」『リアホナ』2012年5月号,83-85