2019
セミナリーはあなたの家族の「わたしに従ってきなさい」の経験をどのように高めることができるでしょうか
2019年8月


セミナリーはあなたの家族の「わたしに従ってきなさい」の経験をどのように高めることができるでしょうか

筆者はセミナリーの教師で,アメリカ合衆国ユタ州在住です。

親の皆さん,ここにはセミナリーが,家族の福音学習をどのようにさらに改善できるかについて書かれています。

family rowing in different directions

イラスト/エバ・バスケス

過去において,家族は,教会,セミナリー,家族の聖文学習を一つにすることに苦労していたかもしれません。最近の変更は,家族全員が福音に関する話し合いを改善する助けになるでしょう。

2019年3月,大管長会は,セミナリーに関する大きな変更を発表しました。世界中のセミナリーのクラスは現在,「わたしに従ってきなさい」の一部として,個人と家族が家庭や教会で学んでいるのと同じ聖典を学んでいます。セミナリー教師(そして親)として,わたしたちはこれ以上にないほど喜んでいます。

一つの明らかな祝福は,セミナリーの年代の子供たちの生活が簡素化されるということです。学校,スポーツ,アルバイト,家族の時間,友達との交流に加えて,これまで3つの異なった聖典(すなわち,一つはセミナリー,一つは日曜学校,そしてもう一つは家族での研究)から学ぼうとしていた多くの青少年がいました。大きな負担です。

教会の指導者が家族や日曜学校での学習を同じ聖典にそろえた時点で,セミナリーもそれに合わせるのは理にかなっています。これによって青少年は,一つの聖典をさらに深く掘り下げることができるようになります。しかし,簡素化は単なる始まりにすぎません。

家庭を強める

中央若い女性会長のボニー・H・コードン姉妹は,「教える機会に携わり,家庭における大きな変化の一部となるよう」求められている青少年は,「家庭を強める」助けとなるでしょう,と教えています。1

青少年は熱心に真理を求めており,喜んで分かち合いたいと思っています。これまで10代の子供たちの無関心な反応を見てきた人には,少し信じ難いかもしれません。親や教師として,わたしたちは皆,そのような経験をしてきました。セミナリー教師として,わたしたちは頻繁に生徒に質問をしますが,単に答えを知らないという理由で無関心な反応が返ってくることがあります。しかし,セミナリーの教科課程と「わたしに従ってきなさい」の教科課程が一つに合わされるとき,セミナリーの年代の子供たちは,家族として福音について話し合うときに,セミナリーで学んでいることをもっと簡単に応用することができるようになります。またその逆も可能になります。わたしたちは,すでにセミナリーのクラスの中でそのことを経験しています。

聖文学習を家庭からセミナリーにもたらす

2019年の初めに「わたしに従ってきなさい」が新しく始まったとき,わたしたちは生徒の心の高まりを感じることができました。生徒はセミナリーで教義と聖約から学んでいたにもかかわらず,家族とともに新約聖書から学んだことを分かち合い始めたのです。彼らはそのことにとてもわくわくしていました。セミナリーで教義と聖約第89章(知恵の言葉)を学んでいたのは,「わたしに従ってきなさい」の中でヨハネ第2章(イエス・キリストが水をぶどう酒に変えた奇跡)を学んでいたのとほぼ同じ時期でした。この二つの聖文から共通する原則や考えを探し出すことで,生徒は家庭で学んだことをクラスメートと分かち合うことができました。生徒は話す題材を持っているので以前より積極的に参加し,話し合いが非常に生き生きとしてきました。家庭で学んだことをセミナリーの学習に応用することができたのです。

family rowing in the same direction

セミナリーの学習を家庭にもたらす

2020年に,家庭,セミナリー,日曜学校でモルモン書を学ぶことは,生徒がそこで学んだことをさらによく分かち合うための門戸を広げることになります。

セミナリーで使う学習方法の幾つかは,家族の聖文学習の助けとなるでしょう。そのような方法を知れば,家庭を中心とする聖文研究に10代の子供たちをさらによく参加させる方法を見つける助けとなります。

家族として集まるとき,10代の子供はすでに同じ聖典から同じ原則を学んでいることになります。セミナリーですでにそれらの原則を学んでいたら,深い理解を得ていることでしょう。実際に分かち合う題材を持っているので,そうするように求められても「困惑」することはないでしょう。セミナリーでの経験により,家庭で福音について話し合う自信が持てるようになるでしょう。家庭の夕べや家族の聖文研究は,個人的な洞察を分かち合う時間となるでしょう。

家庭で分かち合うよう10代の子供たちに勧めるために,以下の自由回答式の質問を用いるとよいでしょう。

  1. 今日セミナリーでどのような霊的な経験をしたか。

  2. 今日いちばん心に残ったことは何か。

  3. セミナリーで学んだ原則の中で,家族の助けになると思えることは何か。

  4. 今日学んだ聖文の物語で,家族に分かち合えると感じることは何か。

  5. セミナリーで学んだ聖文の物語の中で生活に影響を与えたことは何か。

  6. もっと良くなるために今日のセミナリーでどのような霊感を受けたか。

  7. セミナリーで学習したことから,救い主について何を学んだか。

家庭での学習がセミナリーで学習する前に行われることがあるかもしれません。そのような場合,セミナリー教師は,青少年が家庭で学んでいることを引き出すために上記の質問を応用できるでしょう。

