「ユタ州における多妻結婚」教会歴史のテーマ
「ユタ州における多妻結婚」
ユタ州における多妻結婚
ジョセフ・スミスに与えられた啓示に従い,1840年代初頭,イリノイ州ノーブーにおいて,末日聖徒イエス・キリスト教会の会員間で多妻結婚(一人の男性が二人以上の女性と行う結婚)が実施されるようになりました。当初は少数の教会員にのみ密かに紹介され,多妻結婚に携わる人々は自らの行為を内密にするよう命じられていました。聖徒がユタ州に移住した後,教会指導者はこの慣習を公に認めるようになり,1852年から1890年にわたり,末日聖徒は隠し立てせずに多妻結婚を実施していました。
多妻結婚が公に教えられていた間,すべての末日聖徒は,その原則を神からの啓示として受け入れるよう期待されていました。しかしながら,すべての人がこの原則に従って生活するよう求められたわけではありません。実際のところ,男女の人数比から鑑みて,こうした結婚制度を万人が行うことは不可能だったのです。教会指導者らは概して多妻結婚を教会に対する命令であると考える一方,こうした慣習に関与しない人々も依然として神の承認を受ける立場にあると認識していました。1857年にユタ準州で暮らしていた人の半数が,その人生のある時期,多妻結婚による家族の中で夫や妻,あるいは子供として生活する経験をしていたと思われます。1870年までには,住民の25から30パーセントが多妻結婚の家庭で暮らしており,その比率は後の20年にわたって次第に減少していったようです。
多妻結婚は,それを行う人の多くにとって大いなる犠牲を伴いました。苦難を経験した人々がいたにもかかわらず,多妻結婚を実践した人々の忠実さにより,教会はその後も数え切れないほど多くの面で益を受け続けています。こうした19世紀の聖徒たちの家系から,献身的な教会員や指導者,宣教師が数多く輩出されているのです。今日の教会員は多妻結婚の実施を禁じられていますが,現代の末日聖徒は,自らの信仰,また家族や地域社会のために多大な犠牲を払ったこれらの開拓者たちをたたえ,敬っています。
ユタ州における多妻結婚の実施について,詳しくは福音のテーマの論文にある「初期のユタにおける多妻結婚と家族」(topics.ChurchofJesusChrist.org)をご参照ください。
関連テーマ:「ジョセフ・スミスと多妻結婚」,「一夫多妻禁止法」,「宣言」