マスター教義

聖文学習に対するセミナリーの取り組みは,もはやただ暗唱することにとどまりません。わたしたちはマスター教義に焦点を当て,聖文で教えられている教義を生徒たちが理解し,応用し,それに対する証を得るように助けています。すなわち,わたしたちの焦点は,真の教義に対する改心をさらに深め,力を持って教義を教える方法を知ることにあるのです。

例えば,一つの聖句が神会について教えているとします。その聖文をセミナリーで学習するときは,神会について教えているほかの聖句を探します。その後,これらの聖句から神会について学べることに注意を向けるよう生徒に促します。最後に,これらの聖句を使って神会に対するわたしたちの信条を説明するという状況を設定し,ロールプレイを行います。

家庭でもこの方法を使い,以下のことをするよう10代の子供に勧めるとよいでしょう。

  1. 聖文にある原則を教える。

  2. そのテーマに関するほかの聖文を相互参照して分かち合う。

  3. 聖句を見つける方法を暗唱し,覚えているよう家族を助ける。

  4. 学んだ教えをどのように生活に当てはめるか話し合う。

深い学習への備え

セミナリーでは,深い学習(改心につながる学習)と呼ばれることに重きを置いています。深い学習の一つの鍵は,学ぶための準備を改善することです。生徒の準備を改善する方法は,セミナリーのクラスによって異なりますが,幾つかのクラスで試していることに,準備の割り当てがあります。生徒に幾つかの聖句と質問を割り当てて家庭に持ち帰ってもらい,クラスで学習する予定の聖句を読んできてもらうのです。セミナリーの教科課程と「わたしに従ってきなさい」の教科課程がさらに密接に合わさるとき,セミナリーのために準備する割り当てを生徒の家族と分かち合うことができます。それは家族がともに学ぶ方法が一つ増えるということです。

10代の子供に以下のことをするよう勧めるとよいでしょう。

  1. 準備の割り当てについて家族と話し合う。

  2. セミナリーのレッスンの後,そのテーマで学んだそのほかのことを共有する。

具体的な目標を設定する

「わたしに従ってきなさい」の教科課程では,目標を設定するようしばしば勧められていることに気がついているかもしれません。それは,セミナリーでも強調していることです。わたしたちは,「もっと健康になる」というような大まかな目標ではなく,具体的な目標を設定するよう生徒に教えています。目標を設定するとき,生徒は,いつ,どこでどのようにその目標を達成するのかを計画します。

例えば,10代の子供がもっと忍耐強くなるという目標を設定する場合,次のステップでは,それをどのように伸ばそうとするかを計画します。どのような状況や場面で,忍耐することが難しいと感じているのでしょうか。ある生徒は,車を運転しているときにもっと忍耐強くなろうと決心しました。そのような場合に忍耐を実践する方法について話し合ったとき,その生徒は,車の中で静かな音楽を聴く,車に乗るときにいつでも忍耐できるように祈ることを思い出せるようダッシュボードにメモを貼り付けておく,という計画を立てました。

10代の子供に以下のことを勧めるとよいでしょう。

  1. 目標について話し合う。

  2. 家族としても同じような目標を設定して達成できることを分かち合う。

子供が家庭を強めることができるようにする

あなたには,家族の聖文研究に多少なりとも熱意を吹き込むすばらしい機会があります。そして今教科課程が合わさったことで,セミナリーの年代の子供たちに学んでいることを分かち合うよう勧めることができます。セミナリーや家族の「わたしに従ってきなさい」の活動で同じ聖典から学ぶとき,子供たちは福音に対する深い理解を通して,これまでよりもさらに家族を強めることができるようになります。

「支部やワード,ステークの建物内で行われることにより支援される家庭中心の教会2となるよう教会が取り組んだこの第2のステップにより,青少年は家庭を強めるためにこれまでよりも大きな役割を果たすことができるようになります。わたしたちは十二使徒定員会のジェフリー・R・ホランド長老が話した以下のことに賛成します。「この変更は,若い人々がかつてない程強さを必要としているこの時代にあってきわめて大きな進展だと思います。すばらしい連携です。全教会員が学んでいることとの一致が図れるのです。家庭中心で教会がサポートするという概念と見事に調和しています。これに,家庭中心でセミナリーがサポートする形の福音研究が加わるのです。」3

  1. ボニー・H・コードン,“Seminary Curriculum to Support Home-centered Learning” (video, Mar. 22, 2019), ChurchofJesusChrist.org

  2. ラッセル・M・ネルソン「はじめに」『リアホナ』2018年11月号,7

  3. ジェフリー・R・ホランド,“Seminary Curriculum to Support Home-centered Learning.”